お父さんは不登校支援の最前線には立てないことが多い理由とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は、不登校支援の役割における【お父さん】にスポットをあてたお話をしたいと思います。
お父さんは不登校支援の最前線には立てないことが多い
まず、多くのご家庭のお父さんは働きに出ておられる前提で話します。
お勤め先に向かうのは、子どもの登校時間の前後になることが多いかと思います。
よく聞くのは、子どもより早く家を出て、遅く帰ってくるという方々ですね。
もうこの時点で、朝、学校に行くかどうか悩んで、結局行けなくて家で過ごすしかない不登校の子どもの対応をすることは、お父さんとしては、したくても出来ないというのが実情です。だからお母さんがその後の対応をされることが多いのだと思います。
ですが、お母さんだって働いておられる方が多い現代において、共働き世帯であっても何故、お父さんが不登校支援の最前線に立てないことが多いのか・・・。
たくさんのご家庭のお話をお聞きしてきた中での一つの印象として、不登校という問題において、子どもはお父さんよりお母さんを頼りがちな部分があるということが関係しているのではないかと感じております。
何故、子どもはお母さんを頼りがちになるのでしょうか?
学校に行かないといえば怒られる
学校に行かない、行きたくないと子どもが言い出しはじめたとき。
「うんいいよ~」と笑顔で返答してあげれる方はほとんどいないと思います。何故なのでしょうか?
それは、行けないことがダメというわけではなく、子どもの発言を聞いて最初は驚くからなんですね。
「えっ?なんで学校に行かないの?」とまず親御さんは考え、驚くことが考えられます。ただ単に行きたくないと親御さんに訴えてるだけで、納得できる理由も言わない状況だと、子どもからしたら怒られているような雰囲気になることが多いと思います。
その後、ご両親や親子の間で様々な話し合いをして、不登校を受け入れていくご家庭や、中々話し合いができない、感情的に対応してしまっているというご家庭もあることと思います。
子どもにとっては、母親が優しく、父親は怖いという”イメージ”が一般的に存在していることもありますが、
不登校対応において、”お父さん”に求められる役割とは何でしょうか?
昭和のお父さんのイメージが、一部不登校の支援に求めれられることも・・・
今、不登校が一番多い中学生(13歳~15歳)のお父さんの年齢は大体40~50代の方が多いですよね。その方の親御さんは70~80代の方が多く、まさに昭和を生きて来られた方々にお育てになられているので、昭和のお父さんのイメージというのは持っておられると前提にします。
頑固で、威厳があって、寡黙で、厳しくて、家にあまりいなくて、お父さんは怖いという
”イメージ”
この昭和のイメージを利用して、子どもの不登校に対応されるご家庭もあります。
それをしてはダメですよと言いたいわけではありません。
もちろん、現代のお父さん像である、優しく、家事育児に積極的、一緒に遊んでくれる、よく話すというようなお父さんも多いはずですが、不登校支援の役割において、この現代的な父親像ではダメなんではないかと思われる方が、お母さんにもお父さんにも多く、実際に私の経験では多い印象です。
しかし、昭和のお父さん像をもって子どもに接したとしても、子どもはお父さんに心を開いて、学校の悩みや行けないことを相談してくれるでしょうか?
学校に行っていないことを怒られている状況があり、かつ代わりに何かをさせたいがために、怖い父親のイメージを利用しても、あまりメリットはないのではないかと感じます。
- 怒られたから、怒られたくないからやった(登校や・それに代わる行動)だけ。
- お父さんに怒られて、話す気がなくなった
- だから結局、お母さんに話すしかない。
- お母さんの負担が増える=お父さんは余計に関われなくなる
子どもとお父さんが良い関係性を保つために
昭和のお父さん像が悪いと言っているわけではありません。それは人それぞれです。
しかし、不登校支援における子どもとのコミュニケーションにおいて”意識的に”昭和のお父さん像を使うことは、あまりお勧めできません。
メリットがあるのかもしれませんが、関係が悪くなって
お父さんともお母さんともコミュニケーションを取られなくなるというデメリットがとても大きい
と感じるからです。
色んなご家庭の色んな考え方は尊重されるべきでありますが、今やっていることが上手くいってないな・・・とお悩みの方は一度振り返る機会での情報としてみて頂ければと思います。
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