不登校支援で、支援する側が気を付けたいこと③
こんにちは。
不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
緊急事態宣言が解除され、交通機関にも街にも人が戻ってきている印象ですが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?
支援センターでは、6月より横浜支部のTwitterアカウントを作成致しました!
セミナー情報やイベント情報も発信していきますが、日々のカウンセラーのつぶやきも発信しております。
アカウントお持ちの方は、是非一度チェックしてみてください。
@h5j0JAQu5LIlJLn
Twitterを初めてみて感じたこと
今までTwitterとは縁遠かったもので、どう使えば良いのか手探り状態ですが・・・
とにかく直感的に「良いな♪」と思ったものは、「いいね」と「リツイート」しまくってます。(笑)
そこでコメントを頂けたり、「いいね」をしてもらえると、何というか・・・嬉しいのです!
ちょっと違う意味でハマってしまいそうですが、本分を疎かにしない様、情報を発信していきたいと思います。
今回の事例
さて今回は、親御さんとのお話の中で、親御さんのお気持ちが変わっていかれた様子をお伝えしたいと思います。
中学3年生のお子さんがいらっしゃるのですが、中学2年生の頃から学校を休みがちになります。
その期間中に自殺企図があり入院もされたとの事でした。
そういった行動があったため、親御さんとしては、 良かれと思って掛けた言葉が子どもを刺激してしまい、また同じような行動を取ることも怖いなと思い、どう声掛けしたら良いか分からなくなったとおっしゃってました。
当初は、親御さんも「なんで学校に行かないのだろう」、「どうやったら学校に行けるようになるのだろう」というお気持ちで子どもともお話をされていたそうです。
会話の内容としては、
- 学校の何が嫌なの?
- 保健室なら行けそうなの?
- 勉強が苦手なら塾に行く?
- 塾に行くのが嫌なら、家庭教師に来てもらう?
など話をされていたそうです。
ですが、子どもからの返事も少なく、会話することも段々と減り、心を閉ざしてしまった様に感じられたそうです。
また親御さんが心配されている事としてお話に上がったのは、学校を休み始めてから、友達との連絡を一切取らなくなったことです。
お子さんは、小学生の頃からお友達をよく家に連れてきて遊んでらっしゃたそうで、中学に上がってからも変わらず楽しそうに過ごしている様にみえていたそうです。
あんなに友達と楽しそうに遊んでいたのに・・・と、とても心配されていました。
友達関係で何か嫌な事があったのかな?
そう思って親御さんが聞いてみても、子どもは答えようとはしません。
その頃カウンセリングでは、何を考えているか分からないという不安をお話頂きながら、
今まで親御さんの中にあったお子さん像を整理されておられました。
「親はこう思っていたけど本当は違ったのかな」
そうおっしゃられる様になってから、親御さん自身の気持ちも振り返る機会が増えました。
進学について、焦っていたのは親の方だったのかな。
普通の学校に通わなければ、この子が将来困るのではないかと思っていた。
「学校のなにが嫌なの?」という質問も自分が安心するための答えを子どもから引き出そうとしていたのかも知れない。
そんな風に考えていたから、本人が辛くて出していたSOSに気付けていなかった。
と振り返っておられました。
そして、親御さん自身の気持ちを振り返り、受け止めようとされてから、子どもへの印象も変わり始めます。
今は、色んな選択肢があるから、必ずしも全日制の学校に行かなくても良いのかなと思える。
この子に合った環境で学べる事が大切だし、本人が行きたいと思える学校を探したい。
でも今みたいに思えるようになるまでには、時間が必要だった。
一人で考えていたら、こうは思えなかっただろうと思う。
おそらく、親が思っている子ども像と実際の子どもは違うという事を認めたくない気持ちがあったのかもしれない。
そんな風に自分の気持ちを振り返って整理すると、子どもの見方が変わった。
今は、これにハマっているんだな
こんな風に笑うんだな
こういうのは嫌なんだな
と受け止める様になり、「悪い所を直さなきゃ」という様な意識はなくなっていた。
とおっしゃっていました。
「行かせなきゃ」「やらせなきゃ」「直さなきゃ」と思いながら様子を見ていると、出来ていない所ばかり見えてしまいますが、
「この子は、このままで良いんだ」「これがこの子なんだ」と思いながら見て頂いたことで、お子さんの素敵な所がたくさん感じられたのですね。
そして、子どもの様子も少しずつ変化し始めます。
- カウンセラーに会えるようになる
- 一人で近所に外出するようになる
- 学校の課題に取り組み始める(得意教科から)
- 先生と会えるようになる
- 出来上がった課題を自分で提出しに行くようになる
多少、声を掛けて促された所もあったそうですが、ほとんど子どもの自主性を尊重されていたそうです。
今は、学校から出されている課題に取り組んでいる子どもを、素直にすごいと思えるとおっしゃっておりました。
一つ一つの出来事に対して、「どう対処したら良いか」という事に焦点が当たりがちですが、対処ばかりを考えてしまうと、なかなか思う様にコミュニケーションが取れないことがあります。
「親御さんはどう感じて、どんな気持ちだったのか」と振り返られた事で、親御さんの中の子どもの印象が変わり、実際に子どもの行動も変わったという事例でした。
親御さんは、日々正解の見えない中、一生懸命に子どもの事を考えて、より良い選択をしようと頭を悩まされているかと思います。
その際に、「どの選択肢が良いか」も大切かと思いますが、「どんなお気持ちで」ご自身が対応されるかも大切にされてみてください。
人は、相手がどんな気持ちで自分に関わっているか、をキャッチする事が出来ます。
自分が責められるのではないか、批判されるのではないかと感じている子どもの場合は敏感になっているかも知れません。
ですので、「選択肢」よりも「気持ち」を尊重して頂けたらな、と思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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