「なんかうちの子、以前と違うかも?」と感じ時にとるべき行動とは?
こんにちは。
東京支部の椎名愛理です。
本日は「学校には行っているものの、なんだか様子が以前と違う」という子どもについて、お話をしようと思います。
私が今回、このブログを書いたのはあるお母様の一言からでした。(お母様をはじめお子さんにも承諾を得て、お名前や詳しい状況は伏せてお話いたしますね)
『あの時、もっと早く気づいてあげればよかった』
初回面談の際、お母様はこのようにおっしゃり、涙を流されておりました。
Aさんは小学校5年生の女の子。お友達には優しく、喧嘩をすることもなく、学校では先生のお話をよく聞いて、クラスでも頼りにされる子どもだったそうです。
宿題も忘れずに自宅で取り組み、習い事のピアノも毎週嫌がることなく通っていました。
お父様お母様には、時折友達の愚痴を話すこともあったそうですが、それ以外は「いやだ」「やりたくない」といった発言をすることは本当に少なく、世にいう「育てやすい子」だったそうです。
穏やかだったAさんの変化「これが本当にうちの子?」
そんな穏やかなAさんの表情や言葉が変わってきたのは、昨年の夏休み以降のこと。学校に対してマイナスな発言が多く(宿題がめんどくさい、プリントが終わらない、こんな問題簡単すぎる等)、楽しんでいたピアノも練習を渋るようになったそうです。
しかし、親御さんとしては「年頃だし、反抗期だろう」と、Aさんの変化をあまり気に留めないようにしていたそうです。
しかし、夏休み明け分散での登校が始まり、分散登校が本格的な終日登校に変わるとAさんは、ぱったりと学校に行かなくなりました。
その後、学校を連想するような話や物(プリントやワークなど)を親御さんが持ち出すと、人相を変えて怒り、物を投げ泣き叫ぶようになったそうです。
Aさんの変化の背景にあるものとは?
お母様とじっくりとお話をお伺いしていく中で、Aさんが学校で穏やかに過ごしているように見えた期間にも「友達には優しくしなくてはいけない」「誰かが困っていたら助けてあげないと」と、自分を律しながら『意識的に周囲に寄り添っていたこと』。
難なく宿題をこなしているように見えたけれど、実は苦手な分野があっても苦手だと言えず、一人でYoutubeで解き方を調べて宿題をこなしていたこと。
など、以前から言葉にはしないまでも一人で色々なことを抱えて行動していたことがわかりました。
その時お母様が仰ったのが「もっと早く気づいてあげればよかった」というお言葉でした。
子どもの変化は小さく、見落としがち?
カウンセリングでお話を伺っていく中で、不登校という行動に至るまでに実は小さな変化(子どもからのSOS)があったことに気付かれる親御さんが多くいらっしゃいます。それらの変化は本当に小さく
- 以前は好き嫌いがなかったのに、ある時期から食べ物をえり好みするようになった
- ゲーム中の言葉遣いが悪くなった
- お風呂を促すと、悪態をついていた
- お菓子を盗み食いして、夜ご飯の時間によく怒られるようになっていた
- 友達と遊ばず、家で一人で過ごす時間が増えた
などです。
これらの変化は、子どもを持つ親御さんならば「成長過程であること」「反抗期かな」と思われるようなことかと思います。
しかし、実はこうした小さな変化が、実は子どもからのSOSであり『自分の気持ちに気付いて』『聞いてほしいことがあるけど、素直に言えない』という気持ちであることも、、、。
子どもの小さな変化が気になったら、まずすることとは?
ではこうした変化が見られたとき、まずどのような行動が必要でしょうか?それは『子どもとの時間を設けること』です。
その後Aさんとお話をしていく中で「ほんとはお母さんに話を聴いてほしかったけど、忙しそうだから声をかけるのが悪いと思った」と当時の気持ちを教えてくれました。
子どもは親御さんの様子を良くみています。今日は忙しそうだ、今声を掛けたら悪いだろう、など「声をかけるタイミングを見失ってしまう」こともしばしば。だからこそ、こちらから「今日はどうだった?」「お母さん、お父さんはこんな一日だったけど○○はどう?」など、一日を共有するような時間を設けることが大切になります。
この時間の中で、しっかりと自分の気持ちを受け止めてくれると子どもが感じられると、親御さんとの会話の中でガス抜きをして、「不登校」という行動を選ばず適度に肩の力を抜きながら生活ができる場合も多くあります。
しかし、小さな変化というのは見落としがちなものですね。
なにか「ん?以前と違うかも」と思うことがありましたら、いつでも私たちにお声がけくださいね。
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