「カウンセリングって何のために行くの?」子どもがカウンセリングに来る目的とは?【前編】
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今年も暑い日が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。浜松では41度を超えておりますので、熱中症には十分にお気を付けくださいね。
さて、今回のブログでは、カウンセリングって何のために行くの?というタイトルでお話ししていきたいと思います。
そもそも…「カウンセリング」は「どういった目的」で来所されることが多いのでしょうか。
よく聞くのは「アドバイスをもらうため」「話を聞いてすっきりしてもらうため」「不安を共有するため」「問題を解決してもらうため」「視野を広げるため」「自分を肯定してもらうため」「ストレス発散のため」「自信をつけるため」など様々です。
みなさんのイメージにも近いものはありましたか?
では、親御さんがイメージしているこれらの「目的」をもってお子さんたちはカウンセリングに来ているのでしょうか。
もちろん親御さんがイメージしている「目的」でカウンセリングへ来ている子どもたちもいますが、実際カウンセリングに来る子どもたちの目的は様々です。
まず大きく3つに分けることができます。それは・・・
- 親のため
- 条件のため
- 自分のため
です。詳しく説明していきますね。
親のため
「お父さんお母さんが行けって言うから来ました」
「行かないというと親が悲しむと思ったから来ました」
「お父さんお母さんがこれ以上自分のことで喧嘩してほしくないから来ました」
といった、親御さんの気持ちや期待に応えることを目的としてカウンセリングに来る子どもたちがいます。
こういった目的でカウンセリングへ来る子どもたちは、あくまで「親」のためであるため、自分自身の課題や困りごとを正面から受け入れることに時間がかかることもあります。
条件のため
「カウンセリングに来たらゲームを買ってくれるっていうから来ました」
「この後にみんなでステーキを食べに行くっていうから来ました」
「ここへ来たら学校へ行かなくていいと言われたから来ました」
こういった条件のために来る子どもたちは、たいていが渋々「連れてこられた感」を抱きながらカウンセリングに来ます。親御さんも、カウンセリングに限らず、何か行動を起こしてほしいとき、ついつい条件やご褒美を出してしまうことあると思います。
ただこういった条件をつけることによって来た子どもたちは、次回以降、それ以上のご褒美や条件がないとカウンセリングに足を運ぶことが難しくなるため、単発的な効果しか得ることができないというデメリットがあります。
自分のため
「この現状をどうにかしたいと思って来ました」
「なんとかしたいけど、どうしたらよいのかわからないから来ました」
「不安を抱えていくのに、耐えられなくなって来ました」
「お父さんお母さんには相談しにくいから来ました」
「誰かに話すと楽になれると思ったので来ました」
自分のために来た子どもたちは、「この現状をどうにかしたい」という意志を持ってカウンセリングに来ます。
子どもがどういった目的で来ているかによって、カウンセリングにどのようなイメージを抱いているかや、自分事として捉えているかどうかというのは大きく異なりますよね。
では、親のためや条件のために来た子どもたちは、その後のカウンセリングはうまくいかないのでしょうか?
いいえ、違います。
最初はそのような目的で来ていた子どもたちも次第に自分のためにカウンセリングに来ることができるようになります。
ただ、ここで注意していただきたいのが、「自分のためにカウンセリングに来ている=必ずしもよいこと」ではないということです。
自分のためにカウンセリングに来ていてもなかなか自分自身を受け入れるのに時間がかかる子どもたちもいますし、そもそも「自分のため」に動くエネルギーを溜めるのに時間をとても必要とする子どもたちは多いです。
また、表面上は親のため、条件のために来ているという発言をする子もいますが、背景を探っていくと自分と向き合うことが怖くて、自分を守るための防衛を取っているという場合もあります。
一概にどの目的だから「よい」「悪い」ということではありません。
しかし、せっかく同じ場所に来るのであれば、少しでも自分のために吸収ができる場所としてカウンセリングへ来てほしいと私たちカウンセラーは思っています。
次回のブログでは、最初は渋々親のために来た子が、どのようにして自分自身を受け入れ、不登校を克服していったのか実際の事例をご紹介していきたいと思います。
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