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「明日は学校に行くよ」と言ってたのに当日になったら行かない理由とは?⑥~潜在的な部分に注目すること~

こんにちは。

不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。

2度めの緊急事態宣言が出されましたね。

帰宅時に人の数が減ったなと電車の混雑具合から感じました。

飲食店の営業時間が短縮されたことも影響していると思いますが、私も含め他の方々も危機感を持って最低限の行動を意識されている様に思いました。

前回の緊急事態宣言の際は、初めてという事もあり緊張感も高く過ごしておりましたが、やるべき事や注意するべき事が明確になってきたことで、日々の対策も絞り込まれてきた様に思います。

ウィルス対策をしつつ過ごす日常に、徐々に適応し始めていますね。こういった環境の変化への適応の速さも、私達人間の強みかも知れないですね。

さて前回は、「皆さんが目標を達成できた時」のことをイメージして頂きました。

今回は、子どもが主体的に行動を起こした際に、その行動をサポートする為に周囲の大人が注意して欲しい事についてお伝えしたいと思います。

行動を起こし始めた直後の子どもは、例えるならば「芽を出したばかりの花」だと想像してみてください。

まだ根もしっかり張れてもいないですし、茎もしっかししてないので放っておいたらすぐに枯れてしまいます。(ちなみに私は、根っこを興味関心や好奇心、モチベーションなど意欲などの内面的部分、そして少しずつ太く伸びていくは価値観、その茎から外へ広がっていくが行動とイメージしました。)こまめに水分が足りているか、養分が足りているかを気にしながら、時には雨風を凌ぐ囲いを作ってあげながら、枯れてしまわないようにしばらくは見守っていく必要があります。

具体的には、興味を持って話を聞く事であったり、チャレンジ出来た事を褒めるであったり、子ども一人では難しい部分は手伝ってあげること、などが挙げられるかと思います。

ここで「親御さんが望む方」へ導こうとするあまり、口を出しすぎてしまったり、助けてあげすぎてしまうと、「自分が困った時には、周りが何とかしてくれる」という意識を植え付けてしまい、「自分の力で環境に適応しよう」という意識を削いでしまうことにもなりかねないので、「適度な量」を確認することが大切ですね。そして、芽が出たからと言って、花を咲かすまでは気を抜けません。

 例えば、「学校を休む」事が日常になっている子どもが、何かのきっかけで学校に足が向かった段階で安心してしまうと、学校に向かうという行動が習慣化される前に、「休む」方へ戻ってしまいます。

この様子に一喜一憂される親御さんがとても多いのです。

キレイな花が咲くまでに、葉が増えるとか茎が太くなり伸びるなどの目に見える変化だけが現れるわけございません。(朝自分で起きてくる、勉強に取り組む、行動が習慣になってくるとか、ですかね。)

目に見える変化が現れないと、どうしても

  • これ以上伸びないのかな・・・
  • 花は咲かないのかな・・・
  • 枯れてしまったかな・・・

 と不安なお気持ちをお感じになるでしょう。

  • 水はちゃんと足りているかな
  • 栄養はちゃんと足りているかな
  • 土が良くないのかな

などなど、原因を追求する事も大切かも知れませんが、そんな時はぜひ「根っこ」の方にも注目してみてください。

根っこは普段土の中に隠れているので、目にする事は少ないですよね。確認してみると、前よりも太くなっていたり、広がっていたり、長くなっていたりします。(伸びすぎてこんがらがっちゃっていることもありますよね・・・)

以前、お花屋さんに聞いた話

お花は根っこが伸びすぎてしまうと、自分の根っこが邪魔で栄養を吸収出来なくなり、それ以上成長できなくなってしまうそうです。そんな時は、根っこを一度短く切ってあげると良いそうです。すると、また根を伸ばして栄養を吸収し成長しようとするので、長い間素敵な花を咲かせてくれるとのことでした。親御さんから見ていて、子どもの価値観や行動(茎や葉)の変化・成長が感じられない時、一度根っこの部分を確認してみて頂きたいのです。

もしかしたら、これまで周りの人から言われてきたことや、これまでの自分が思い込んでいることにがんじがらめになってしまい、新しい事を吸収出来なくなっているのかも知れません。

  • 子どもの興味関心やモチベーションは、これまでどこに向いていたのか
  • どうして、そこに向いていたのか
  • 今はどこに向いているのか

などを一緒に考えたり整理することで一度根っこを短くすると、新たな事に興味関心が向きやすくなるかと思います。

その際、親御さんが望んでいる事とは違うことに興味が向いてしまうというお話を耳にすることが多いですが、それは決して悪い事ではないと私は思っております。

子どもが学校へ行く事、それは植物で言うと「花が咲く」事に例えられるかと思いますが、花を咲かせる事が根源的な目的ではないですよね。花を咲かせる事で、虫や風に花粉や種子を運んでもらい、別の環境にも適応し、種を存続させていく事が根源的な目的となります。

それは言い換えれば、これから子どもが生活される環境が変わったとしても、その環境に適応し社会生活を継続させていくことが最終的な目的になると思います。ですので、目に見える部分の変化だけに捉われるのではなく、内面的な変化にも注目したいですね。

そのために有効だと思うのが、

  • カウンセラーなどの子どもの心理面に注目するスキルを持っている人
  • 学校での子どもの様子を把握してくださる先生方

とタッグを組むことです。

そうする事で、ご家庭での子どもの様子だけではなく、外での子どもの行動やその心理面がどういったものなのかが客観的に理解できます。

そういった方々と情報を共有していく事で

  • ちゃんと変化に適応している点
  • 成長している点
  • 花を咲かそうとしている点 (目標に向かって進んでいる)

ことを探していきましょう。

そしてその変化へも、水分(関心)や養分(ねぎらい)をたっぷりとあげていく事で、自ら適応しようと成長や変化を続けていきます。

次回は、親御さんが子どもの気持ちを分かった事で、感じ方が全く変わったという例をお伝えしたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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