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今さら学校に行っても勉強についていけない!?

 

こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
 
緊急事態宣言が解除され、また県をまたぐ移動も自由となり徐々に日常生活を取り戻しつつある昨今ですが
皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?
 
私は自粛期間、普段しない料理などに取り組み、カレーを少し美味しく作れるくらいにはなりましたが(ちなみにカレーはチキン派です)、そのように自炊する生活も今やもとのカップラーメン・冷凍チャーハン生活に戻りつつある現状です。
 
6月以降は会社生活や学校生活が再びスタートしていくタイミングとなりましたし、
そんな変化のあるタイミングというのはきっと多くの人にとってストレスになることでしょう。
学生たちにおいても休校中はオンライン授業や課題への着手で忙しい面もあり、ある程度「学校生活風」な過ごし方をして事前に「慣れ」を感じていた子もいますが、いざ始まった分散登校や時差通学について、やはり戸惑いを覚える子も多くみられます。
 
この戸惑いの中にはコロナウイルス自体への脅威というより
「勉強についていけない」
というものが多い印象です。
ここは復学にあたってとても関わりが深い所かと思いますので今回は「不登校と勉強」といったところをテーマにお話していこうと思います。

勉強についていけないから学校に行きたくない

復学にあたって多くの子、そして親御さんたちが心配になっていることが「勉強についていけない」というものになります。
例えば半年間学校にいっていなかったとすると、当然その間に授業は進んでいくわけですし、塾などで先取りしてその範囲を勉強していた子は別ですが、基本的には半年間勉強のビハインドができあがってしまうわけですよね。
親御さんの立場としては
  • 勉強についていけないとしても学校行くだけでいいから
  • テストでいい点取れなくても受けるだけ受けて来た方がいい
という思いを抱く方もいらっしゃると思います。ただ、どうしてもそう簡単には割り切れない子たちも中にはいるんですよね。
何故かというと、その子たちにとってはいい成績をとること、いい点数をとること、偏差値の高い学校に入ること、有名な会社に入ること などなど、
こういったことが人から認められることだという価値観、言い換えるとそのようなプログラムが頭の中に存在しているからです。
これは日本という国で育ってくるとある意味当然のことだと私は考えています。

〇〇が出来たら褒められる=認められる

子どもたちが学校生活を送る中でも味わってきている経験ですし、言い換えると、多くの子たちは人から認められるために頑張っているといっても過言ではないと思います。
そしてひとたび認めてもらえたら、次はこれをやったら認められる、それも出来たら次はこれ、、、と認めてもらうことをある種の栄養源として学校生活や社会生活を送っている人も少なくはないと言えるでしょう。
これは間違った価値観ではないですし、このような生き方を否定するものでもありません。むしろ常に自分にハードルを課して生き抜いていく、非常に力強さを感じさせる生き方かと思います。

これを不登校状態にある子たちに当てはめるとどうなるでしょうか?

勉強が出来たら認められるのだから勉強をした方がよいとは思う。しかし休んでいた期間が長くなってきてしまい、今から勉強してもみなと同じレベルにまではついていけない。ついていけないとしたら認められない。。

認められないのであれば、やる意味はない。

そうしてどんどん勉強から離れ、学校という場所にも足を運びにくくなってしまう、不登校の長期化が進んでしまうということも考えられることでしょう。

さきほどもお伝えした通り、日本という国ではこういった「他者からの承認」によって自分を保つような風潮もありますし、その風土や文化を変えていくのはなかなか難しいところです。

しかしここでポイントになってくるのは、どんどんハードルが上がることで「他者からの承認」が得られなくなった時、果たしてどのように生き抜いていけばよいのかということです。

そこで大切になってくるのが「他者からの承認」だけに偏るのではなく「自己承認」というものを考えてみることです。

大切になる自己承認

 

文字通り、自分で自分を認めるという感覚が「自己承認」というものですが、この満たし方というのは案外難しいものだったりします。
例えば、自分の良い所を書き出してみようと言われても中々思いつかない方もいるかもしれません。
また、いくら「他者との比較ではない」と言われようとも、やはり同学年の生徒と比べて「できている」「できていない」と優劣のように考えてしまうことだってあると思います。
そこで、どんな視点で考えていきたいかというと、「良い」「悪い」を図るのではなく、自分の個性がどんなところにあるのかという視点で考えてみていただきたいと思っています。
「自分の個性はどんなところにあるのか?」考えれば、それをそのまま受け止めやすくなりそうではありませんか?
私たちがカウンセリングの中で扱うものもまさに「その子の個性はどんなところにあるのか?」というものです。これらは心理テストなども用いて把握したりするものなのですが、客観的な指標のもとで自身の個性が見える化されたりすると、受け入れやすくなる子が多いです。
ですので、例えば第三者と関わる中で自分の個性を知り、その個性の活かし方を知ったりすると、スムーズな形で自己承認できるようになっていくわけですね。
中には、「親だからそういっているんだろう」と親御さんからのプラスの言葉を素直に受け入れられない子もいますが、第三者と話したり、客観的な指標の中から自分の個性を見つけられたりすると、すんなり入っていきやすくなることもあるのです。
もちろん他者からの承認というものも大切なのですが、土台として自分で自分を承認できること。これは復学や今後の社会生活を送っていく上ではとても重要なものになってくると考えます。
親御さんでもなかなか知りえないお子さんの個性を見つけ、自己承認が出来る状態を目指していくのは、遠回りに思えるかもしれませんが実は最短距離で復学を目指していくチャンスと言えるのかもしれません。
というのは、勉強についていけないと人からは認められないという感覚にプラスして
「でも自分なりの個性を活かせばいいのだし、自分は自分なりの考えやペースを大切にしていこう」
と思えた時、おのずとその子の中にある決断力や行動力が発揮されるようになってくるからです。

最後に

勉強についていけるついていけないというのは確かに復学にあたって大きな課題になってくると思います。しかし、すぐに勉強にとりかかってもらうことは難しい事ですし、勉強にさえ取り組めば学校に戻れるかというとそうでもないと考えています。

学校に戻ることが全てではありませんし、その子の個性というものが発揮され、なるべく苦しい思いをせずに社会になじんでいくという姿を私たちは切に願っております。

その一助になれればと思いますので、何かありましたらお気軽にご連絡くださいね。

それではまた。

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