お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート

【コロナ対策|その2】家庭内暴力の要因と対処方法とは?

こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。

今の時期、外出自粛の中での情報提供といえばブログ記事が一番詳細を記載できると思っておりますので、いつもより頻度多く更新していけたらと取り組んでいます。

前回の私の執筆した記事、
【コロナ対策 その1】緊急事態宣言に伴う、外出自粛と顕在化する課題
で記載した4つの課題のうちの一つ、家庭内暴力(DV)について今回は取り上げていきたいと思います。

家庭内暴力(DV)のパターン

家庭内暴力(DV・・・ドメスティックバイオレンス)はこのような状況でなくとも問題として話題になっていることですが、この状況下で顕在化するDVが増えていく可能性が非常に高いです。
なぜ、顕在化していくのか?
それぞれのケースで説明していきます。

(1)夫婦間のDV


通常であれば、昼間~夕方は仕事で一緒にいることがない事がほとんどだと思います。
しかし、一緒にいる時間が大きく増えることで、お互いの嫌な部分を目にすることが増えてきてしまいます。

今までは見えなかった、あるいは我慢できていたものが、よく見えるようになり、我慢する機会が増えていくこともあります。

また、『会社』という環境だからこそ自然にできていた仕事も、本来休息の場である『自宅』でするとなると、感じ方も大きく変わると思います。
オン・オフの切り替えが上手くできずにいたり、思ったよりも仕事が進められなかったり、こんな状況下での上司・後輩・同僚とのコミュニケーションが上手くいかなかったりと、テレワークにおけるストレスを抱えてしまうこともあるのではないでしょうか。

そんな今の状況下、他のストレスの影響もあり我慢できなくなってしまい、相手に暴力的な接し方をしてしまうこともあります。
そして、そのような接し方をされた側の人にとっても、相手に対する不信感を募らせていくことになります。

普段我慢できていた人は、このような行動をとってしまったときに、大きな罪悪感となってしまい、さらなるストレスを抱え、心理的な負担を大きく抱えてしまいます。

(2)親子間のDV


夫婦間のDVと同じですが、子どもが学校に行かない時間が増え、日常生活の過ごし方を毎日見ることになります。学校に行っていれば安心出来ていた面においても、家にいてずっとスマホをいじっていたり、ゲームばかりしていたりする子どもを見て、イライラする親御様もいらっしゃいます。
そして、そのイライラから子どもに対して「少しは勉強したら?」「家の手伝いでもしてよ。」などと言いたくなってしまいます。
子どもも最初は我慢して言う通りにすることもあると思いますが、子ども側も次第に我慢できなくなってきます。
その結果、親から子どもに、あるいは子どもから親に対しての暴力的な関りに発展してしまったりします。

この問題は、不登校支援における問題として、常に対応している問題でもありますので、私たち不登校専門のカウンセラーや、既にセンターを利用されている親御様にとっては適切に対応している(適切に受け止められていると思える)問題でもあります。

(3)兄弟姉妹間のDV


外で友達と遊べない以上、家で遊ぶしかありません。そのときに普段はあまり関わることのない兄弟の関りが増えたり、家の電子機器の取り合いが多発したりなど、様々なトラブルが発生することもあります。
兄弟といえど、どのご家庭の兄弟も趣味が一緒でお互いを敬愛し、仲良く過ごせているとは限らないと思います。
性格の合わない兄弟や、価値観の異なる兄弟もいたり、最初は兄、姉の言うことを仕方無く聞いているが、支配されている時間が長くなると我慢もできなくなってきてしまいます。

ちなみに、不登校における問題でも兄弟間のDVが課題になるケースはありますが、この状況とは性質がちょっと異なります。
不登校における兄弟間のDVは、学校に行けていない上の子が、自分の価値を上げるために無暗に下の子を否定し、評価を下げるような対応をしていくことで発生することが多いです。

なぜ、家庭内暴力が発生するのか

今回の連載記事で書く内容に共通している要因として、

今の状況下では

  • 感じるストレスが多い
  • ストレスを処理する手段が少ない

ということがあります。

仕事上のストレスについて、「会社を出て、家に帰る」という行動で、気持ちを切り替えることができていた人もいるかもしれません。
そうすることによって、家にストレスを持ち込まないようにすることができていた人は、今の状況ではそのストレス対処ができないことになります。

前述3つのケースの家庭内暴力(DV)については、それに追加してある理由があります。

それは、

相手が自分の思い通りに行動してくれない

というストレスです。

通常、家族であっても、24時間一緒にいるということはほとんど無いと思います。
一日6時間程度一緒にいる時間があるとして、その中で5回くらい自分にとって気にいらない行動があったとしても我慢できるかもしれません。
しかし、それが4倍となると一日20回も不満を抱えることになります。
家族が自分以外に3人いるとすると、20×3で60回
それが毎日となると、とてつもない回数になっていきます。

さらにそのストレスを処理する手段が無いとなると、あっという間にストレス過多になり、心理状態が不安定になってしまうことでしょう。

そう考えると、赤ちゃん~幼稚園、保育園に行くまでの子育てを24時間数年間している親御様方のストレス対処はとてつもない労力だとわかりますよね。

今までご家庭の問題について、ある程度の不安や不満があり、それに対して見て見ぬふりをしていたり、目をつむって我慢していた人もいるのではないでしょうか。

それらの問題に対して、向き合わなければならない事態に陥ってしまったのかもしれません。

相手が自分の思い通りに行動してくれないストレスの対処方法ですが、残念ながら、非常に難しいです。
難しいからこそ、今まで見て見ぬふりをしていたり、我慢してやり過ごしたりしてきた人も多いのではないでしょうか。

根本から解決するには、

  1. 今の状況下でもストレスを対処する方法を身につける
  2. 相手の行動を受容できるようになる

ということが必要になります。

この解決方法について、私たち支援センターでは普段から親御様とのカウンセリングのテーマであり、これらを乗り越えて不登校問題の改善を行えております。

  • 学校に行って欲しいのに行ってくれない
  • 少しでも勉強や手伝いをして欲しいのに、動画視聴やゲームばかり
  • 親の言うことを聞いてくれないどころか、反発ばかりしてくる

など、そのような子どもと24時間一緒にいる親御様の苦労は、ここまで読んでくださった方は少し想像できるかと思います。
その苦労を乗り越える力を身につけていけるのが、不登校支援センターのカウンセリングでもあります。

具体的な解決方法は、状況や人によって異なってきます。
それこそカウンセリングで一緒に考えて身につけていくことが一番早いものでもあります。

しかし、この記事を読むだけで少しでも改善できたらと思い、
共通する最初に考えて欲しいことをお伝えしたいと思います。

まず、考えること

まず考えて欲しいことは、ストレスとなる言動の特定です。

相手のどのような言葉、行動に対して自分がどのようなストレスを感じているのか

例えば、ある相談者のお父様は
「妻の『家にいるんだったら』という言葉にイラついてしまうようです。」
とおっしゃっていました。
「家にいるんだったら、洗濯物を取り込んでもらえないかな?」
「家にいるんだったら、お風呂掃除しておいてもらえないかな?」
など、お父様としては「好きで家にいるわけじゃない」という思いがあったり、「まるで『仕事してないんだったら』と言われているように感じる」などという思いがあり、ストレスになっていたようです。
しかし、お母様としては、嫌味もなく、お願いしているだけのつもりだったのかもしれません。

逆に、お母様の方も、お父様から
「○○して」「○○はどこかな?」「お腹空いたからご飯用意して」
などと、自分のタイミングで要件のみを伝えてくるコミュニケーションにストレスがあり、「私はあなたのお母さんじゃないのよ!」と言いたくなるという相談もよくあります。

 

次に、行動すること

ストレスの要因が特定できたら、できるだけそれについて話し合って欲しいと思います。
一番もったいないと感じるのが、「相手が悪意なくその言動をとっている」ということです。

伝えることができていたら、改めることができたということもあるかもしれません。
それなのに、ずっと我慢し続けていることによって限界までストレスを抱え、
我慢できなくなったときに「暴力」という形で表現してしまうと、なかなか関係性を元に戻すことが難しくなってしまいます。

相手と話し合うということは、「相手の行動を改めさせる」ということにもなってしまうので、難しいと感じるかもしれませんし、あまり好ましく思わない人もいると思います。

しかし、そこを話し合い、協力していけるのが家庭の本来の在り方なのではないでしょうか。

難しいと感じることもわかりますが、それを乗り越えたとき、こんな状況でも安心して頼れる家族がいるということは、とても心強いことにもなりますし、今後の人生においても良い影響がたくさんあると思います。

是非、この機会に考えてもらえたらと思います。

今回、夫婦関係の例を取り上げさせて頂きましたが、基本的には親子間、兄弟間でも同じです。
親子間に関しては、状況は異なりますが、下記の記事が少し参考になるかもしれません。

子どもと余裕をもって関わるために~セルフケアの大切さ~
『そのハードル、だれが飛ぶものですか?』~課題を子どもと共に考える重要性~
【考察】不登校の子どもの様子を見てイライラしていませんか?

私たち不登校支援センターは、この状況だからこそ、多くの人に貢献できると思っておりますし、そういう会社でもありたいと考えております。

少しでも不安があったり、この記事の内容に心当たりや共感を持たれた方は、是非お気軽にご相談いただけたらと思います。

詳細は公式ホームページの方をご覧くださいませ。

 

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