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繊細さんは不登校になりやすい?その①-HSPという特性について知る―

こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。

外出自粛が続き、めったに外に出ることがなかったためか、久しぶりに外へ出ると夏の香りがしてとても幸せを感じました。

当たり前のことができないからこそ、些細なことが幸せだと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

さて今回は、タイトルにもありますように、不登校の子によくある特性「HSP」についてお話していきたいと思います。

HSPとは・・・?

このブログを読んでいる親御さんもHSPについてご存じの方もいらっしゃると思います。

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)といい、「人一倍繊細な人」という意味で、この頭文字を取ってHSP(エイチエスピー)と言います。

最近では、子どものHSPについても話題として出てくることが増えており、HSC(ハイリ―・センシティブ・チルドレン)と記載されることも多くなりました。

そもそもHSPとは、90年代のはじめ、繊細な人についての研究をはじめたエレイン・アーロン(Elaine Aron)博士によって付けられた「人の気質」を表す名称です。

アーロンによると、繊細な人と、繊細でない人では脳の神経システムが異なるといいます。
また、5人に1人はHSPの気質を生まれ持っていると言われているため、珍しいことでもなければ、病気でもなんでもございません。

本日のブログでは、HSPの気質を抱えている繊細な子どもについて数回にわたってブログを書いていきたいと思っておりますので、少しでも子どもの理解の一助となれば幸いです。

繊細な子どもの特徴とは

  • 五感に敏感(音、光、臭い、触感、味覚が敏感)
  • 疲れやすい
  • ストレスが体調に出やすい
  • 物事を深く考えすぎてしまう
  • 行動を起こすのに時間がかかる
  • 相手の表情をよく観察している
  • 些細な変化に敏感
  • 自分よりも相手の気持ちを優先しがち
  • 周囲の視線を気にする
  • 無理をしすぎてしまう

といった特徴を持っています。子どもを見ていて当てはまると感じた親御さんも多いのではないでしょうか。

ついついやってしまう声掛け

たとえば家の中で子どもを見ていてこういった声掛けをしたり、心の中で思ったことはございませんか?

  • 考えすぎだよ
  • 気にしすぎだよ
  • そんなこと気にしなくても誰も見てないって
  • 細かいなぁ
  • いつまでもくよくよしすぎ
  • 神経質だよ
  • 無理しすぎ
  • まだ落ち込んでるの?
  • 自信もっと持ったらよいのに

などです。
実際に子どもの様子を見ていると、小さなことに悩んで落ち込んで一歩踏み出せないのはもどかしい、見ていてつらいという気持ちになりますよね。

だからこそ、「大丈夫だよ」「元気出して」と励ましの気持ちでついついこういった声かけをすることが多いと思います。

しかし、繊細な子どもにとっては・・・?

  • 自分が悪いのかな
  • なんで落ち込んでいるのにそういった言葉をかけるんだろう
  • 気にしないなんてできない
  • ダメな子だと思われているのかな
  • やっぱり私の考え方が変なんだ
  • 自信のないわたしはダメなんだ
  • 私って情けないのかな
  • もっと〇〇ができていれば・・・
  • なにかよくないことでもしたかな

と捉えてしまうことも多く、次第に「私なんて」「どうせ」というように常にネガティブに物事を考えてしまう悪循環になってしまうのです。

センターに来る子どもにも非常にこういった繊細な子どもは多いです。
日々の生活の中で小さなことが大きなストレスとなり、そういったストレスの積み重ねでどんどん自己肯定感が低くなっていってしまうのです。

もう少し具体的にお話いたしますね。

例えば、朝友人に挨拶をして、いつもよりも挨拶の返答に「間」があった場合、みなさまはその「間」についてどのように感じますか?

それほどその「間」を気にならない方もいれば、「間」にすら気づかない方もいらっしゃると思います。

私の場合、「間」があると、親しい友人には「なんかあった?」「どうしたの?」と聞きますが、親しくない人だと特には気になりません。

しかし繊細な子どもは

  • 今日は機嫌が悪いのかな
  • 昨日なにかしたっけ?
  • 怒らせるようなことしたのかな
  • 今の私の挨拶なにか変だったかな
  • 何か悪いことしたのかな
  • 今のタイミングに声かけた私がだめなのかな
  • もっと明るく挨拶したほうがよかったかな
  • 私が不機嫌な顔してしまっていたのかな
  • 私からなにか変な臭いでもしているのかな
  • もう少し声を大きくして挨拶すればよかったのかな

などこの数秒の「間」に対してこれほど深く考えてしまうのです。


そういった子どもたちは、常に気を張り考えを巡らせているため人一倍疲れやすくなってしまうのです。
そのため、他の子と同じように学校で1限から5限まで授業を受けても物事への感じ方が異なるため、学校から帰宅してぐったり疲れ果てている・・・という子も多いです。

また、息抜きの仕方もわからない子がほとんどのため、ストレスを溜めこみ、最終的には「不登校」という行動として現れるのです。

細かいことに気づくからダメということではない

繊細さんは、細やかなことに気が付くゆえに素晴らしい力を秘めているものです。

例えば

  • 高い共感能力がある
  • 細かいところに配慮がいくからこそ気配りができる
  • 普段は見落としてしまうような小さな幸せに気づきやすい
  • 物事を深く考え慎重に行動ができる
  • 危機管理能力が高い
  • 相手の話を深く受け止めながら聞くことができる
  • 相手のいいところを気づきやすい
  • 些細な変化にも気づくことができる
  • 場の流れや空気を読みながら行動をすることができる
  • 細かいミスにも気づきやすい

などです。こういった繊細なお子さんならではのよいところを活かしていきたいですよね。

実際に、カウンセリングに来ている繊細なAちゃんがこういったことを話してくれました

繊細ゆえにいろいろなことに気を遣い、結果的に人間関係のうまくいかなさを感じ不登校になった高校2年生のAちゃんがカウンセリングの中で・・・

「最近、相手が自分の目を見ておはようって返してくれることがいかに幸せかわかった。それだけで1日が楽しみになる」
「今日は天気がいい。それだけでうれしいなぁ」
「昨日コンビニで店員さんがすごく笑顔でありがとうございましたって言っていてこっちまで笑顔になっちゃった」
「前までは自分の感情押し殺していたけど、最近は人は人って思えるようになってきてから心が楽自信を持てるようになってきたんだ」

などです。これまでは周囲から見てとてもネガティブな考え方をしていたAちゃん。

お母さんはそんなAちゃんに「そんなことないって。もっと自信持ちな」と声をかけていたそうです。

そのAちゃんが、どのようにして自分の特性と向き合い、受け入れ、活かすことができるようになったのか次回のブログでお話していきたいと思います。

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