お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート

親の関わり次第で不登校は改善するのか?しないのか?

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。

2020年は世界的にも大変大きな年でしたね。新型コロナウイルスは、私たちの生活様式を大きく変えました。よく「この一年を漢字一文字で表すと?」と子どもたちともお話することがありますが、今年は「菌」とか「病」とかを言う子が多かった印象です。(ちなみに私は筋トレに励むことがあったため「筋」でした。別の「きん」でしたね笑)

そんなご時勢がまだしばらくは続いていきそうですが、今回は少し普遍的なテーマについて取りあげていきたいと思っています。

ずばり「親の関わり次第で不登校は改善するのか?」です。家で子どもへの対応に苦慮されている方は大変多く、お母様、お父様たちは日々試行錯誤し、子どもへのアプローチを検討されていることと思います。

書籍やインターネットなどを見ても

「親が変われば子が変わる」
「親自身の変化が子どもに伝わる」

などなど、「不登校と親」といったテーマの情報は溢れていますよね。

それについて私なりに思うことを今回のブログで書かせていただきますね。

結論

「親の関わり次第で不登校は改善するのか?」

この問いについて先に結論を申し上げますと

「YESでもありNOでもある」

という所です。
曖昧で申し訳ありません。。。

何故そう言えるのか、その理由をお伝えしていきますね。

親子関係の方程式

以前のブログでも書かせていただいているのですが、
私は親子関係、ひいては人間関係に一つの方程式があると考えています。

少し遠回りになりますが、まず以下の式を見てください。

1 + 1 = ?

さて、この?に入る数字、トンチやなぞなぞではなく単純に数学的な考えをすれば「2」となりますよね。

では、

1 + ? = 10

こちらはどうでしょうか?(フィンランド式の問題の出され方ですね)

?に入る数、当然9が入ると思います。親子関係の方程式はこちらの式で考えて頂くと分かりやすくなります。

この方程式で前提になってくるのは

・「1」は「子ども」を指し、この「1」は常に変わることはない

・「?」は「親」を指し、この「?」にはどんな数字も入れることが出来る

・最後に出てくる「10」は「関係性」を指し、「?」の数次第で変わる

これらです。

少し説明を加えると、
親御さんが変わったとしても、子ども自体は変わらない=「1」のままということになります。

ですが、「?」に入る親御さんの数字を(2でも3でも、100でもいいのですが)変えることによって
親子間の「関係性」を変えることは出来るということになります。

もし親御さんがわが子を見る上でその見方や意識を変えたり、
接し方や習慣を変えたりすることによって(子ども自体は変わらないけれども)
関係性を変えることは出来るという方程式です。

そしてこの関係性が変わると、子どもたちの行動や態度にも変化が出てきます。

冒頭で少し触れた「親が変われば子も変わる」というのは
正確には「親が変われば親子関係が変わる」なのかなと思っております。

そういった意味でも「親の関わり次第で不登校は改善するのか?」についての答えは
「YESでもありNOでもある」ということになるのです。

事例紹介

とある高校生A君のお話になりますが、その子は中学時代から殆ど学校には行っていませんでした。
カウンセリングがスタートした時、親御さんは「子どもが何を考えているのかが分からない」
という点についてとても悩んでおられました。

カウンセリングの中で見えてきたA君の特徴として

  • とても人目を気にする傾向がある
  • その性格が作られた背景には以前友達関係の中で傷ついた経験がある
  • 本人としてはYoutubeの自己啓発チャンネルなども見て、自分を変えようと努力している

等が挙げられました。

A君に合意を得たうえで、親御さんとこのようなポイントを共有したのですが、
最後の「自分を変えようと努力している」という点が分かってとても安心されたとのことでした。

そしてそのような親御さんの安心は、A君に接する際の態度の変化としてA君に伝わっていきます。

これまでのA君に対しての親御さんの見方は
「何を考えているのかわからない」あるいは「何も考えていないのだろう」というやや否定的な見方でした。
そして「もっとしっかり自分の考えを言いなさい」というアプローチをかけていることが多かったとのことです。

しかし、本人が実は自分を変えようとしているということが分かり安心感を得てからは
「もう少し本人の話をじっくり聴く姿勢で臨もう」と意識が変わられた様子でした。

すると、本人がリビングにいる時間が増えてきて、少しずつ話をするようになってきたという事が起こりました。

ここで注目したいのは、A君の性格や人格が変わったわけではないという事です。

確かにリビングに出てくるという変化はあったかもしれませんが、それは親子間での関係性が変わったことにより
起こった現象でしかありません。

ただ、このような「関係の変化」が起こると、A君の考えを聴くことが出来るようになりますし
進みたい道を共に考える協力体制の構築が可能になります。このような体制があればこそ、
A君が勇気を持ち、不登校改善に向けて動き出せるようになっていくのです。

重ね重ねお伝えしてしまいますが

子ども自身は変わらない。しかし「関係性」を変えることは出来るという事です。

最後に

少し抽象的な話にはなってしまいましたが、「関係性」について注目していくことには
上記のような視点からもとても大事になるかと思います。

また家族というシステムは一度固着的な状態になるとそこからなかなか
抜け出しにくくなってしまう性質を持っています。

そのような際、私たちカウンセラーもその関係性の中に少し関わらせていただき
結果として不登校の改善につながるような支援が出来ればと思っております。

何かありましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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