「モンハン」で人間関係を学んだA君のお話
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
学校では新学期を迎える季節となりました。
昨年とはまた違うスタートに、やりにくさを感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
さて、突然ですが皆さんは今子どもたちの間で大人気の「モンスターハンター ライズ」というゲームを
ご存じでしょうか? 今回はこのゲームを通して人間関係を学んだA君のお話を紹介したいと思います。
子どもたちがゲームを実施する際、こんな使い方ならありかもな?という要素も入っておりますので
何かの参考にしていただければ幸いです。
A君は不登校 ゲームに熱中するタイプ
A君は高校2年生の時に不登校になり、家ではゲーム三昧の生活を送っていました。
もともと何かにハマると熱中しやいタイプで、親御さんとしてはその点も気になっていました。
友達作りに関しても苦手としている所があり、
特に学年が変わるタイミングなどは本人も親御さんも心配事が多くありました。
A君は高校2年生でしたので、次は3年生を迎えるタイミングとなります。
今後の進路を本格的に考える時期でもありますし、親御さんとしては
高校時代に少しでも自信をつけてその後の生活に慣れていってほしいという思いがありました。
そして迎えた春休み。
この長期休暇の間に発売されたのが「モンスターハンター ライズ」です。
いわゆるアクョンゲームで、自身がハンターとなり様々な武器を用いて
モンスターを倒す(狩る)ゲームなのですが、案の定A君はこのゲームにハマり
どんどんうまくなっていきます。
お母さんが提案した「モンハンの会」への参加
そんな折、ある団体が開催している「モンハンの会」というものをお母さんが目にし
A君に参加することを提案したのです。
実はこのゲームには、パーティークエストというものが実装されていて
複数のプレイヤーで共通の敵(モンスター)を倒しにいくことが出来るのです。
「モンハンの会」では、このパーティークエストを行うことがメインとなっており、
初めましての人と共にプレイをしていくプログラムとなっていました。
友達作りに苦手意識をもつA君ですから、最初は行こうか行くまいか大きな葛藤がありました。
知らない人たちと一緒にゲームをすることには不安がある。
でもモンハンは面白いし得意だし、やりたい。
A君はついにこのような葛藤を乗り越え「モンハンの会」に参加する決意をしました。
そしてA君はこの会で、とても大切なことを学んで帰ってきたのです。
「モンハンの会」で実施されたこと
モンハンの会ではおおよそ以下のことが行われました。
- 自己紹介
- 狩りに行くモンスターの選定
- ゲーム実施
- 感想発表
まず自己紹介で当日呼び合う名前を決めます。
学校という場でも、案外友達のことをどう呼べばいいのかで迷う子は多く
(例えば名字で呼ぶか名前で呼ぶか、君付け/さん付けをするのかしないのかなど)
それによって同学年の子との距離感が図れない子もいたります。
そういった意味ではこの自己紹介で呼び合う名前を決めるというのは効果があるのかと思います。
また狩りに行くモンスターの選定ですが、当日集まったプレイヤーの力量やレベルは異なるため
強いモンスターを倒しに行ける人もいればそうでない人もいて、どのモンスターを狩りにいくかを決める上では
協調性が求められます。
ゲーム実施最中もそれぞれのプレイヤーが自分勝手に攻撃していては討伐に時間がかかったり
失敗したりすることがあるので各プレイヤーはある程度自身の役割を担うこととなります。
これはモンスターハンターに限らず言えることですが、パーティーを組んで実施するゲームには実は
友達作りや学校生活において大切になる要素を疑似体験できる効果もあったりします。
A君においても、自身が苦手と感じていた人間関係(友達作り)には
いくつか「コツ」や「ポイント」があって、その点を抑えることが重要なのだと
このモンハンの会に参加して実感したようです。
ゲームは悪なのか?そうではないのか?
上記のような活用の仕方は、ゲームが「学び」につながるとても良い事例かと感じています。
もちろんその他にもストレス解消や生活にメリハリを持たせることなどは
ゲームによってもたらされる効用と言えるでしょう。
一方、ただただ時間を浪費してしまうような活用の仕方だと、見ていて心配になることがあると思いますし
実際脳にマイナスの影響が出るという研究結果も発表されています。
このあたりは親御さんと子どもとの間でじっくり話し合う必要があることでしょう。
そしてやはり言えることとしては「使い方次第」だということです。
最後に
ゲームに関しては様々な見解が飛び交う中で、親御さんとしても子どもにどう運用させるかは
悩みどころかと思います。その子に合うやり方を見つけていくという意味では正解不正解がないだけに
判断も難しいですよね。
私たちカウンセラーは親御さんのそのような思いも受けとめながら
子どもの不登校支援に当たらせていただいております。
また横浜支部では、随時子どもたちを集めてイベントを実施しておりますので
ご興味のある方は、担当カウンセラーまでお声がけいただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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