自尊心が低いことはだめなこと?~自尊心のプラスとマイナスについて~
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
子育て関連の本や記事を読んでいると、しばしば子どもの「自尊心」を育てることの大切さについて書かれているのを目にします。
自尊心を高めるために褒め方や叱り方を工夫する、成功体験を積ませる・・・といった記事は多くある一方で、「自尊心とはなにか」について書かれたものはあまり見当たらないように感じています。
そこで本日は一度立ち止まって、「自尊心」とはどのようなものかついて、考えてみたいと思います。
「自尊心」の基準とは?
自尊心には様々な定義がありますが、
大まかには、
- 今の自分に満足している
- 今の自分を受け入れている
- 自分は価値のある人間だと思う
- 自分には長所がたくさんあると思う
- 自分は人並にできていると思う
- 自分は他者から十分受け入れられていると思う
このような感情が強い時に、自尊心が高いとされています。
例に挙げた6つの項目ですが、みなさんは全てに自信をもって「はい!」と答えられそうでしょうか・・・?
・・・即答するのは難しい、という方もいらっしゃるかもしれません。
実はこの自尊心、「高ければいい」、「低いと悪い」と一概に言えるものではないようです。
自尊心が低い時
誰であっても、「うまく行かない」という感覚が続くと、自尊心は下がりやすくなります。
- 「理想の自分でいたいのに、そうなれずにいるな」
- 「こんなことするつもりじゃなかったのに、失敗しちゃったな」
- 「自分なりにやっているつもりなのに、なかなか周りに認めてもらえないな」
このような気持ちが重なり、「自尊心が低い」状態になった人は・・・
- できていないことを誰かに指摘されるのではないかと、怯えるようになる
- 自分の現状を受け入れにくくなる
- 今後もうまくやれないのではないか、と不安になる
こうした傾向が高まると言われています。
また自尊心がとても低くなっている時、人はありのままの自分を見せることが苦しく、
「マイナスな自分を見せたくない、隠したい」、「どうせできないからやりたくない」
こんな気持ちになりやすいそうです。
このような状態の時、自尊心を保つために以下のような行動をとりやすくなります。
1 他者に対して攻撃的になる
- 周りの人のできていないところを探す
- 他の人の愚痴や悪口をたくさん言う
- 他の人の価値を下げようとする
周りの人の評価を下げたり、自分を評価してくれない人の価値を下げることで相対的に自分の評価を高めたり、自分のできていない部分から目をそらす方法です。
友達の悪口や学校への不満をたくさん言う子のなかには、「自分が悪いのではないと思いたい」、「自分の価値を下げないでほしい」といった気持ちがみられることもあります。
2 自分の殻のなかにこもる
- 困難なことをできるだけ避ける
- 傷つかない状況に留まろうとする
- 人との関わりを避ける
こちらは、これ以上傷つくのを防ぐために、自分の殻に閉じこもる方法です。
周りの人に責められたり、更にしんどいことが生じるのを避けるために、自分が辛い状況にあることや、これ以上できないことを主張したり、傷つく可能性のある場所を避けるといった行動をとります。
「学校へ行かない」という選択をとる子のなかには、こうした背景を持つ子もいます。
3 自分のできていることをたくさん主張する
- 自分を大きく見せようとする
- 自慢をたくさんする
- できたことを誇張して伝える
こちらは、自分のできているところを主張したり、理想の自分のイメージを他の人にすり込ませることで自分の評価を保とうとする方法です。「ありのままでいては良く思われないかもしれない」、「できている自分だと思われたい」といった気持ちから、自分を大きく見せる言動をとります。
こうした3つの行動パターンは、傷ついている自分を守るためにとられるものでもあります。
そのため、「自尊心が低い」とひとくくりにしてしまうよりも、その背景にどのような思いがあるのか整理していくことも大切になると考えられます。
「自尊心」は高すぎても問題?
自尊心は、ある程度高い方が精神的に健康だと考えられています。
一方で、自尊心が高すぎる場合には「自分は他の人よりもずっと優れている」という気持ちが強くなるので、他の人を見下したり、支配しようとする傾向も高まってしまうそうです。
そのため、自尊心は、高すぎず低すぎない「適度に高い」状態がベストだとされています。
自尊心が低いのはだめなこと?
冒頭でもお話したように、「上手く行かないな」という感覚が続くと、誰でも自尊心は下がりやすくなります。
そのため、いつでもどこでも自尊心が高い状態でいるというのはなかなか難しいことです。
また漠然とした「自尊心」という言葉に囚われすぎず、
「本当はどうなりたかったのかな」、「どこが上手くいかないと感じたのかな」、「今からどのようなことができそうかな」
こうした思いを整理して自分の状況を受け入れていくことができると、今の自分に満足していない(できていないところに気づけている)からこそ成長できる可能性もでてきます。
お困りの時には、不登校支援センターのカウンセラーにご相談くださいね。
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