【コロナ対策 その4】命の不安、感染の不安について
こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
現在、外出自粛の中での情報提供といえばブログ記事が一番詳細を記載できると思っておりますので、
いつもより頻度多く更新していけたらと取り組んでいます。
今回は、以前私が執筆した記事、
【コロナ対策 その1】緊急事態宣言に伴う、外出自粛と顕在化する課題
で記載した4つの課題のうちの一つ、命の不安について取り上げていきたいと思います。
家庭内暴力(DV)については、【コロナ対策 その2】家庭内暴力の要因と対処方法
教育の不安については、【コロナ対策 その3】外出自粛時の子どもの教育支援について
を参照してください。
命の不安
今大人である皆さんも、もしかしたら子どものときに「死ぬことが怖くてたまらない」と感じていた時期があったりしたのではないでしょうか?
カウンセリングにおいても数年前に、本気でミサイルを発射されることを心配して怯えていた子どももいました。
『死』ということはとてもセンシティブなテーマでもあると思います。
今そのテーマについては、日常的に報道されている「コロナウイルスの感染者数」と「コロナウイルスによる死亡事例」の情報が多くあります。
この情報を得てしまうことで、日々不安になりストレスを抱え込んでしまう人もいると思います。
私もそういう不安を感じているうちの一人ではありますし、「コロナウイルスに感染したけど、ちゃんと完治した人数」を知ることが出来ればもう少し不安をやわらげられるのにな、と考えていたりします。
同じように感じる人もいれば、とにかく「自分が感染することが怖い」と不安を持ち続けてしまう人もいると思います。
不安の出どころを考える
不登校におけるカウンセリングも同じことをしていますが、学校の何に対してどのような不安を感じているのかを突き止めることをするケースもあります。
例えば「教室が怖い」という漠然とした思いの場合、ある子どもの場合は、
「教室が怖い」→「クラスメイトの視線が怖い」→「クラスメイトに嫌われるかもしれないと不安になってしまう」→「クラスメイトに嫌われると仲良くしてくれる人がいなくなるかもしれない」→「教室で孤独になることが怖い」
と、教室という空間の中で『孤独になってしまうかもしれない』という不安を抱えていることに気づいた子どもがいました。
ここまで掘り下げて考えることができたら、「絶対に孤独になることは無い」という自信をつけることで解決できるかもしれない、そのために何をしたら良いのか?を考えていくことで、前進していくことができました。
同じように「コロナウイルスに感染する」ということに不安を感じている場合、どのように考えていくことができるのでしょうか?
- 「自分を媒介に、周りの人たちに感染を広げるかもしれない」→「自分は大丈夫でも、周りの人が死ぬかもしれない」
- 「感染することによって、周りの人たちから非難されるかもしれない」→「孤立してしまうかもしれない」
- 「感染することによって、仕事ができなくなるかもしれない」→「そのままクビにされるかもしれない」→「仕事が無くなるかもしれない」
- 「感染したら死ぬかもしれない」
他にもいろいろあると思います。中にはもっと掘り下げられるものもありますし、いろんな不安の出どころがあると思います。
しかし、例えば3の「仕事が無くなるかもしれない」という不安であれば、「自分が仕事できる環境は必ず得られるだろう」と思える人であれば解消できる不安でもありますし、外出自粛の環境の中でそうなったときのための情報収集や学習、技能習得を行動することで徐々に緩和していけるかもしれません。
ひとつ考え方のヒントとして、「インフルエンザとコロナの違い」を考えてみるのも良いかもしれません。インフルエンザでも周りに感染させないように気をつかうと思いますし、気を付けている人は日ごろから手洗いうがいなども意識していると思います。
ただ、コロナと違い、そこまで神経質にはなっていないこともあると思います。
不安に対する対処方法
大きく2つの方法があります。
- 感染しない方法を確立する
- 感染したとしても大丈夫な方法を確立する
はい、難しいです。無理でしょ!って思われるかもしれません。私自身もそう思いますが、大切なのは漠然と不安を感じ続けるのではなく、この1、2の状態を目指して行動していくということです。
以前の記事、目に見えないモノに対する恐怖・不安でもお話しましたが、ウイルスが目に見える状態であれば、上記のような対応が可能だったのかもしれません。しかし、どういうものか全く知らないという状態は恐怖と不安を生み出してしまいます。自分なりに知っていくことで、未知の部分を少なくしていき、対応し不安を減らしていけるようになっていきます。
これはコロナウイルスに対してだけではなく、自分自身の内面に対しても同じことが言えます。
対処方法を考える
完璧な対処方法は無理だとしても、なるべく近づけていくにはどのようなことができるかを考えてみました。
例えば、自分が感染することにおいて、自分の周りの人に感染させてしまうことが不安だと言う人の場合は「日ごろから人との接触を避ける」というのが感染するリスクも下げることができ、万一感染したとしても、そこから広めるリスクも下げることができます。
これは既に報じられている「不要・不急の外出は避ける」に包含されている対策ですが、自分にとって必要・急用だと感じても、自分が不安になっているリスクと天秤にかけたときに、本当に外出すべきかの判断は変わってくることもあるかもしれません。
言われたことを漠然と受け止めるのではなく、「自分にとってはどういうことになるのだろう?」と自分なりの解釈をしていくことが重要です。
先日電話で相談していたクライエントとは「自分は仕方がないにしても、子どもにどうやって感染させないかだけでも気をつけたいですね。」という話をしていました。
どれだけ手洗いうがいを徹底させても、子どもに衛生面を求めるのは難しいこともあります。そう考えると、如何にして私たち親が家にウイルスを持ち帰らないように気を付けられるかがポイントになります。
テレワークなどで対応し、不要・不急の外出を避けたとしても、日用品や食材などの購入はどうしても必須になります。例えば、いつも利用しているスーパーの従業員がコロナウイルスに感染していたり、そのお店のアルコール消毒薬がたまたま切れていたりしたら、と考えると買い物も安心してできなくなってしまいます。
そのような状況を想定して対策を考えてみました。
・買うもの以外は触れないようにする
・マスクはもちろんする
・信号待ちなどのときも他人とは距離を取る
・不要・不急の外出をしそうな人との接触は避ける
・帰ったら手洗いうがいだけでなく、着替えもする(外出専用の服と部屋専用の服を徹底する)
・調理できない食べ物(お菓子やパン)は我慢する
・食べ物はなるべく火を通す
・外出後、食後は必ず水やお茶を飲む(ウイルスを胃まで流し込むだけでも発症予防にはなるらしいです)
・冷蔵庫に入れる前に消毒しておく
・携帯(スマホ)は外に持っていかない
などなど、現実的に実行可能かどうかは別として、どこまでやれば大丈夫そうか?などと考えてみました。こうして話してみると「これだけやったら大丈夫そうだな」と思える部分も見えてくるかもしれないですし、どうしても無理な場合はそれを避ける別の方法も考えつくかもしれません。
最後に
漠然とした不安を、明確な問題に変えていき、解決できる課題に落とし込むことで、不安を減らしていくことができます。 自分ひとりでは思いつかないような考え方や解決方法も、他の人と話すことで見えてくることもあります。
また、よくあるのが「自分が本当に不安を感じていることが見えていない状態」で不安だ不安だと焦ってしまうことです。これは、カウンセリングにおいてもよくあることなので、カウンセラーと話すことで自分の本当に避けたい不安に気づくことができると思います。
命の不安というよりは、感染してしまったときの周囲の反応の方が怖いという方もいると思いますし、中には不要・不急の外出ができちゃうくらい不安を感じていない人もいると思います。 今回は命の不安(感染の不安)としてお話させていただきましたが、根本としては「未知のものに対する不安」「将来の不安」について対応していく、ということと共通する部分があると思います。
「命の不安」というと「そもそも何のために生きているのか?」というような話にもなりかねず、そうなると『哲学』のような分野に突入してしまいます。『不安』は『心理の問題』としても対応していけると思っていますし、カウンセラーはそれが可能な人でもあると思っています。
不登校支援センターのカウンセラーはもちろんですが、身近なカウンセラーや相談しやすい信頼できる人に相談してみるのも良いのではないでしょうか。
現在不登校支援センターでは、初回のみ無料電話カウンセリングも実施しておりますので、是非ご利用いただけたらと思います。
詳細は公式ホームページの方をご覧くださいませ。
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