不登校専門カウンセラーが教える不登校の子どもに多い傾向とは?
こんにちは。不登校支援センターの横浜支部の庄子大貴です。
寒暖差が激しい季節となり、私の周りでも体調を崩される方が増えてきましたが、皆さんは如何お過ごしでしょうか?
くれぐれも体調管理にはお気をつけて頂ければと思います。
「小学2年生の女の子の算数の解答が話題に!」と最近の話題になったニュース
「小学2年生の女の子の算数の解答が話題に!」というニュースを最近目にしました。
何が話題になっているのか気になり、私はそのニュースをじっくり見ることにしました。
「ゆきこさんの 家から えきまで 30分 かかります。
8時50分に えきに つくには、 家を 何時何分に 出ると よいですか?
りゆうも かんがえてみましょう。」
といった問題の回答が話題になっていたようです。
実際に皆さんの子どもにも同じ問題を出して見て下さい。どんな解答を出したでしょうか?
さて、この問題ですが、普通に考えれば、答えは「8時20分」ですよね。
しかし、この女の子は「8時15分」と答えました。
理由としては「8時20分だとぎりぎりで、あせるとあぶないから」と答えたそうです。
皆さんはこの理由に対して、どの様な思いを抱いた上で、どの様に子どもに話し掛けますか?
この様に、実際の答えは違うけれども理由は意味を成している場合、親御さんとして、子どもへどの様に反応すれば良いか、難しく感じられる方も多いのではないかと思います。まさに、これは子どもから親に対しての「問題」と言えます。
日常的に親が子どもから反応を求められる場面はよくありますよね。
この様な問題を出された時に大切になってくる考え方は「想像力を大切にすること」になります。
想像力を大切にすること
この女の子の解答は、算数の問題としては当然間違った解答となり、テストなら点数が与えられません。
しかし、日常生活においては「余裕を持った行動」として、5分前行動を心掛けたことになります。
これは想像力を働かせた結果、導き出したこの女の子の中の正解と言えるのでは無いでしょうか?
ここで、大人側が
- 「これは算数の問題だよ。だからあなたの答えは間違ってます」
- 「算数の時はこの答え方では駄目だよ」
などと言ってしまえば、子どもとしては納得がいかず、頭の中は大混乱になると思います。
そして子どもは「想像すること」を諦めてしまい、正確な答えを求めるだけになってしまいやすいのです。
当然、子どもは親に「褒めてもらいたい、認めてもらいたい」と思うため、「親が違うと言うなら違う」と認識してしまいます。
不登校の子どもに多い傾向とは?
不登校の子どもに多い傾向として、
- 考え方が頑固
- 考え方が偏っている
- 深く考え込んでしまう
などが上げられます。
言い換えれば、「想像の幅が狭い」とも言えます。
実際にプラスな考え方が出来て居ればプラスに考えられるのですが、マイナスに考えてしまうとマイナスのことしか考えられなくなります。
仮に想像力の幅が広ければ、プラスもマイナスも想像した上で、考えながら動くことが出来ます。
しかし、想像力の幅が狭い状態にあると
- 「正解・不正解」で考えてしまい易くなる
- 一度躓くと「間違えたくない」と思ってしまい、結果的に動けなくなってしまう
といったことに繋がりやすいと考えられます。
実際、日本の学校の勉強は今まで「正解・不正解」で判断することが多い為、今日まで教育を受けてきた私達のような大人は、必然的に子どもへの対応も「正解・不正解」で判断してしまっているという現状があります。その一方で、「多様的」な考え方を今の教育は目指している為、伝える方も多様的な考え方を意識しなければなりません。
この矛盾状態がある中で子どもを育てなければいけません。
つまり、これまでに認め方を学ぶ機会があまり無かったことで「子どもを認めましょう」と言われても「どうすれば良いか分からない」状況にあります。
子どもを認める為には認められる経験が必要?
カウンセリングでは、親御さん自身の話しになる場合があります。
その中で、親御さん自身が「今まで認められた経験が少ない」と気付く場面が多くありました。それまで、親御さん自身も親に認められたい一心で勉強を頑張ったりスポーツを頑張ったりして来たと話し、時には涙を流す場面もありました。
その様な環境の中で、子育てが上手く行かず、今でも親に叱責されることがあると話す方もいらっしゃいます。この様な状態で子育てをするとなると親御さんにとっては余裕が無く、上手く行かないことに苛立ちを覚えることも多くあると思います。
だからこそ、「私の頑張りを認めて欲しい」と感じる方は多いのでは無いでしょうか?
だからこそ、親御さん自身が認められることで、子どもにも還元出来る様になります。
冒頭の問題の答え方は人それぞれになると思いますが、「8時15分」と答えた子どもの親御さんは常々家庭の教育の中で、「時間に余裕を持って過ごすことを伝えていた」そうです。
その為、「家庭の教育が行き届いていることに嬉しさを感じた」と言っておりました。
最後に…
子どもが不登校になると、親御さんはどうすれば良いか分からなくなってしまうことがあると思います。
しかし子どもへの対応を考える際に「正解・不正解」で決めることは出来ません。
一番大切なことは「認める」ことです。
子どもの認め方が分からない、子どものことが分からないと感じた際は一度、不登校支援センターへお越し下さい。
心よりお待ちしております。
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