小学校低学年のTくんとのカウンセリングの話~その2~
こんにちは。不登校支援センター名古屋支部の伊藤みゆきです。
前回のブログは、小学校低学年のTくんとのカウンセリングのお話でしたね。
「学校」や「勉強」という言葉に心を閉ざしていたTくん
「はじめまして」のときはとても緊張していたTくんでしたが、まずは安心してお話できるできる環境づくりをしたことで、カウンセリングの場はTくんにとって 危険ではないらしい と思える場所になったようです。
さて、そんなTくんが、あるときポツリポツリとお話をしてくれました。
Tくんが話してくれたことをまとめてみると、こんな感じです。
- ぼくは学校や勉強が嫌い
- でも、学校には行ったほうがいいってパパもママも言うし、ぼくもそう思う
- 学校には友だちもいるし、ドッチボールをしたり、楽しいこともある
- だから、学校に行きたいような気もする
- だけど行こうとするとやっぱり学校や勉強が嫌いになってしまう
このTくんのお話、みなさんはどのように感じましたか?
行ったほうがいいとか、行きたいような、と思うなら行けばいいのに
なんて思ってしまう人もいるかもしれませんね。
行きたい(行きたくない)という「思考」と、行かない(行く)という「行動」の矛盾
人間には「思考」と「行動」があります。
この二つは矛盾が生じやすいものです。
「行きたいのに行けない」
「行きたくないけれど行く」
どちらも実際にあり得ることですよね。ですが、意識しないとなかなか気づきづらいものでもあります。
実はTくんのご家庭も、この矛盾に気づきづらい状況にありました。
それがわかったのは、お母さんのこんな一言でした。
「朝になると行きたくないと言うので、結局休む(行かない)になるんです」
Tくんもお父さんもお母さんも、ご家族みなさんが気づかぬうちに
行きたくない=行かない
という落とし穴におちてしまっていたような状況です。
そこで、Tくんから行きたくないという言葉が出たときに、お父さんお母さんにはこんな風に言葉をかけてもらうようにしました。
「行きたくないと思うんだね。そっかぁ・・・今日はどうしようか?」
お母さんからの言葉にしばらくじっと俯いていたTくんでしたが、
「○○公園(分団登校の集合場所)まで行く」
とランドセルを手に答えたのです。
そこから、Tくんとのスモールステップでの取り組みが始まりました。
もちろん、最初からうまくいくわけではありませんでしたが、そのお話はまた次回にしたいと思います。
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