「明日は学校に行くよ」と言ってたのに当日になったら行かない理由とは⑦ ~自分らしさを表現する①~
こんにちは。
不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
今年もまたきてしまいましたね・・・。
目玉を外して洗い、鼻の穴に栓をしたくなる季節・・・。
そう!私、花粉症なのです!!
被害を最小限に抑える為に、日々あの手この手を尽くしております。花粉症持ちの皆さん・・・もうしばらく耐え忍びましょう。
さて前回、子どもの表面的な変化がない様に感じられる時に、内面に変化が起こっているのではないかと関心を向けてみてください、とお伝え致しました。今回は、実際のカウンセリングの事例をお伝えしたいと思います。
中学3年生の女の子、Aさん
Aさんは、高校から全寮制の学校に進学を考えており、先日無事に合格通知が来た事を知らせてくれました。「自分で行くと決めた」事もあり、その表情は清々しく思えました。今回は、Aさんがその決断に至るまでの経緯と親御さんの支援をご紹介できればと思います。
Aさんが初めてカウンセリングに来てくれたのは、中学2年生の時でした。
カウンセラーと話す事には抵抗がなく、初めから来てくれましたが、すぐに心を開いてくれたかと言うとそうではありませんでした。
- 自分は何やっても上手に出来ない
- 自分には価値がない
- 他の人には理解してもらえないんだ
という思いが強く、防衛的な態度になってしまうことがありました。
Aさんは、小学生の頃からクラスでイジメを受けてしまい、公立の中学には行きたくないと思い中学受験をしました。中学では、上手く周りに順応しようとし、クラスメイトの話を良く聞き、自己主張は控えて過ごしていましたが、徐々にしんどくなってきます。元々、話をする事が大好きだったり共感性が豊かな子で、小学校でもお友達と話したり遊んだりしていたのですが、小学校ではAさんがオリジナリティを表現する事を周囲が許容できずに、イジメという悲しい出来事に繋がりました。
その経験が、「自分らしさを表現するとまたイジメられる」と、学校では自分の気持ちを抑圧することになり、自分らしさを表現する事が難しくなってしまいます。それならばと中学では聞き役に徹しようと頑張っていたのですが、他の子の悪口を聞くようになり、同調を求められるようになった事をきっかけに学校に行かなくなりました。その頃から習い事へのモチベーションも下がり休みがちになります。
たまに登校する日もあったのですが、帰宅すると疲れきって長時間寝てしまい、少しずつ生活リズムが狂っていきました。
親御さんは、そんなAさんを一生懸命起こしたり、休んでいる間に取り組めるように課題を用意されておりましたが、Aさんがなかなか思うように取り組めず、
- なんで朝起きないんだろう
- どうして学校に行けないんだろう
- せっかく用意したのに、何で学習に取り組めないんだろう
- 学校を替えた方が良いのでは・・・
と感じてしまうと、お気持ちを吐き出してくださってました。
その時は、朝Aさんと同じくらいの年代の子たちが登校する姿を見ながら出勤する時が一番心が痛むとおっしゃっていました。
Aさんも、親御さんから言われている事が出来ていないことを気にする様になり、「お父さん(お母さん)怒ってるよね?」と聞いてきたり、自室で過ごす時間が長くなる時が増えてきました。親御さんも、今のAさんの様子が、本来のAさんらしくないとは感じていながらも、どうしたら良いのか分からずカウンセリングの中でお気持ちを整理されておりました。
- 本来、色々な事に興味津々で何にでも積極的に行動できる子なのに・・・
- 自分から、色んな話をしたがる子なのに・・・
- 「やるべき事」を出来てないという後ろめたさで、学校を休んでいるのに気疲れしてしまっている
と、今のAさんの様子は、親御さんが望んでいる姿ではないと感じられたのです。
もちろん学校には通ってほしいが、渋々学校に通う事で自分を肯定できなくなったり、日々を楽しく過ごせないのであれば、今は登校を促す時期ではないと判断し、今はまず
- Aさんが、自分を好きでいられるにはどの様に過ごせたら良さそうか
- Aさんが、自分から興味を示して楽しめる事に取り組めるためには、どうしたら良さそうか
について親御さんと考えていきました。皆さんでしたら、どの様に対応されますか? 一緒に考えてみてください。それでは、この続きは次回以降に致しますね。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
関連ワード: 全寮制 , 勉強しない , 朝起きない , 積極的に行動する , 自分から話をしたがる , 自分を好きでいられる