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「継続力」の重要性についてーお家の中で目を向けていただきたい視点ー

こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。

新型コロナウイルスが蔓延している中、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
普段できることができないというストレスがかかり、発散する場所もなかなかないということで、いつもとは異なる4月だったのではないでしょうか。

いつまで続くかわからないからこそ、お互い協力し合って乗り越えていきたいですね。

さて、今回のブログでは、当たり前の行動を継続する力の重要性についてお話していきたいと思います。

学校へ行かなくなったお子さんの日常生活を見ていると・・・

  • 勉強をしてほしい
  • 部屋の片付けをしてほしい
  • 少しでもいいから家事を手伝ってほしい
  • 外の空気を吸ってほしい
  • 日光を浴びてほしい
  • 運動をしてほしい
  • 朝を時間通りに起きてほしい
  • 夜更かしせずに寝てほしい
  • 三食きっちりと食べてほしい
  • 読書の時間を作ってほしい
  • 10分だけでも会話をしてほしい
  • なにか趣味を見つけてくれて少しでも自信をもってくれたらよいのに

などもどかしい気持ちやモヤモヤされた気持ちになったことございませんか?


センターへ来るほとんどの親御さんがこういったご相談をされます。

「もっと〇〇してほしい」という気持ち

この気持ちが決して悪いわけではございません。
もっと〇〇してほしい気持ちが相手にとって期待されている信じてもらえていると感じたときにはもちろん強みにもなりますし、一歩踏み出すきっかけになることもございます。

過去にできていた行動が現在できていないとなると、本当はもっと〇〇ができるのになぜできないのか・・・と思われますよね。

ただ、現在のお子さんの状況によっては、過去にできていた行動を起こすほどのエネルギーがないと言う風にも捉えることもできます。

私もかつて学校へ行きたくない気持ちになったときに

  • 食事をまともにとることもできない
  • 外出しようとも思えない
  • 布団から立ち上がることができない
  • 部屋の掃除をする気力が沸かない
  • 誰かと話そうとも思えない

こういった状況になったことがございます。

今まで普通にできていたことができない。
ましてや、そういった状態の中でプラスアルファの行動を起こそう、何かを新しいことを始めようという気力なんて持つことができなかったということが正直なところでした。

そして、行動を起こしたとしてもうまくいかなかったらどうしよう、と想像すると怖くて行動を起こすことにためらう気持ちもございました。

もしかすると、お子さんもそういった心境、状況なのかもしれません。

では、ただ待っているだけでよいのか?様子を見るだけで行動は改善するのか?

いいえ。違います。

ぜひ本日より親御さんに大切にしていただきたい視点がございます。それは・・・

今現在維持し続けている行動はなにか?

ということです。現状維持し続けている行動・・・?

  • ゲームばかりしていること?
  • 朝起きないこと?
  • 夜寝ることが遅いこと?
  • 部屋から出てこないこと?

など思われたかもしれません。

そうではございません。

現状維持し続けている行動とは・・

例えば

  • 毎日歯磨きをする
  • 起きてから着替えるまでは早い
  • お風呂の時間はきっちり守る
  • リビングで過ごす時間が長く、家族とも交流がある
  • おはようやおやすみなどの挨拶は毎日欠かさずしている
  • 洗濯物は自分のものだけは自分で畳む
  • 表情はいつも明るい
  • 昼ごはんだけは自分で作っている
  • 家族とはあまり話さないが、友人とは毎日ゲームを通して交流している

などです。


これらを読んだだけでは「え?当たり前のことなんじゃないの?」と思われたかもしれません。

そうなんです。この当たり前のことを継続することって実はとても大切なことなんです。

当たり前のことを継続する力の重要性

私たちの中でも毎日のルーティーンがあると思います。そういったルーティーンは自然と、意識せずにできますよね。

あまりエネルギーは使っていないと思います。

学校へ行かず、家にいる子どもにとってもそういった自分なりのルーティーンは必ずあります。
その行動は意識していないものが多いと思うのですが、こちらがあえて意識をしたり、当たり前の行動に声掛けをすることは非常に大切になってきます。

なぜかと言いますと、普段当たり前にしていることに対して、親御さんから「ありがとう」や「毎日続けているね」などの声掛けを行い、あえてこちらから意図的に目を向け行動を意識化させることで、エネルギーをあまりかけなくてもできる行動が徐々に増えていくからです。

私が担当している子どもにも、毎日昼ごはんだけは自分で作る子や、毎日欠かさずゲーム実況をしている子がいます。その子たちのカウンセリングの経過を本日は少しだけお話したいと思います。

「昼ごはんだけは自分で作るAちゃんの事例」

Aちゃんは学校に行かなくなって半年ほどになる子です。不登校になってからは、軽い昼夜逆転になり、毎日夜中の2時に寝て、朝の11時くらいに起きていました。お母さんはお仕事をされているため、昼の食事はAちゃんに任せていたようです。

Aちゃんも料理を作ることには抵抗がなかったので、毎日作ることを続けていたそうです。

その話を聞いて、私は「Aちゃん昼ごはん自分で作ってるんだって? 今度どんな料理作ったのか写真見せてよ~!」「簡単にできるレシピ教えてほしいな」「おいしくできるコツも知りたい!」という声掛けをしていました。

最初は「えー自分で食べる用だからそんな見せられるようなもの作ってないよ~」と言っていたAちゃん。

しかし、次のカウンセリングのときはおいしそうなチャーハンの写真を見せてくれました。

私は「おいしそう~!」「その写真家族にも見せた?」「食べてみたい!」「レシピ見て作ったの?」などAちゃんと話しました。するとAちゃんはだんだんと、

「次は〇〇作ってみようかな」「昼ごはんの写真をSNSに載せてみようかな」「こういった料理もチャレンジしたいんだよね」「朝ごはんや夜ごはんも作ってみようかな」「そのためには早く起きなきゃだね」「自分のだけじゃなくて家族の分の昼ごはんも作ってみようかな」などのプラスの発言が増えていきました。

また、SNSに写真をアップすることで、周囲からの評価を受けさらに自信につながったと言いました。

今現在Aちゃんは朝ごはんを作るために毎日8時に起き、3食きっちりとるようになり、お母さんの家事の手伝いも積極的にするようになったのです。

「ゲーム実況配信を毎日続けているBくんの事例」

ゲーム実況の配信を毎日行っているBくんも、Aちゃんと同様に半年ほど学校へ行っていない状態が続いていました。 ただ、全く行かないのではなく、文化祭や、卒業式など節目節目は行くようにしていました。 しかし、Bくんも少し昼夜逆転をしていました。

そんなBくんの日常での楽しみが、ゲーム実況配信をすることでした。

ゲーム実況をしていることを教えてくれたときは「まだやり方もよくわからないし、へたくそだし、他の人のほうがもっとすごいんだよね・・・」と自信があまりないようでした。

しかし、配信を続けていくと、ネットつながりで友人が増え、その友人らも交えて配信をすることが次第に楽しみになっていったようです。

私は「どんなゲームを実況しているの?」「ゲーム実況のコツとか工夫とかある?」「フォロワー何人くらいにまでなった?」「どの時間帯が一番配信見に来る人多いの?」「私も配信興味あるから、教えてほしいな~!」など声をかけていました。

Bくんは、視聴者が聞こえやすいよう声のボリュームを調節したり、コメントを丁寧に読み上げたり、視聴者が飽きないようにずっとしゃべり続けたり、そのほかにも様々な工夫をしていました。 するとBくんはだんだんと・・・

「フォロワー数を次は〇人にしたいんだよね」「視聴者の意見も取り入れてもっと見てもらいやすい実況をしたいんだよね」「このゲームは最近ブームが去っていったから次はこういったゲームに挑戦したいと思うんだ」「ゲーム実況は昼の12時くらいと夜の21時くらいが視聴者数が伸びやすいから、その時間帯に合わせて生活リズムを整えようと思うんだ」などの言葉が出てきました。

その後Bくんは昼の12時、夜の21時にゲームの配信をするために、昼夜逆転を見事に克服しました。そして、次第に昼の配信前に勉強をしたり、夜の配信前にウォーキングにでかけたり、と配信を軸として勉強や運動の癖がつくようになってきたのです。

そしてBくんは「今までは何か始めようとしても1日、いや半日坊主だったけれど、これからは継続的になにかを続けていきたいと思う。そのためには自分で自分のキャパを知って調節していくことが大事なんだと思う。 配信をしていてそう思えたんだよね」と話してくれました。

このように、当たり前のことや本人が好きでできていることに意図的に目を向けていくと、自然と自信につながったり、どんどん次の行動へ発展していったり、具体的な目標を作ることにもつながっていくのです。

いかがでしたでしょうか。

新しいことを始めることもとても大切ですが、今現在その子ができている行動を維持していく力を身につければ、少しずつ新しいことにもチャレンジがしやすいですよね。

お子さんの毎日の生活を見ていてもどかしい、という方はぜひ無料相談にお越しくださいね。

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