不登校支援で大切なのは「本人への支援よりお母さんへの支援」と伝える理由とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は「お母さん支援」にスポットを当てた内容をお伝えしたいと思います。
不登校支援で大切なのは、「本人」よりも「お母さん」の支援
私は不登校を支援する仕事をしていて一番大切なことは「お母さん支援」だと思っています。
当然、不登校という行動を取っている「子ども本人を中心に据えた支援」は大切なのですが、それをするには、お母さんという存在への総合的な支援が必要不可欠であるという意識です。
不登校支援は・・・
- 学校に行けなくて困っている子どもの支援でもあり、
- それを支える家族全体の支援であり、
- 学校の先生やその子を支援する全ての方の支援者である。
という意識を持っています。
その中でもやはり「お母さん支援」が、時に子どもの支援よりも重要だと捉えて、カウンセリングの時間も、子どもとお母さんの割合がお母さんの方が圧倒的に長くなることもあります。
お母さんはそもそも忙しい!仕事が多い!
専業主婦でも共働きでも、ご家庭内における「お母さんがしている事」は誰よりも多いはずです。最近よく“名もなき家事”という言葉を耳にする機会が多いですが、ご存じでしょうか。
下記にほんの一例を挙げますが( )内に書いてあることが思いつく限りの“名もなき”と呼ばれる部分かと思います。
1.ゴミを捨てる
(各部屋からゴミを集め・分別し、ごみ袋にまとめ収集場に出す)
2.洗濯をする
(洗濯前に襟や袖汚れ落としを塗ったり、干すときにしわになりにくいよう、何度も叩いたり引っ張ったり、部屋の湿度を高くしてある程度伸ばしアイロンがけの手間を減らす)
3.食事を作る
(栄養バランス、家族の好み、一週間のバランス、いろどり、ごはんのおかずなのか、お酒のつまみなのか、予算に合わせた買い物、安いものを選定して買い物、特売品を購入しその中で好みにあった献立を考える、古くなってきている野菜をうまく減らす、半端な野菜をうまく派生させる、お肉が余ったら何に派生させるか考えてその分をラップで冷凍する)
当然、不登校支援センターにいらっしゃる方々は、子どもの不登校についてお困りでご相談に来られます。
ですが不登校は、そう簡単には改善しないケースもあり、何を目指して支援方針を立てるのかによりますが、落ち着くまでには3か月~1年はかかるケースも少なくありません。
カウンセリングで大切にしていること
毎回のカウンセリングの親御さんとの時間で、子ども以外のことでお母さんがされている全てのお仕事や、お仕事以外のこと、職場内コミュニケーションのこと、ご主人とのこと、両方のご実家とのこと、ママ友や友人とのこと、等に目を向け、私共カウンセラーからその部分に少し触れさせて頂き、お辛い気持ちやご苦労を感じた場合や、それほどの程度でなくとも疲れている、愚痴が言いたい、プチストレスを感じておられるならば、カウンセリングでお話し頂くように心がけています。
上記に述べたような “名もなき家事” に目を向けると、いかに日々お母さん方が大変なご苦労をされているのか、そしてそのことを誰からも評価されていないような事実もあったりします。
その上、子どもの不登校はお母さんの責任で対応しなければならない状況だったりすると、とてもとても、冷静に、感情的にならず、少しずつ改善に向けて進めることなど出来るはずがありません。
我々カウンセラーは、そんなお母さん方に労いのお言葉をかけ、ご苦労を共感的に理解し、そのストレス緩和の為にカウンセラーとして少しでも役に立ちたい、その一旦を少しでも担いたいという気持ちで日々皆さまのお話を聞かせて頂いております。
そうすることで、子どもの不登校が実は表面的な問題であったことに気付いたり、より深い部分の問題に目を向け、それに対するお気持ちをお話しして頂くことが出来るようになると思います。
最後に
不登校は形だけ学校に行けるようになっても、再発率の高い行動癖です。
自我が芽生え、自ら考え行動出来るようになってきている子どもの気持ちを尊重し、ただ行動を整えるような対応を考えるのではなく、親御さんからの自立支援を念頭に、今の年齢の子どもに対するお母さん側の姿勢や方針を決めて、落ちついて対応出来るようになることが大切だと思います。
「子どもを中心に据えた支援」という軸がぶれることの無いよう、様々な視点からの「お母さん支援」を意識して一緒に考えさせて頂きたいと思っておりますので、是非お話をお聞かせ下さい。
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