中学生の不登校小学生の不登校

宮城県の不登校ワースト継続。学校での対策は?今後の課題は?

こんにちは。仙台支部の上原です。

本日は文科省が発表した不登校のデータに関しての話題です。※今月に発表された2019年度のデータを元にしたお話です。

宮城県は4年連続東北ワースト1位

東北では、宮城県の1000人当たりの不登校児童生徒数が4年連続で全国最多となってしまいました。全国平均でも仙台は平均値の3倍以上の数字を出してしまったようです。毎年のことではありますが、非常に残念な結果です。宮城県教委は「東日本大震災の影響が全くないとは言えない。組織的に支援し、学びの場を学校内外で提供したい」とコメントしたそうです。確かに震災の影響はあったかもしれませんが、それだけこうなっているとは言うのは苦しいかもしれません。

対策はどうなっていたのか?

もちろん個々の事情などもあると思いますが、学校での対応はどうだったのか。こちらも同年に発表した長期欠席状況調査の結果を見ると、考えさせられてしまいます。この調査で【不登校の児童生徒を個別に支援する計画を立てていない小中学校は3割を超えた】とのことでした。

30日以上長期欠席した児童生徒のうち、不登校の小学生は前年度比23.4%増の676人、中学生は0.7%減の1562人。

不登校のきっかけ(複数回答)は、
小学生が
「不安など情緒的混乱」(33.4%)
「無気力」(32.3%)
「親子関係を巡る問題」(25.0%)

中学生は
「無気力」(33.7%)
「いじめを除く友人関係」(32.5%)
「学業の不振」(27.5%)

これらが上位に来る回答だったようです。
小学生と中学生で大きく違いが出た部分ですね。

不登校の児童生徒の支援計画を策定した学校は、
小学校は60.4%
中学校は66.8%

その中でスクールカウンセラーら専門家と連携したのは
小学校39.5%
中学校44.7%
だったとのこと。

県教委は教育委員会定例会で「児童生徒に応じた対応や教育機会確保法の理念がまだ浸透していない」と説明。「学校内外の居場所や学びの場について意識的に確認していきたい」とコメントしていました。教育委員会でもまだ学校内外でのサポートが足りていないとの認識を示したようです。

データから見ても、専門家との連携が少なかったようです。ここが宮城県の大きな課題なのかもしれません。実際センターに相談に来られた方の中には『学校に相談してもこういう機関があることを教えてくれなかった』とおっしゃられる方もおりました。SCに相談しても解決できなかった場合、手詰まりになってしまっている現状もありそうです。

最後に

外部機関との連携があまり進んでいない、という点は前々から言われていることではありました。県でもそれは認識していることかと思います。ただ中々現場への『実際にこうしてください』という具体的な案がまだ周知されていないのかもしれません。また指示がされていたとしても、上のデータからみるように現場では対応しきれてない可能性があります。それがどんな阻害要因で実行できていないのか、そもそもきちんと伝わっているのか、など課題は多くありそうです。

現場の先生方も大変苦労されていると思います。中には残念な対応をされて、その不満や怒りを漏らす親御さんなどもおられます。しかしそれはごく一部の話だと信じたいですね。ほとんどの真面目に頑張っている先生方も『正直どうしたらいいのか分からない』というのがあると思います。

支援機関としてそういった部分への情報提供も進めていけたらいいなと考えております。皆様の関わりのある学校や先生方はどんな課題を持っているでしょうか?毎年出てくるこういった調査結果から考えてみてもいいかもしれません。

それではまた。

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