環境変化の4月~上手く乗り越えるための秘訣~
こんにちは。
東京支部の椎名愛理です。
桜は散り、新緑が顔を出す新年度のスタートを感じる時期ですね。
今年は例年と異なり、新型コロナウイルスの影響により新学期までの間にイレギュラーな長期休みがありました。
今日はこの長期休み明けに子たちが感じる葛藤と、その葛藤を乗りこなしていくコツについてお話致します。
長期休み明けに感じる「やり辛さ」
大人もお盆休みやお正月休み、ゴールデンウィーク明けは「仕事に行きたくないな」と感じたり、仕事をしている最中も「いつもより疲れるな」など不調を感じますね。
これは『今の(仕事をしている)時間』と『休みの時間』に大きな違いがあるからです。
休みの間は、日々の過ごし方に時間的な制限が少なく、慣れ親しんだ人との安心したコミュニケーションに囲まれ、また社会的な評価を伴う課さる仕事(タスク)もありません。
しかし、いったん仕事が始まると、決まった時間に出社し、与えられた仕事は期限を守らなくてはならず、また心から信頼できる人だけに囲まれるということも難しくなります。
この状況を子どもに当てはめて考えてみると、
学校が始まれば
- 決まった時間に登校し
- 宿題には提出期限があり
- 先生からの評価や、生徒間での評価(頭がいい、スポーツが得意だ、人気者だ等)を受け
- 立場や年齢、考えも異なる様々な人と関わることが必要
となってくるのです。
この自由な時間からの急激な変化に、子どもたちの気持ちと体は中々ついて行く事が難しく、長期休み明け「なんとなく学校に行きにくい…」といった気持ちが生じるのです。
環境変化を乗り越える秘訣とは?
では、この急激な変化を乗りこなしていくうえで大切なのはどのようなことでしょうか。
コツは一つではありませんが、今回はその中の一つ『万能感』についてお話致します。
万能感とは「自分ならできるはずだ」「あれを乗りこなしたのだから、今回も大丈夫な気がする」といったように、自分に対しての自信や、自分の力を信じる気持ちを意味します。
時に行き過ぎた万能感の場合は、裏付けのない自信のため困難に直面した際、心が折れてしまう等の側面もあります。しかし、適度な万能感は「この葛藤を乗り越えられる気がする」という、小さな勇気を生んでくれます。
「前にもこんなことがあったけど、乗り越えたな」という気づき
では、この「なんとなく出来るかも、4月を乗り越えられるかも」という自信(万能感)はどのような時に感じられるのでしょうか。
それは、過去の振り返りからの気づきを得た時です。
- 前に長期間休んだけど、その後ドキドキしながら学校に行ったら意外と平気だったな
- 新学期に向けて、出来る準備はしてきたはずだ
- 以前は怖かった教室が、今は何となく怖くない気がするな
等、この時期子どもたちと過去の振り返りをすると、皆「過去の自分と今の自分」を比較して、いろいろな変化を感じているようです。
ご自宅でお子さんと新学期のお話をする際は、「前の自分だったら、どんなふうに感じそう?」「今はどんな風に感じるの?」など過去と今の自分を意識したお話をしてみることも大切かもしれません。
また4月は親御さんにとっても「子供が学校に行くかな・・・」という不安や緊張を伴う時期でもあります。
一人でご不安なときは、親御さんの不安も私たちカウンセラーにお聴かせくださね。
関連ワード: ストレス , 不登校支援センター東京支部 , 周囲がしてあげられること , 親子関係 , 適切なアプローチ , 適切な働きかけ , 関わり方