専門家が教える「不登校=ダメな行動」ではない理由とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日はタイトルに書きました、「不登校」という言葉がもたらすイメージについて書きたいと思います。
「学校は行って当たり前」というイメージ
不登校支援センターで約10年、不登校専門のカウンセラーとして活動しておりますが、カウンセリングで皆さまからお気持ちを聞かせて頂く中で、「学校は行って(行けて)当たり前」と捉えている方が多いという印象があります。
その捉え方自体、間違っていると言いたいわけではありませんが、かなり偏った見方をされるご家庭があると感じております。
不登校に対するイメージでよくお話しに出るのが、「小学校で出来ていたことが、何故中学校で出来ないのか?」これは”登校する”という行動のみを指して、そう思われる方が多いです。
上記と同じように・・・「小学校低学年で出来ていたことが、何故高学年で出来なくなるのか分からない」と仰る方もおられました。
子どもが年齢以上のことが出来ると褒められ、年齢以下のことをすると肯定されない。
入学当初から小学校3,4年まで何の問題もなく登校出来ていたのに、5,6年になって、人格形成期と共に今まで気づいていなかった、感じていなかったストレスを感じるようになり、外的及び内的ストレスへの対処行動として「不登校」という行動を取り始める子に対して「今より低い年齢で出来ていたことが、何故出来ないんだ?」という捉え方をする方がおられます。
学校に登校する、という行動以外に、例えば、勉強や、スポーツや、家の手伝いや、友達との交流や、礼儀作法、等々上記の、しなければならないこと全般に対しては、親御さんがそれほど過敏になられることはないと仮定すると、イメージとして学校に行かないという行動は過敏になり、「何故できない(しない)んだ!?」と時に怒りの感情すら沸いてしまう方もおられます。
「会社を休む」と「学校を休む」のイメージの違い
社会に出て、会社に雇われるなどして働く方々は、しばしばメンタル不調やハラスメント、家庭と仕事のバランスや、業務過多、業務プレッシャーなどによるストレスに対し、一定期間「休職届け」などを提出し、3か月~半年などある程度期間を区切って、ストレスから離れるという対処行動を取る場合があります。
このような行動に対して、昨今の社会は一昔前に比べて随分認められやすくなっていると感じており、むしろ必要なことであるから積極的に活用するようにというイメージでもあります。
では社会人が会社を休むことと、子どもが学校を休むことは何が違うのでしょうか?
私の友人とこのテーマで話した際に、色々意見をもらったのですが、
「小・中・高の学校で感じるストレスより、はるかに社会(会社)で感じるストレスの方が大きいに決まってるからじゃないの?」
「学校なんて、ただ惰性で毎日行って、椅子に座ってればいいだけじゃん」
「仕事は結果を求められるから、プレッシャー半端ないもん。学生とは全然違うよ」
「拘束時間が決まってて、自由な時間なんてないし、常に人からの評価にさらされるのが社会だから、学校にいたほうが余程気が楽だったわ~」
というような意見をもらいました。
友人も会社で様々なストレスを感じているようで大変そうでした。
上記の意見を例えに用いると、子どもの不登校でお悩みの親御さんからすると、社会人でも子どもでも、同じようなストレスを感じているのでは?とお思い頂ける部分はないでしょうか。
そこでお考え頂きたいのが、職場でのプレッシャーと、学校生活でのプレッシャーを比べると、それほどの違いがあるのでしょうか?
学校内での対人コミュニケ―ション(同級、先生、異性、先輩後輩、大集団、小集団、気の合う子合わない子、等々)と会社での対人コミュニケーションに、それほどストレス値に違いがあるのでしょうか?
もちろん私が”不登校を支援するカウンセラーという職種”であるからこその視点であることは承知しています。ただ、冷静かつ客観的に捉えて「社会と学校」で感じる様々なストレスが、全く違うとは思えないのです。そして、違わないのであれば、何故社会人は「休むというストレスへの対処行動」が認めらていて、子どもは認められにくいのでしょうか。
(私の会社は認めてくれない!という方々がいらっしゃることは重々承知しております)
最後にお伝えしたいこと
学校で過ごす児童・生徒にもストレスに過敏な体質の子もいれば、過敏でなくともストレスと受け取る出来事が重なっていたり、大きなストレスと捉えることが起こったり、それによって心身のバランスを崩し、メンタルダウンや心因性身体症状の発症につながるケースが多々あります。
そんな時、時として「学校を休むというストレスへの対処行動」は必要でありまず親御さんがその行動を受け入れてあげると、子どもも安心して悩みの本質に向き合ったり、親御さんやカウンセラーに話してみよう、という気持ちになったりします。頭ごなしに不登校をイメージで捉え、学校を休むという行動を否定してしまうとその後の支援に必ず影響が出てきますし、良い影響となることは少ないです。そのことを頭の片隅に置いておいて、「では休ませたあとはどうすればよいのか?」という部分に対して、不登校支援センターには皆さんにお伝えしたい、たくさんの情報があり、
実例があります。
是非ご家庭のお悩みを第三者機関に話して、客観的に捉える機会を作ることの重要性をお考え頂く機会になればと思いますので、まずは初回面談にお越し頂き、詳しくお話をお聴かせください。
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