「クラス替え」や「新しい環境」になれば本当に登校出来るのか?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター横浜支部の庄子です。
緊急事態宣言が延長される中、もう少しで卒業のシーズンを迎え、それを超えると入学のシーズンになりますが、お変わりないでしょうか?
昨年は子ども達の晴れ舞台を思い通りに楽しむことができなかったと思います。今年も未だ不自由な状況ですが、感染対策をしっかりした上で、送り出して頂ければと思います。
さて、本日は新学年に備えてのお話として「クラス替え」や新しい環境」になれば本当に登校出来るのでしょうか?」をお伝えしたいと思います。
「クラス替え」や「新しい環境」になる前の子どもの状態は如何でしょうか?
4月―進級・進学の季節。新しい仲間に出会えることに緊張と期待が入り混じる月だと思います。それを迎えるに辺り、不登校支援センターには数多くのご相談を頂く季節でもあります。私自身、子どもが不登校に新学年早々からなった方のお話を聴くと、
- 受験前から学校や塾に行かなくなった。
- 急に進学先に行きたくないと言い出した。
- 12月か1月あたりから頭痛や腹痛を訴える様になった。
など、行動や言動で行き渋る様になったり症状を訴える様になったりする傾向がみられます。
その上で、親御さんの大半は
- 「学校や塾に行かなくても受験前だから大丈夫」
- 「受験のストレスから来るものだから大丈夫」
- 「新しい学年になるから大丈夫」
- 「むしろこの状態が3学期(後期最後)だったから、クラスが変われば気分も変わるだろう」
など考えられると思いますし、子どもにも「環境が変われば行けるよ!」と言われる方が多いのでは無いでしょうか?。
しかし、今のこの状況から春休みを迎えるとストレスレスになり易い為、新学期を迎える時には強いストレスを自分自身に掛けてしまい、結局行けない状態に陥りやすいことは良くあります。
不登校になるタイミングは主に2種類
先程の話がある程度当てはまっていると、新学期早々から行けない場合と時間を掛けて行けなくなる場合の2種類があります。
<新学期早々の不登校>
新学期早々の不登校は文字通り、学校が始まって1週間~GW前に行くことが出来なくなります。このパターンは春休み前まで学校に行けていない期間が長い人ほどなり易いです。
<時間を掛けて不登校>
時間を掛けて不登校の場合は学校に対しての期待感の大きさやクラスの雰囲気が良い・友達が多い状態の時が当てはまります。最初のスタートが良いと、学校に行きたいと思う為、期待感が大きい状態から行くことが出来ます。しかし、元を辿れば学校や塾に行けなかったのは何故なのか?によりますが、長期休みを経験する中で徐々に行く気持ちが下がってしまい不登校になる場合があります。特に、GW明けが1つの山であり、次に夏休み前、3つ目に夏休み明けの3段階があります。この中のどこかのタイミングで不登校になる可能性は大いにあります。昨年の場合はコロナの影響で5月末まで自宅学習やオンライン授業、6月に分散登校、7月に本登校の流れの方が多くいらっしゃったと思います。その為、7月以降から不登校になる子が多かった特殊な年ではありましたが、メカニズムは変わりありません。
つまり、直ぐに不登校になる子どももいれば時間を掛けて不登校になる子も居る為、子どもの言動や行動に注目してみる必要があり、怪しいと思った際は先ずは親御さんが的確に動く必要があります。
2月・3月中に子どもの状況を把握することの大切さ
では、新しい学年やクラスになる前にどの様な心構えを親としてする必要があるのでしょうか? 代表的な3つのパターンについてお話させて頂きます。
①学校や塾への行き渋り方に注目する
これは既に不登校になっているパターンとも言えます。実際に学校に行くことを躊躇ったり、塾に行くことを躊躇ったりしている状態や全く行かない、退塾するなどが上げられます。受験前の大事な時期ではありますが、塾を辞められる方も良く耳にします。
②体の症状
頭痛や腹痛を良く言い出すようになることや、生活リズムが極端に崩れる状態になるパターンです。ストレスから来るものが大半ですが、そのストレスに対しての対処法が上手く行かないと、症状を訴える様になる場合が多くあります。また受験からの解放もあり、燃え尽き症候群になってしまい、生活リズムが乱れることもあります。
③新学年への不安
今までは受験をすることに一生懸命になっていた場合や、今のクラスがとても楽しかった場合、「次」を意識した時に不安になるパターンです。特に高校進学の子どもは、小学校から中学校まで同じような仲間と過ごすことが多く、新しい環境や人になると考えただけで不安を作ってしまう場合があります。その為、3月の卒業式以降に現実味を増して「不安・恐怖」に感じる子どももいます。
以上の3つの中で、親御さんから見て1つでも当てはまると感じた場合は、話を聴ける体制や今後の事も踏まえてお話を積み重ねて頂ければと思います。
未然に予防をすることの大切さ
不登校は子どものストレス対処方法の一種です。しかし、その対処方法を取る前に色々な角度から物事を見られる様になることで、対処が出来る様になることが望ましいですよね。
また、“時間が解決してくれる”パターンは少ないと思います。子どもが社会を生き抜ける為に、今からその見方を身に付けて行く必要があります。
親御さんの、子どもに対しての「おや?」を放って置くのではなく、心配になるようでしたら、一度不登校支援センターにご相談頂けると幸いです。実際、親御さんの心配を何かの付帯条件(理由)と結び付けてしまい、時間の経過に任せてしまうと大変なことになり易いです。子どもの不登校には必ずサインがありますし、いきなり不登校になることは大抵の場合ありません。また、時間を掛けた分だけ学校へ、社会へ復帰する時間が掛かりますので、早め早めの行動を心がけて頂くととても良いです。
つまり、未然に予防する為に「おや?」と思うことを放置しないことが大切です。
環境の変化で変わる可能性を模索するよりも先ずは相談を!
如何だったでしょうか?
学校へ、社会へ復帰する為にはしっかりとした計画と準備が必要となります。ただ環境が変わることを待つのではなく「今出来る準備をする」ことを心掛けて行く必要があります。その上で、「おや?」と思うことがある場合は直ぐに不登校支援センターへお越し下さい。不登校専門のカウンセラーがしっかりとお話を聴いた上で、具体的な今後の見通しについてお話させて頂きます。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。