不登校の子どもが部屋に引きこもる目的とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は、部屋に引きこもりがちな子どもについて、支援してきたことを踏まえて書きたいと思います。(※今回は、「部屋に引きこもって出てこない子」に絞ってお伝えしたいと思います)
部屋に ”引きこもる必要がある” からそうしている。
まずこれまでに、部屋にこもりがちな子どもと話してきた印象として、それぞれはっきりとした目的があって部屋にこもっている子が多い、という印象があります。
その目的とは様々で・・・
- 家族と顔を合わせるのが気まずく、罪悪感を感じるので、そのような気持ちにならないように接触を避けている
- 部屋の外に出ると、親に「学校に行きなさい」、「早く寝なさい」、「早く起きなさい」、「ゲームをしすぎないように」と、色々言われるのが嫌だから、言われないように部屋にこっている
- 部屋にこもることで、自分は学校に行けない状態なんだということを親に分かってもらいたい、理解して欲しい、という目的の為に引きこもっている
- 親が憎くて、自分が引きこもって話さないことで嫌がらせをしている。だから、引きこもる事は、親への嫌がらせが目的である
一例をあげると、上記のような目的で部屋に引きこもっていることがあります。
子どもそれぞれに、引きこもる行動に「目的」があり、その「目的」を達成し続けるために、部屋にこもる子がいるのも実情です。
家からは出ないが、家の中では部屋に引きこもっていない
次に、家からは出ないが、部屋に引きこもることはしない子達を例に挙げます。
家の中では基本的に自由に過ごし、親御さんや兄弟姉妹とも普通の会話をします。
部屋に引きこもっていないのは何故か?と考えると、部屋に引きこもる「目的」が無いのだと思います。
もちろん、「家」という単位で考えると、そこから出ない「目的」はあるのですが、「部屋」という単位では引きこもるという行動をする「目的」がないということが言えます。
「部屋」に引きこもることは、頑張らないと出来ないほどの辛さ
上記で述べたように、「部屋」に引きこもる子、「家」に引きこもる子、それぞれがいます。
しかし、本当にずっと部屋に引きこもって、家族と全く顔を合わさないようにしている子は、その行動を取り続けるのは、努力も必要になってきます。
部屋にはトイレもお風呂もないですし、飲料や食料品を買い込んでおくことも難しいですよね。そして、部屋に引きこもっている子どもは家族と顔を合わさないように常に神経を張っている状態になります。
- ドアの向こうの家族の生活音に敏感になり・・・
- トイレに行くときも、家族にばれないように気を遣ったり・・・
- 家族の誰かが近づく気配がしたら、部屋に身を隠したり・・・
- お腹がすいたら、家族が寝静まってから台所まで行き、明かりもつけずに急いで食べたり・・・
そして、親御さんもそんな子どもの様子に、なんとかコミュニケーションを図ろうとされるかと思います。ドアの向こうから話しかけたり、ときにノックをして部屋へ入ろうとしたり・・・。
そんな親御さんからの何らかのアクションがある度に、
- 神経が過敏になり、イライラし物にあたる
- 壁や机をたたいて反抗心を露にする
こういった反応を見せる子もいます。
しかし中には、全く無反応を決め込むという子も少なくありません。
上記に述べたようなことを毎日毎日するのは、とても落ち着いた精神状態で出来ることではないと思います。あえて平たい言葉で表現するならば、前述のように「頑張って引きこもっている」ということになるのかと感じています。
その頑張りは何のためなのか、親御さんには理解できないと思われることもあり、本音で話し合えるようになるまでに時間がかかることもあります。
しかし、知って頂きたいことは、
引きこもるという行動は辛く、孤独で、頑張らないと出来ないということです。
最後に…
引きこもりの状態が長ければ長いほど、親御さんも、これまで幾度となく、子どものことに深く思いを馳せてこられたことと思います。
もし、まだ誰にも相談できていない。相談しても解決しなかったとお思いの方がこの記事をお読み頂いておりましたら、是非一度不登校支援センターのカウンセラーにご相談頂ければと思います。
一緒に、引きこもるという「行動の目的」に目を向け、一歩ずつでも明るいご家庭へ戻れるようお手伝いさせて頂きたいと思っています。
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