【新学年に向けて】ご家庭と学校での役割分担について①
こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
今年度も最後の学期を迎え、来年度に向けての準備を考える時期となってきました。
子どもたちの発言の中にも
例えば「3年生になったら行くから」等、学年が変わるタイミングを登校の好機と捉えて発言する子たちは多く、親御さんとしても学校側としてもある程度期待を寄せる時期にもなってきます。
「発言と、実際の行動が伴うといいな」と願う親御さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。
このような状況の中ではやはり、来年度に向けてどれだけの準備が出来るか という視点も大切になってくるかと思います。
- いきなり次の学年から行けるようになるとは思えない
- 行ったとしてもすぐに疲れて帰ってきてしまうのではないか
これらは親御さんが持つ当然の気持ちですし、実際のところ、悲しいかな1日目だけ行ってその後行かずというケースも
少なくないという実態があります。
ですので、今からでもこういった事態を防いでいくために
- ご家庭でのアプローチ
- 学校でのアプローチ
この2つのアプローチについて、しっかりと考えていければと思います。
今回のブログでは、ご家庭でのアプローチ(ご家庭に担ってもらいたい役割)を中心にお話しをしていきます。
以前のブログでも記載させていただいておりますが、ご家庭でのアプローチについては大きく2点を取り上げさせていただきます。
① 子どもの味方であるというスタンスを保つ
「子どもの味方になってあげる」というスタンスを保っておいていただくことは重要です。
時期的には、学校からも登校に関する促しが求めらることが多くなるかもしれませんが、
「ほら、学校からもこう言われてるんだから行かないと」という思いを強く出しすぎてしまうと、子どもたちの中には、「親は学校の味方なんだな」とか「学校と親からダブルパンチを食らった」と思ってしまう子もいます。
もちろん親御さんも学校も子どもをこらしめようとして言っているつもりではないですよね。
しかし、子どもたちの受け取り方によっては、親子の関係に「溝」が出来てしまい、今後の親御さんからの提案に対して耳を貸さなくなってしまうことも予想されます。
ですので、可能な限り親御さんには
「子どもの側」にいてあげる=「子どもの味方になってあげる」
というスタンスでいていただければと思います。
② 子どもたちが求める「報酬」について見極める
新しい学年を迎えるにあたって、この環境の変化を味方につけていくために意識しておきたいことが、子どもたちの求める「報酬」を見極めていくことです。
報酬といっても、お金をあげるとか物を買ってあげるということではありません。
その子の“心”にとっての報酬は何かを考えていく視点です。
◆「評価」という報酬
これはとてもシンプルなものですが平たくいうと「うまく出来たことについて褒めてもらえる」という報酬となります。
適切な評価がもらえると、それが次の行動の原動力になり「またやろう」という発想につながります。
- 「一生懸命やったこと、お母さんは嬉しく思うよ」
- 「それが出来るなんてさすがだね。感心しちゃうよ」
等が、「評価」という報酬の例として挙げられます。
◆「関心」という報酬
実はこれもとても大きな報酬となります。
自分の趣味や好きなことについて関心を持ってもらえるだけで嬉しさや喜びを感じる子がとても多いです。
- 「どんな絵を描いているの?あ、このキャラクターお母さんは好きだなぁ。〇〇はこのキャラクターのことどう思ってる?」
- 「最近どう?少し疲れたような顔をしているように見えるけど平気?」
等が、「関心」という報酬の例として挙げられます。
◆「理解」という報酬
「自分の気持ちを分かってもらえた」という感覚は人の心を軽くします。
これだけ自分の気持ちを分かってもらえたなら「しょうがない、(面倒なことでも)やるか」と一歩踏み出す力となります。
- 「そんなこと言われたら、辛い気持ちになるよね」
- 「本当はあの時、〇〇って言ってほしかったんだね」
等が、「理解」という報酬の例として挙げられます。
特に子どもたちは、自分が欲しかった報酬がもらえないとモチベーションがダウンし動かなくなってしまうことがあります。
そのため、学校に行って受けたストレスをしっかり家で解消し、次の日の登校に活力を持ってもらうような関わりを意識しておくことを、お勧めします。
だからこそ、どんな報酬を求めているのかを見極めていくことが大切になってきます。
最後に
今回はご家庭でのアプローチ(ご家庭で担っていただきたい役割)についてお話しをしました。
子どもたちが登校練習や実際の登校をした際に、学校側にも意識しておいていただきたいポイントがありますので、次回はその点についてお伝えしていこうと思います。
それではまた。
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