人の顔色をみて話す癖がある不登校の子どもに対する効果的なトレーニング方法とは?
こんにちは。不登校支援センター東京支部の椎名愛理です。
カウンセリングの中で子どもたちに見られる、ある傾向について
来談されるすべての子どもたちに共通するわけではありませんが、「人の顔色を見て話をする」「空気を読んで行動する」という様子を度々感じます。
- 学校に行きたくないといったら、お母さんはどう思うかな・・・
- 友達に嫌われたくないから、早く帰りたいけれど寄り道に付き合ってしまう・・・
- 皆は○○したいんだろうな、私は××したいけど、我慢して皆に合わせよう・・・
このように、相手の気持ちや感情を想像し、相手を優先し、人に協調するように行動、発言をするような様子が見られるのです。
ではこの傾向(=行動の癖)は悪いことでしょうか?
相手の顔色を見られるというのは、冷静な思考を持っているということでしょう。
周りに合わせられるというのは、協調性があるということでもあります。
決して悪いことではないのですが、この傾向が強いと、
- 人といても我慢ばかりして、こころが疲れてしまう
- 自分の気持ちを伝えることが、どんどん苦手になったり自分の本音を言うことに罪悪感を感じる
- 自分に自信が持ちにくい
など、「自分の気持ちや主張を伝えないが故のしわ寄せ」が次第に大きくなってきます。
では自分だけが無理や我慢をせず、相手のことも大切にしながら、自分の思いを伝えるにはどうしたらよいのでしょうか?
自分の気持ちを素直に伝え、人間関係も大切にする『アサーショントレーニング』
アサーションとは英語で「自己主張」を意味します。
自己主張というと、自分の意見を押し通そうと言うような強い印象を受けるかもしれません。
しかし、アサーショントレーニングで目指すのは「自分の気持ちを相手に伝えつつ、相手を否定や論破せず、よりよい関係性を築くこと」です。
言いたい事や自分の気持ちを、自分が100%我慢するのではなく、伝え方を工夫しながら相手に発信するトレーニングです。
例えば
- 自分が今、どのような気持ちなのか見つめてみる
- 相手と反対の意見を持っている場合には、前置きをした上で自分の意見を伝えてみる
- テレビや映画の中などで、登場人物が自分の意見を上手に伝えている場合は、どのように話していたのかよく見て、真似をしてみる
などがあります。
何にストレスを感じるかは、人それぞれ違います
勿論、自分の気持ちを言わないで我慢している方がストレスにならないという子どももいますね。
そのような子どもに対して「気持ちを伝えること、自己主張することが大切だ!」とおススメしても、自分の気持ちを理解されていないように感じられ、一層ストレスを溜めてしまうこともあるのです。
子ども自身が
- 『自分の気持ちを話してみたら、意外にみんな聞いてくれた』
- 『自分の意見を我慢するより、自己主張したほうが相手にとっても居心地のいい時間になると思った』
といった発見を積み重ねることが、アサーショントレーニングでもあるのです。
自分の気持ちを大切にしつつ、相手の立場や価値観も尊重したコミュニケーションは、人間関係を豊かにしますし、楽しく心地良い時間を生んでくれます。
私たちカウンセラーと一緒に、気持ちのいいコミュニケーションについて考えてみませんか?
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