こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
コロナ関連で「止まっていた時間」が徐々に動き始めている状況ではありますが皆さまお元気で過ごされているでしょうか?まだまだ親御さんもお子さんも “やりにくさ” を感じる日々かもしれませんが、今後もこの事態を共に乗り越えていければと思っています。
さて本日は、発達障害を持つ子どもへの対応について特にポイントになることを3つお伝えしていきます。
今後も学校でオンライン授業をはじめ様々な取り組みが出てくると思いますが、子どもたちが学校生活へ適応していく上で重要なものになってくると考えられますので、参考にしていただければ幸いです。
それでは早速みていきましょう。
①親御さん自身が心にゆとりを持つ
発達障害と疑われる、あるいは診断を受けたという事実を親御さんたちはどのように受け止められたでしょうか?
受け入れがたい気持ちを持ったり、将来のことが心配になった方もいるかもしれません。
逆に原因が分かったため方向性が定まり、幾分かすっきりされた方もいるかもしれません。
もちろん発達障害は悪いことではありませんし、その子の個性として捉えることが出来るので責めるようなものでもありません。
しかし一方で、親御さんの立場としては周りの子どもと比べて「出来ないこと」や「疑問に思う行動」に目がいくこともあるでしょうし、それが故ついつい強制したくなる時だってあるのではないでしょうか。
そして一方ではまた、「この状況を受け入れなければ」と必死でご自身のお気持ちを押し殺して辛い思いをされていることもおありになるのではないでしょうか。
実はこのようにご自身の気持ちを押し殺したままの状態を続けることこそが心身に相当な負担を与えうると私は思っています。
ですので、言葉を選ばずにご自身の正直な気持ちを伝えらえる存在に、そのお気持ちをお話することで心に少しだけでも「すっきり感」を持っていただきたいと願っております。
もちろんその相手が私たちカウンセラーでありたいとも思います。
日々感じるイライラ、不満不平など、どんなに口汚く罵っていただいても構いません。
そういったお気持ちを全て受け止めさせていただきたいと思っています。
まずは親御さんたち自身が心にゆとりを持つこと。
これこそが発達障害と向き合う第一歩と言えるのではないでしょうか。
②何が得意なのか、何が不得意なのかを整理する
発達障害が疑われる、あるいは診断を受けた子には多くの場合、得意なことと不得意なことがあります。
例えば
・ゲームに出てくるモンスターの名前や攻撃力を覚えるのが得意
・歴史上の人物について、その人物の取った行動や背景までくまなく興味を持てる
・工作や絵を描くことなど、芸術的な才能を秘めている
一方で
・漢字を覚える(書く)のが苦手
・計画通りいかないことに対してとても大きなストレスを感じる
・特定の音や触感に非常に敏感
等、ここで挙げているのはあくまでも一例ですが
子どもの得意/不得意や、進んで取り組むもの/そうでないものなどをしっかりと整理して考えておいてあげることが大切と言えます。
というのは、その子自身も周囲の人たちも、その子の特性を理解しておくことで「自分が何をすることには進んで取り組めるのか」や「何に対してストレスを感じるのか」、「そのストレスを回避(あるいは対処)するにはどのような準備をすればいいのか」等が少しずつ見えてくるからです。
とある子は、まさに前述したとおり「計画通りいかないことに対してとても大きなストレスを感じる」という特性を持っていましたが、自分自身でもこの特性を理解することで「計画の立て方」自体を見直し、極力ストレスを溜めないようにする方法を見出しました。もちろんそこに着手するにあたってはお子さん自身も親御さんも相当な苦労がありましたが自己理解を深めることで得られた成果は大きかった模様です。
将来どんな仕事に就くかを決めるのはその子自身ですが、親御さんとしてはこの子の個性がどんなことに活かせそうかな?ということを考えておいていただくのも意味があることだと思いますし、それが子どもたちの背中を押すことにもつながっていくことでしょう。
③親御さんからの要求を分けて考えてみる
最後に、より具体的なポイントを挙げさせていただきます。
「親御さんからの要求を分けて考える」というものです。これはどういうことかというと、
例えば「夜12時までにはゲームをやめようね」ということについて考えてみたいと思いますが、
実はこの投げかけの中で、親御さんは2つの要求をしていることにお気づきになりますでしょうか?
すなわち
- 夜12時までにやめること
- ゲーム自体をやめること
の二つです。
仮にこの子が夜中1時までゲームを続けてしまい、その後就寝したとしたら、12時までにやめることは叶わなかったのですが、ゲーム自体をやめることについてはクリアしたと考えます。
そうすると、出来なかったところを指摘するより少なくとも「やめた」という、「出来たところ」に注目することが出来ますよね。
ですので、その子に対して投げかけている言葉の中に果たしていくつの要求が実は含まれているのか、そして少なくともどの部分はクリアしているのかというように要求をより細分化して考えてみる視点も子どもの自己肯定感を養うとともに親御さん自身の気持ちの持ちようにも変化が出てくることと思います。
もちろんうまくいく時といかない時がありますし、現実的な場面に即さないこともあるかとは思いますが
考え方として知っておいていただきたいと思います。
自己肯定感という言葉を使いましたが、発達障害においてとても重要なのは
二次障害をいかに防ぐかという視点でもあります。
二次障害とは周囲からの理解が得られないことによってその子自身の自己否定感が強くなったり、
情緒の不安定、反抗的な行動、深刻な不適応などが起こることを意味します。
このような二次的な障害を軽減することがとても重要になってきますので周囲からの投げかけについては意識を向けておきたいところだと感じています。
最後に
今回ご紹介した内容については、あくまでも一例にはなってしまいますが、対応や接し方についてお悩みになることがありましたら共に考えてまいりましょう。
現在不登校支援センターではカウンセリングをオンラインで実施できる体制も整えております。
何かお困りのことやご相談したいことがありましたら、お気軽にご連絡くださいね。
それではまた。
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