【2020年11月版】今増えている小学生の不登校の傾向と不登校への3つの対策方法とは?
はじめまして。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
寒さも増してまいりましたが皆様ご体調など崩されてはいないでしょうか?
冬場は「冬季うつ」というものもあるくらいで気分も下がりやすい傾向にあり、特に注意が必要な時期になりますのでお互い気を付けて過ごしていきましょう。
さて、本日は最近特にご相談が多くなってきている「小学生の不登校」について 、現場から感じられる傾向や、お家で出来る対策などをお伝え出来ればと思っております。
親御さんにご協力いただきたい内容についても掲載いたしますので何かのご参考になさっていただければ幸いです。
ご相談が増えている小学生の不登校
ここ最近、新規のご相談をお受けする際に思うのが特に小学生の子どもを持つご家庭からのご相談が多いということです。
例えば、小学生の不登校Youtuberに代表されるように不登校についての社会的認知が広まったことや、ひといちばい敏感な子(HSC)と呼ばれる子たちの増加、家族形態の変化など、複数の要因も相まって不登校の低年齢化が進んでいるのかもしれません。
そしてお会いする親御さんから状況をお聴きすると
・親と離れることをひどく嫌がる
・給食や体育など、特定の時間について苦しさを感じる
・何かと疲れやすい
などの傾向を耳にすることが多く思えます。
もちろん不登校自体は悪いことではないのですが、親御さんからすると非常に複雑な思いに駆られることもあるかと思います。
「もっと様々なストレスに耐えられるようになってもらわないと」という気持ちと「とはいえ、学校が全てではないし、無理矢理行かせるのもどんなものか」などが、混在し迷われる方が多くいらっしゃいます。
本日はそんな親御さんに、これから子どもと関わるうえで、大切にしていただきたい3つのポイントをお伝えいたします。
①子どもと向き合っていただく時間の確保
小学生の不登校の場合、特にキーポイントになってくるのが親御さんと子どもとの関係を調整していくことにあります。
まだ自我(価値観や自分の意志)が未成熟な小学生ですと、本人に任せているだけでは、なかなか不登校は改善されないという実態がありそこには親御さんの協力が必要不可欠になってきます。
例えば「母子分離不安」という言葉がありますが、これはお母さんと離れることに対して子どもが強く抵抗を示す、不安をいだくというものになります。
小学生ですと多くの子どもがこの母子分離不安を抱いているのですが不登校傾向にあるとそれが特に強く表れることがあります。
親御さんもお仕事等があり、大変お忙しい中で子どもと接されていると思いますので限られた時間の中ではありますが、子どもと1対1で向き合う時間を持っていただきそしてその中で
・スキンシップ(嫌がる子もいますので注意は必要です)
・話を否定せずに聴いてあげる
・その子の良い所に注目してあげる
これらによって子どもが「安心感」をより強く感じられる状態を作っていくことが大切になってきます。
学校というストレスのある場所に出向くにあたって帰ってきた時に「話を聴いてくれる」「自分の意見を尊重してくれる」「認めてくれる」そんなお母さんやお父さんがいるという安心感はとても大きな勇気につながっていくのです。
②親御さん自身の気持ちと向き合う
子どもの不登校が始まって、親御さんはどのような気持ちになったでしょうか。
悲しみ、焦り、不安、怒り、絶望、自責、戸惑い、、、etc.これらの気持ちはどのようにして作られた気持ちでしょうか?
子どものために何とかしてあげたいのに、どうしようもないことへの悲しみでしょうか?
我が子の将来が閉ざされてしまうような、先行きの見えない絶望でしょうか?
言い方はきついかもしれませんが、子どもが思い通りに動いてくれないことへの怒りのようなものでしょうか?
こういった、ご自身の気持ちに向き合って頂くことが、解決に向けての準備になってきます。
というのも、子どもたちは親御さんの気持ちにとても敏感です。
親が子どもの気持ちを分かる以上に子どもは親の気持ちが分かると言われます。
考えれば当然で、子どもたちはまだ言葉や表現が未熟な分、親御さんの表情や態度といったところから気持ちを読み取ろうとします。言葉以上に気持ちが表れやすいのがこの表情や態度といった情報です。
ですので、ご自身の気持ちを偽ってしまっても、それは子どもにどうしても伝わってしまうものですし、まずは嘘偽りのないご自身の気持ちと向き合うことが大切になってくるでしょう。
そしてその上で、ご自身としてどのような未来を望むのかを考えていくことが重要です。
ある親御さんからお聴きしたお話なのですが、子どもが学校に行くようになったら、今度はそれはそれで学校で何かあったらどうしよう、トラブルやアクシデントがあった時にあの子が耐えられるのか不安で不安でと、不登校の時よりも不安な気持ちが強くなった方もいらっしゃいました。
学校に行く、行かないという部分だけに目を向けてしまうと、その先にさらなる苦難の道が待ち受けている場合もあります。
復学していくことはもちろん大切なことですが、その先にある長期的な目標についても、親御さんには是非考えておいていただきたいところです。
③一人で抱え込まないように、支援してくれる人とのパイプを作っておく
これはなかなか難しいところなのですが、出来ればお一人で抱え込まず、信頼できる誰かとの繋がりを是非持っておいていただきたいと思います。
もちろんその存在がご家族の中にいることも大切ですし、逆に家族だからこそお話しにくい状況でしたら友人・知人・先生などとのつながりを作っておいていただきたいと思います。
親御さんの心にゆとりを持つために、誰かに気持ちを打ち明けられる事はとても大切な事になります。
どうしても苦しくて一人になりたい時もあるかもしれませんが、誰かとお話をする、空間を共有するだけで、少しでも救われることがあるかもしれません。
人は一人では生きていけない生き物です。
孤独は一番の敵になってきますので、誰かとのつながりを是非大切にしていただきたいと思います。
終わりに
以上、小学生への不登校対応として、心構えを含めて3つのポイントを挙げさせていただきましたがもちろん全てのポイントを抑えなければいけないわけではありません。
もし何かに迷われる事がありましたら、その際はぜひ私たちカウンセラーにもお話を聴かせて頂き心や気持ちを整理しながら今後の事を考えて参りましょう。
本日は以上となります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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