立てた目標を宣言させるだけが全てではない?!スタートの4月だからこそ気を付けていただきたいポイント
こんにちは。
東京支部の椎名愛理です。
いよいよ新学期が始まりましたね。
昨年一年間、この新学期のスタートに向けて様々準備されてきた子ども、ご家族にとってはドキドキする時期ではないでしょうか?
カウンセリングの中でも2月から3月は、一年のスタートに向けて「三学期最後をどのように過ごすか」「春休みは何を目的にするか」「4月新学期をどのような状態で迎えたいか」、、、等たくさんの『いつ』『どのように』『何を目的に』などといった想像をしながら進めていました。
そしていよいよ迎える4月ですので、子どもも親御さんも緊張した様子、「できるかな」といった不安が声に現れるという時期かと思います。
本日はそんな時期だからこそ考えたい『目標を宣言すること』のメリット、デメリットについてお話したいと思います。
目標を宣言することに、デメリットってあるの?
まず、この『宣言することのデメリット』について、皆さま一瞬『メリットはあるけど、デメリットってあるのかな』と思われたのではないでしょうか?
目標を宣言するメリットは、例えば
- 声に出す(書き出す等)することで、自分の考えが明確になる
- 宣言することで自分を鼓舞することができる
- 目標を設定するという行動が定着してくる
- 先を見通して動くことが習慣になる
など、様々な良い面が思い浮かぶことと思います。
私自身も、例えば新しいことに臨む際などは「いつまでにどれくらい出来ていたら良いな」と、自分の中で目標を立ていざ出発!ということが多いです。
しかし、この『目標』×『宣言する(誰かに伝える)』が時に人々にとって(お子さんにとっても)マイナスに働いてしまうこともあるのです。
宣言することがエネルギーになる人と、プレッシャーになる人
それでは、ここである場面を想像してみましょう。
中学生のAさんとBさんがいます。二人とも、提出日が迫った宿題がありますが、まだ手を付けていません。「いつまでに終わらせるの?」と親御さんが質問をすると、
AさんBさん:「週末にやって、来週提出するよ!」
そう宣言した二人ですが、二人とも同じ気持ちで宣言したのでしょうか?
Aさんは『言っちゃったし、やるしかないか、、、土日に頑張ろう!』と、目標を口にしたことで自分の行動を、実際に達成できるように気持ちを盛り上げていきます。
しかしBさんは『どうしよう、やるっていっちゃったけど、宿題の量も多いし終わらないかもしれない、、でも終わらなかったら嘘をついたことになっちゃうかな、、なんとか終わらせないと』と、宣言をしたことによって自分を追い詰めて、行動が取りづらくなってしまうということも。。
目標を宣言してやるか、宣言しないで淡々とやるかは人それぞれ
AさんとBさんの例でも分かるように、一見行動するときに役に立ちそうな『宣言することでモチベーションを上げる、行動を促す』という選択ですが、この選択が合う人、合わない人がいるのです。
これは、「宣言することが合わない人が悪い、宣言しない=やる気がない」ということではなく、心理的な傾向として行動を起こすまでに適したプロセスが人それぞれ違うからです。
ではお子さんはどちらのタイプでしょうか?
宣言することで自信をもって自分を律して次の行動に向き合っていく様子でしょうか?
それとも、あえて宣言せず、行動が終わってから『実はできてました』と誇らしげに話すタイプでしょうか?
子ども一人ひとりに、こうした合うプロセス、合わないプロセスがあります。子どもをサポートしていくうえで、声をかける際に子どもにあった声掛けであるか、子どもの性質にあったサポート体制を考えていくことはとても大切です。
うちの子ってどっちだろう?どんな声掛けが響くだろう?とご不安な際は私たちカウンセラーも心理テストを用いながら一緒に考えてまいりますので、ご安心くださいね。
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