学校を休んでもオンラインがあれば大丈夫?~活用するときに気を付けたいポイント~
こんにちは。
不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
本日は、選択登校制(オンライン授業の活用)の話題について取り上げたいと思います。
最近ニュースでもたびたび取り上げられていますね。
こちらは、生徒が、登校かオンラインかをそれぞれのご家庭の希望に応じて選べるという取組になります。
コロナウイルス感染の予防や、感染の不安にも配慮したもので、そうした柔軟な対応が広がっていくことはとても大切なことだと感じています。
また、こちらの選択登校制は、不登校の児童生徒の学びの機会にもなるといわれています。
たしかに、
「勉強はしたいけど、まだクラスに入るのは不安」
そんな心境の子にとっては、とても大切な選択肢になっていくと思います。
しかし、一方で支援をしている立場からはその活用について注意したい面もあると思いましたので今回少しお話させていただこうと思います。
選択登校制(オンライン授業の活用)も完全ではない
相談に来ているお子さんの話を聴いていると、子どもが学校を休む時には、「行きたいけど行けない」という心の状態ばかりではなく、「学校のことを考えるのがとてもつらく、学校と距離を置きたい」という心の状態の子もいます。
子ども自身、なぜしんどいのか、何がいやなのかははっきりとわかってはいませんが、学校のことを考えると、嫌で、苦しいことは感じている、そのような状態の子もいます。
そして、子ども自身、なぜ嫌なのかわからない、言えない状況というのはつらいので、中には嫌な理由を必死に探し、訴えてくれる子もいます。
しかし、気を付けたいのは「○○だから行けない」という理由を話してくれた場合でも、それは「〇〇が解決したら行きたい」という気持ちでは必ずしもないという点になります。
背景には、「学校のことは今考えたくない」という思いが隠れていることもありますので、そんな場合は、解決策を一緒に考えるよりも、まずは学校のことを考えたくない、と思うまでになったしんどさを受け止めることの方がお子さんの支えとなります。
今回の緊急事態宣言中にも、たびたび話題に出たのですが、「学校と今距離を取ることが、前に進むために大切な子」にとっては、「学校に休むのであればオンラインで授業を受けなさい」と促すことは逆効果になりかねません。
生徒の多様な学びを保証するためのオンライン授業が、時に子どもの心の逃げ道をさらに塞いでしまうリスクにもなりえます。
子ども一人一人に合った対応の大切さ
選択登校制(オンライン授業の活用)により、クラスに入るのは抵抗があるけども学びたい、という子どもたちに学びの機会が提供されることはとてもとても大切なことであると思います。
人とかかわることで身につく力もあるので、すべてがオンラインで代用できるとは思いませんが、様々な子どもの事情に合わせて、選択肢が増えていくのは大切にしたい流れだと感じていますし、多くのお子さんにとっても前向きな変化だと考えています。
それでも、「不登校の子にはオンラインで」と対応をひとくくりにするのではなく、あくまでお子さんの状況に合わせて、オンラインも活用できると、より多くのお子さんの支えになると感じましたので、今回お話させていただきました。