子どもと学校の話をすることの難しさ~心理的リアクタンスという心の動き~
こんにちは。
不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
本日も面談の中でたびたび話題になることについてお話したいと思います。
皆さんも一度は考えたことがあるテーマかもしれませんがいかがでしょうか。
学校の話をすることの難しさ
「うちの子、そろそろ登校刺激を入れた方がいいのかなと思って学校の話をしてみたんですけど、黙っちゃって全然話にならなくて・・・。」
このようなお話を親御さんからお聴きすることがたびたびあります。
このように、子どもの動機づけのために、登校刺激を入れてみようと思ったものの、思わぬ反発が返ってきて「こんなはずではないのに」と思った方も多いのではないかと思います。
子どもに、学校の話をすることって中々難しいですよね。
これには様々な理由が考えられますが、「登校刺激」という言葉の持つイメージも関係しているのではないかと考えています。
この言葉の持つイメージからすると、やむを得ないことかもしれませんが
「登校刺激」という言葉は、「自分が、相手を動かすために、刺激を加える」
というイメージを与えやすいのかもしれません。
そして、このイメージのように「子どもを学校に行かせる」ために、
「学校の勉強に追い付けなくなるぞ」
「学校のことはどう考えているの?」
「〇〇になりたいのなら行っておかないとまずいよ」
という言葉が出てくる状況になると、親御さんと子どもとで、なかなか建設的な話し合いにはならないように感じています。
それはなぜなのでしょうか?
心理的リアクタンスという働き
そこには心理的リアクタンスという心の動きが関係しているようです。
これは、自分自身が周りから何かを強制されたときに、
周りから強制されまいと反発しようとする心の動きとなります。
「あなたって頑固だよね。」と決めつけられたり、
「早くしてちょうだい。」と急かされたりすると、
それがたとえその通りであったとしても、イラっとしたり、ストレスを感じたりするかもしれません。
そして、私たちと同様、
子どもも相手のそうした意図を敏感に察知することができます。
ですので、もし子どもが「親は自分を学校に行かせようとしている」と強制力を感じてしまうと、
いくら親御さんが正しいことを話したとしても、反発したくなる気持ちが自然と湧いてくるのですね。
人は、納得するのは気分がいいですが、説得されるのは気分がいいものではありません。
子どもに学校の話をしたときに、反発が返ってきてしまうときというのは
学校に対するストレスが強い状況に加え、こうした背景もかかわっているのかもしれません。
登校刺激は、あくまでサポートするもの
登校刺激というのは、
それをもって子どもの気持ちを変えるためのものではなく、
あくまで子どもの気持ちを後押しする、支持するためのものになります。
学校であれば、子どもが「行ってみようかな」、「勉強してみようかな」という気持ちを持っていることが土台となります。
子どもは今どんな心の状態なのだろう?
子どもの後押し、支えとなるようなかかわりを、一緒に考えていけたらと思います。
また面談でお聞かせくださいね。