お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート

お母さんたちの不登校奮闘記~自分自身を責めてしまっていたお母さんのケース~

こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。

新型コロナウイルスの件も終息の目途がなかなか立たない中、時期的には新学年、新学期を迎えようとしていますね。

学校が休校になるなどして子どもたちの生活にも影響がありましたが、子どもたちを支える親御さんたちの生活や気持ちにも大きな影響があったことと思います。

特に子どもが不登校であったりすると、このまま学校生活に慣れることなく新しい環境を迎えることになるので不安を抱える方も多いことと思います。

今回のコロナの件に限らず、親御さんたちはいつもさまざまな悩みや不安を抱え子どもと接されていることでしょう。

そこで今回は「お母さんたちの不登校奮闘記」と題して、私がカウンセリングの中でお聴きしたお母さんたちの苦労や葛藤、そしてその先に見えた希望の光などを僭越ながらご紹介させていただきたいと思います。

自分自身を責めていたお母さん

とあるお母さんは子どもが不登校になったことを「自分の育て方が良くなかったんだ」とカウンセリングの中でもご自身を責め続けていました。

  • あれこれと言い過ぎてしまった
  • 厳しく育てたのが良くなかった
  • あの時もっと話を聴いてあげられていれば・・・

涙ながらにお話しされるお母さんの姿は、大変大きな後悔の念にかられている様子がうかがえました。

心身ともに「痛み」を感じていらっしゃったのです。

おそらくこの時は、悲しみのピークにいらっしゃったと思います。

  • 後悔だけではなく、先の見えない不安や恐怖、絶望にも似た感覚
  • 代わりたくても代わってあげられないもどかしさ 等

それらの複雑な思いがこの心身の痛みを生み出しているようでした。

このような状況にいる時、誰かからのアドバイスがためになることもありますが、それらを受け入れられないほど辛い思いをお感じになる親御さんもいるかと思います。

このお母さんはまさにそのような状態でしたので、まずはお話をとことん聴かせていただく形をとりました。

そんなお母さんが日常生活の中でとある歌を聞いているとのお話をしてくれました。

それは、中島みゆきさんの『時代』という歌でした。
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今はこんなに悲しくて 涙もかれ果てて 
もう二度と笑顔には なれそうもないけど
 
そんな時代もあったねと
いつか話せる日がくるわ
 
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
 
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう
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この歌詞がこのお母さんの心にまさに染み渡るように響いていたのだと思います。

私は歌や映画などにはお薬のような効果があると思っています。

 きっとこのお母さんにとっては、中島みゆきさんの『時代』が何よりのお薬となり、自分自身の感情を歌が表現してくれることで心が浄化されるような感覚になれたのでしょう。

深い悲しみにいる時はとても辛いことですが、このお母さんは

自分自身の感情に向き合い、まずは自分自身の心を見つめなおすこと

・・・これらのことを決心していました。

そして3週間ほど悲しみに明け暮れたうえで、お母さんに少しずつ変化が見えてきました。

子どもとの楽しかった思い出をお話されることが増えてきたのです。

その時は本当に嬉しそうに語られる姿が印象的でした。

過去と他人は変えられない。でも・・・

「よく言われる事ですけど、過去と他人は変えられない。でも未来と自分は変えられますよね?」

お母さんはこのように私に問いかけてくれました。

この真理を深く受け止めて、お母さんは少しずつ前に進もうとしているようでした。

一見簡単なように思えて、これはとても難しいことだと思います。

後悔はつきものですし、あの時ああすればもっと・・・と幾度となく思われることもあるでしょう。

そして目の前の子どもを「変えたい」「とにかく学校に行けるようにしたい」と思うことも親御さんとしては当然の事と思います。

お母さんたちはこれまで、子どものためを思ってその時々でご自身が出来るベストを尽くされてきたはずです。関心をもって接し、むしろ関心を持ちすぎるくらいに子どものことを愛され、尽くしてきたのだと思います。

だからこそ子どもに期待を寄せますし、不測の事態が起きた時に不安や苦しみをお感じになるのも当然だと思います。

そのお母さんの頑張りが、少しだけボタンの掛け違いとなり、子どもたちとの間に距離が出来ることもあるのかもしれません。

ですが本来、子どもの不登校は「誰が悪い」とか「誰のせい」などでは語れないほど複雑な要因が絡み合っているものですので、誰かが責められるようなものではないはずです

今回ご紹介したこのお母さんは、まずご自身の心を見つめ、親子関係や人間関係の在り方についてとことん考えて、ご自身がゆとりを持つことを心掛けていらっしゃいました。

 最後に~セルフケアの重要性~

子どもの不登校のことで、サポートする側の親御さんが大きな痛みを感じ生活もままならない状態になることもしばしばです。

すが本来、お母さんが「サポートする側」にだけあるかというとそんな事はないと思いますし、一人の人間として誰かに、何かに支えられることだって重要だと思います。

その意味において、日々のセルフケアに努めていただきたいと切に願っております。

そして何かあればカウンセリングでもお話を聴かせていただければと思っておりますのでお気軽に不登校支援センターへご連絡くださいね。

※「お母さんたちの不登校奮闘記」のブログ中では今後もお母さんたちの様々な奮闘をご紹介させていただきたいと思います。

それではまた。

 

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