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「明日は学校に行くよ」と言ってたの当日になったら行かない理由とは?①~コンフォートゾーンという快適な領域について~

こんにちは。

不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。

梅雨明けと同時に真夏日が続き、マスクが息苦しい日が多かったですね。Yシャツで通勤すると支部に到着する頃には、洗濯したてか!っていうくらいビショビショになってしまうので、着替えを持って通勤しておりました。この時期のマスク生活は、肌に張り付いてしまって呼吸のしにくいこと、しにくいこと・・・心肺機能が相当鍛えられているのではないかと期待している今日この頃です。(笑)

さて、今回から何回かに渡り、例年この休み明けの時期に多くなるご相談とその対応についてご紹介したいと思います。

「明日は学校に行くよ」「来週からは学校には行くよ」と言うけれど・・・

当日になると「やっぱり行きたくない・・・」と言ったり、言葉にはしないが行動に起こさない。といったご相談を多く聞きます。その言葉を信じている親御さんたちからは、嘘をつかれた、裏切られた、もう信じられない、と言ったお気持ちになられるのも当然です。確かに何回も繰り返されたら信じたくても信じられなくなりますよね。

実はこの様な事が起こるのは、子どもの性格が原因でも無ければ、親御さんの育て方が原因でも無く、人間に備わっている本能的な機能かもしれません。まずは、その本能的な機能について、よく知ることから始めましょう。

人は、自分の慣れ親しんだ環境や行動のクセ、思考のクセなどに快適さを感じます。

その快適な環境を「コンフォートゾーン(快適な空間)」と呼ばれたりします。

ストレスが少なく不安もないので安全に過ごせるのですが、その快適な状態を維持する事が目的となるため、変化や成長は少ないと言われています。

そのコンフォートゾーンを一歩踏み出した先には、「ストレッチゾーン(学習領域、ラーニングゾーン)」と呼ばれる領域があります。

新しい環境に適応するために行動パターンや思考パターンが変化する過程で、精神的にも成長し柔軟な行動や思考が可能になり、その状態に慣れてくると新しいコンフォートゾーンが出来上がります。なので、コンフォートゾーンとストレッチゾーンの移動を繰り返せれば、理論上成長し続けられる訳です。でも現実はそう簡単ではないようです。その快適さがゆえに、コンフォートゾーンに居続けてしまう、もしくはストレッチゾーンに一歩踏み出せてもコンフォートゾーンに戻ってしまう、という事がしばしば起こります。

「学校に通うこと」がコンフォートゾーンになっている子どもは、「学校を休むこと」が不快に感じるので再び学校に通おうとするのですが、長期休暇を過ごす事で「学校に通わない」ことがコンフォートゾーンになった子どもは、「学校に通うこと」が不快になってしまう場合がございます。

コンフォートゾーンから出るということ

それは、コンフォートゾーンにいる状態では感じなかったストレス(変化による)や不安にも直面するということなのです。人間に限らず動物は、極力ストレスや不安を感じずに快適な生活を維持しようとするので、ストレスや不安を避けるのは本能的な事なのです。

またストレッチゾーンの外側には、パニックゾーンという領域が存在するのですが、文字通り負荷やストレスが多く、適応できずにパニックになってしまうという意味だそうです。一度変化が大きすぎた、またはストレスが強すぎたパニックゾーンを経験をされた方は、よりコンフォートゾーンに居続ける事に執着を持つように感じます。

その話はまた次の機会に詳しくさせてもらいますね。

どうやってコンフォートゾーンからどうやって抜け出すのか

「方法論」だけで考えるならば、3つの事が考えられます。

  1.  自分がどうなりたいかを具体的に思い描く
  2.  その為に今できることを考え、行動に起こす
  3.  それが実行可能な心身状態を作ること

です。

こういった話をすると、子どもと将来についてお話されて

将来、どうしたいんだ? (大学には行きたい・・・)

その為には、受験勉強が必要だろう (うん・・・)

じゃあ今からでも勉強はしておかないと受験できないだろう。 (それは分かってるけど出来ないんだよ・・・)

塾と家庭教師だったら、どっちが良いんだ? (今はまだやりたくない・・・)

 

みたいな流れになる事が多いのですが、これは根本的な解決になっていないのでちょっとお待ち頂きたいのです。

結論を急いではダメです。

一番大切なのは、3. それが実行可能な心身状態を作ること から取り組むことなんです!そこから取り組まないと、結局子どもはやらされている感覚になってしまうので

  • 塾(家庭教師)を休みがちになる
  • 塾(家庭教師)の宿題をやっていかない
  • 学習効率が悪い

という結果になってしまいます。

すると、今度は

  • どうやって塾に行かせるか (家庭教師の授業を受けさせるか)
  • どうやって宿題をやらせるか

に焦点が当たってしまうので、目的が変わってしまいます。

また、子ども自身で立てた目標が実際に行動に起こせてなかったり、親御さんからみて「ちょっと無理があるんじゃないか」と感じられる場合は、

2. その為に今できることを考え、行動に起こす の部分も見直した方が良いかも知れません。

今までだったら出来ていた事も、実行可能な心身状態でなければ、「今できること」ではない可能性があります。

すでにこの状況にある方、もしくは、これからこういった状況にならないために、どういった面に注目したら良いのか、また次回以降でお伝えしていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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