不登校の子どもと進路について③~高校生の転入学について~
皆さん、こんにちは。不登校支援センター 横浜支部の庄子です。
12月も終わりに近づいており、今年は通常のお正月をお過ごしになれない情勢となっておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
また、寒さも一層と増して来ておりますので、火の元と体調管理にはくれぐれもお気を付けて下さい。
さて、本日は「不登校の子どもと進路について③」をお送りしたいと思います。
今回のテーマは不登校のご相談の中でもかなりの割合を占める「高校生の転入学について」お話したいと思います。
高校生の不登校の要因とは?
高校生の不登校は学年問わず、どのタイミングでも起こり得て居ます。その上で、私の体感で一番多くご相談頂くのは高校1年生だと感じております。その際に子どもや親御さんが多く口にする要因は
- 中学から上がった時の環境の変化に着いて行けない
- 勉強の難易度に着いていけない
- 部活のレベルが高くなり着いていけない
- 友人関係が上手くいかない
- 遠方になった為、通学時間が長く苦しくなった
などが代表的です。
高校生の子どもをお持ちの方で不登校を経験している方、された方はご経験があるのでは無いでしょうか?
実際、小学校・中学校と進んで行く中で、地元の友達の関係が9年間続いている方もいらっしゃると思います。そこから急に環境が変わる為、上手く行かないことが増えますし、頼れる人が居ないと孤立してしまうケースにも繋がりやすいと思います。
その上で、親御さんとしては「自分から積極的になれれば良い」や「ひとりでも楽しむことを見付ければ良い」など、今の環境を如何に慣れるかに対してアドバイスを送ると思います。しかし、子どもにとってはそれが出来ない為、不登校になることがしばしばあります。親御さんとしては高校生にもなった為、本人が変わることを望んでいると思います。
実際、本人が現状の困難を乗り越えることが大切ですが、その機会を与えているだけですと、時間だけがただただ過ぎてしまい、結果的に進級・卒業問題に発展してしまいます。つまり、高校生の不登校は時間との勝負にもなります。
親御さんの待つ正しい姿勢とは?
では、子どもの不登校の状態をどの様な姿勢で親御さんとしては待てば良いのでしょうか?
良く聞かれる代表的な言葉に「今は心のエネルギーが切れている状態なので待ちましょう」があります。
しかし、親御さんにとっても子どもにとっても進級・卒業が掛かっていますし、親御さんにとっては「いつまで待てば良いのか?」が明確ではない為、増々イライラと不安が襲ってくるのでは無いでしょうか?
その為、子どもの様子が一向に変わらないとそのイライラを子どもにぶつけてしまい、挙句の果てには子どもが部屋から出て来ないことも良く聞く話です。だからと言って、親御さんだけが我慢すれば良い訳でもありません。
また、子どもとしても気持ちでは「行きたい」「行こう」と思っていることは確かですが、頭と心と体が一致していない状態の為、中々前に進むことが出来ないと思います。
その上で、子どもとしては「明日は行こうと思っている」と口にする方も多いと思います。しかし、大半は翌日行くことが出来ないことも良くある話です。ここでご理解して頂きたいことは「子どもの中でも自分を鼓舞する為の言葉」であり、「頑張ろうとしている言葉」だと認識して頂きたいと思います。
つまり、親御さんも子どもも葛藤状態の中で前へ進むために頑張っている為、お互いがストレスになり過ぎない待ち方を探す必要があります。
ストレスになり過ぎない為の待ち方とは?
では、ストレスになり過ぎない待ち方とは一体どんな待ち方でしょうか?
時間が迫る中、子どもが変わらない中で何もしないことが一番良くないことです。実際に動きながら模索することがとても大切になります。
それでも待ちたい方は最長でも10日間と決めて頂きたいと思います。
高校生の場合、待てば待つほど、留年になるリスクは上昇して行きますし、気持ちがネガティブになっている時ほど、具体的な解決を自分で見つけることは出来ません。しっかりとしたケアを心掛けて行く必要があります。
その上で、動きながら模索することの手段とは
- 学校の留年条件を学校に聴く。
- 単位を落としそうな科目の順番を学校に確認する。
- 本人の意思をしっかりと聴く。(今後のことに関して)
です。
先ずはこの3つをしっかりと抑えて頂きたいと思います。
具体的に動く中での決着点
具体的に動いて行く中で、様々な出来事が起こると思いますし、上手く子どもが動かないこともあると思います。その結果、留年に近づいてしまい、難しい状況になる可能性もあると思います。
その上で、親御さんにお願いしたい事が「今の高校を続けられないに当たって後悔させないこと」です。
実際に転学になる場合、子どもの中で未練が残る形で転入学の手続きを進めてしまうと高い確率で転入後の高校に通えなくなります。それでは転校した意味もありませんよね?
子どもの話を聴く中で、大抵の子どもは「今の高校に戻りたい」と言います。しかし、親御さんが焦り過ぎてしまい、先回りをし過ぎて子どもを納得させる形で進めてしまうと最悪の場合
「あの時、辞めたくなかったのに。自分がこうなったのは親のせい」
と言われてしまうこともあります。
実際は親御さんのせいでは無いと思いますが、上手く行かなくなることで子どもは親に負の意識を向けるしかなくなる状態になります。この様になってしまうとご家庭の中での溝が出来てしまいます。
つまり、子どもが学校に対してどの様にしたいのか話を聴いた上で、後悔が残らない様にお話を進めて行くことがとても大切になります。
子どもが10日間行かない状態が続いたら是非ご相談を!
高校生の不登校は本当に時間がありません。時間が無い中で具体的に動くことはある程度の正しい知識が無いと本当に難しいです。
また、子どもも頑張ろうとしていますが、不登校の状態の自分に戸惑っていることが多いため、自分自身が分からなくなってしまい、頑なな態度を出してしまいがちです。その時、気持ちをしっかりと整理した上で進んで行く必要があります。
上記の事を踏まえた上で、1学年の間に理由があまり分からない状態で10日間以上欠席がある場合は要注意です。そして、親御さんの目から見て子どもの状態があまり芳しく無いなと思い、今後が心配だと思った場合は是非一度不登校支援センターへご相談頂けると幸いです。
ご家族の状況を踏まえた上で、気持ちを整理させて頂き、ご支援させて頂ければと思います。
心よりお待ちしております。
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