「学校へ行かない」のは身体の問題?心の問題?それとも考え方の問題?~アプローチを始めるときに気を付けたい視点~
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
5月に入り、新緑のきれいな季節となりました。気兼ねせず外に出られる時が待ち遠しいこのごろです。
さて、初めて支援センターにいらした方からは、
「学校へ行かないのは、体調など身体からくるものなのか、それとも気持ちによるものなのか、本人の考え方によるものなのか、どこをどうすればいいのか分からない」といったお悩みをお聞きすることがあります。
そこで今回は、「学校へ行かない」などの行動がどのように起こっているのか、みていきたいと思います。
「学校へ行かない」はどこからアプローチするもの?
最初のお話にあがった、「身体」、「気分」、「考え方」、「行動」ですが、この4つはすべてお互いに影響しあっていると言われています。(認知行動モデル、と呼ばれています)
例えば・・・
考え
- 「やればできるはずだ」 / 「やってもうまくいかないだろう」
- 「きっといいことがあるだろう」 / 「いいことなんてないだろう」
気分
- 安心 、落ち着いている / 不安、怖さ、あせりを感じている
- うれしい、楽しい / 悲しい、落ち込んでいる
行動
- 前向きな行動をとる / 後ろ向きな行動をとる
- 活動的にすごす / 何もせずにすごす
身体
- 調子がよい、元気 / お腹が痛い、頭が痛い、体がだるい
- よく眠れる、すっきり起きられる / 眠りが浅い、起きられない
上の例では、考え・気分・行動・身体のどこかが線の右側になると、のこりの3つも右側に移りやすくなったり、反対にどこかが左側になると、のこりの3つも左側に移りやすくなると考えられています。
・・・実際に、マイナス思考になると、気分が落ち込み、行動まで後ろ向きになったというご経験や、体調がよくなると、気分が明るくなり、考え方も前向きになったというご経験がある方も多いのではないでしょうか?
同じように、子どもの「学校へ行かない」という行動についても、この4つが今どのように影響しあっているかを整理することで、
考え方の幅を広げたり、気分を落ち着けたり、身体の調子を整えたり、できる範囲で行動していったり、「今はどこが必要か」が考えやすくなっていきます。
4つの調整はとても難しいこと?
大人であれば、気持ちが落ちこんだ時、考え方を変えることで気持ちを落ち着けたり、マイナス思考になってきた時に、体を動かしてリフレッシュをしたりなど、この4つを自然とコントロールされている方も多いのではないかと思います。
経験をかさねて自分なりの調整の仕方が分かってくると、このように、4つが影響しあうことをうまく生かしながら、自分の行動をコントロールしていく、というやり方をとることができます。
一方で、こうした自分なりのやり方をこれから身につけていく子どもたちですと、自分の考え・気分・行動・身体の4つをうまく調整できず、身動きがとれなくなってしまうことが考えられます。
そのため、今のお子さんの考え・気分・行動・身体はどういった状態で、どこから変化を起こしていくことが必要かを考えていくことは大切なアプローチになってくると考えています。
お困りの時にはお近くのカウンセラーにご相談くださいね。
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