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HSP(とても敏感な人)が完璧主義を目指す理由とは?

こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。

最近はすっかり涼しくなってきて、マスクの中で感じる暑苦しさもなくなり、秋のさわやかな空気がとても心地いいですね。ただ冷え込んできますので気温の変化で体調を崩さないよう皆様お気を付け下さいね。

さて、以前ブログで「HSP(とても敏感な人)はなぜ社会や学校の中で生きづらさを感じるのか」について取り上げましたが、今回はHSPが抱えやすい問題を1つご紹介したいと思います。

HSP(とても敏感な人)が抱えやすい問題

それは自分自身に対して高いハードルを課してしまうことです。

例えば

  • どんな時でも100%の結果を出さなければならない
  • 失敗をしてはいけない
  • 人には必ず親切にしなくてはならない
  • 自分中心で物を考えてはいけない
  • 話す時は相手を退屈させず、楽しませなくてはいけない

などが挙げられます。

上記のハードルは例ではありますが、こちらにカウンセリングに来られた子どもが、自らに課していたものも含まれています。もしかすると、このブログを読んでいて「自分の子どもに当てはまるかも」と思った親御さんもいるかもしれません。

では、HSPがこのような高いハードルを自分に設けてしまう傾向にある背景には何があるのでしょうか?

HSP(とても敏感な人)が自らに高いハードルを課す背景

HSPの人が高いハードルを課す背景には自尊心の低さがあると言われています。

以前ブログでもお話しましたが、今の社会は外交的で他者と関わることに対して積極的な人たちが評価されやすい環境です。しかし、HSPが持っている気質はその評価軸と離れているため自尊心が低下しやすい傾向が見られます。(例えば、「様々なことに敏感でおとなしい子」よりも「細かいことは気にせず活発な子」の方が評価されやすい等)

そのため、HSPが自らに高いハードルを課すのは低い自尊心を補って自分の価値をどうにかして取り戻そうとしている状態でもあるのです。

しかし、この高く設定したハードルはさらに自尊心の低下を招く危険性も生じます。自ら課したハードルをクリアできている時は低下した自尊心を補えているように感じるかもしれません。しかし、ハードルを越えられなかったときは「出来ない自分」を意識して今よりもさらに自尊心が低下する悪循環に陥ることもあります。

悪循環から抜け出すためには

高いハードルを下げることがポイントになります。とはいえ、ハードルを下げるのは簡単なことではありません。まずは、高いハードルを設けていることに自分で気が付くことも必要ですし、ハードルを下げることはとても勇気のいることです。

周囲の人からすれば「下げた方が楽なのに、どうしてそんなに完璧を目指すんだろう」と疑問に思うかもしれません。しかし、これまで高いハードルを越えていたからこそ人に認められていたと感じていたのであれば、そのハードルを下げることは周囲に認められなくなる不安が生じるからこそ簡単には下げられないという思いが生じていることもあります。

もし、子どもがハードルを下げられずに悩んでいる場合は、私たちカウンセラーも一緒に考えていきますのでお気軽にご相談くださいね。

ハードルを下げることが出来れば自分らしく、そして今よりも生きやすくなることにもつながります。

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(*1) イルセ・サン『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』枇谷玲子訳