不登校カウンセラーの立場から考える神戸教員いじめ事件
こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。
また痛ましい事件が発覚してしまいましたね。
本日は大きく報道されておりました、神戸の教員による教員へのいじめ問題について取り上げていきたいと思います。
私の立場といたしまして、その後の対応や子ども達へのケアの部分に焦点を当てています。
事件のその後
事件の経緯や内容につきましては、皆様ご存知の通りのことと思いますので略させて頂きます。
先日いじめを行った教員からの謝罪文なども公開されました。拝見された方もいらっしゃると思います。正直に申し上げてとても反省している人の謝罪文ではないな、と私は感じました。自己保身や責任転嫁、的外れな謝罪などが多く散文している内容だったと思います。
カウンセリングにいらっしゃった親御さんの中にも
『私が部下に同じコトをしたら逮捕されている。謝罪文を出すだけで刑事告訴もされず、復職までしようとしているのは理解できない』
と憤慨されている方もおりました。
その通りだと思います。
私は常々「いじめ」というものをなくす、減らすためには「いじめ」という言葉自体をなくしたほうがいいと思っています。
いじめではなく、
- 犯罪
- 傷害罪
- 窃盗罪
- 安全配慮義務違反
などなど当てはまるものは多いです。
それら全てが「いじめ」というオブラートに包まれると、うやむやになってしまっているように感じるのです。
またNHKのニュースでは以下のような実態も判明しました。
『神戸市の公立小学校で起きた教諭間のいじめの問題を受けて、17日に開かれた市議会で、教育委員会はこの小学校で子どもどうしのいじめが急増していることを明らかにしました。教育委員会は「推測だが教員の人間関係が影響した可能性もある」として、対策を急ぐ考えを示しました。』
ここでは可能性、と示唆されておりますが、ほぼ間違いないでしょう。違うとしたら、今まで見て見ぬ振りをしていた所にメスを入れたので、数が増えた報告になっただけ、というお話だと思います。
なんにせよ、お粗末な実態に感じられます。
的外れな対応?的を得た対応?
この事件を受けて、該当の学校では学校給食のカレーを供給することを停止したそうです。
その対応にも色々と声が上がっています。
多く目にするのは
- 『カレーに罪はない』
- 『罰するのはカレーではなく教員』
- 『的外れな対応』
などですね。普通に考えれば、いじめの道具に激辛カレーが使われたので、給食のカレーを自粛します、という理論に違和感を覚える人は多いと思います。
ただ、親御さん、子ども自身、また我々のように現場に近い人間は別の感覚を持つ場合もあります。
顕著だったのは、ある小学生が「うちの学校でも給食のカレーをやめて欲しい」と言っていたことです。
なぜそう思ったのか聞いてみると「絶対に真似をしてカレーでいじめをやるやつがいるから」だそうです。
そうなんです。真似する子どもは出てきますし、先生が注意したとしても、
「先生たちもやっていたことでしょ?その先生たちは別に何も罰を受けてないじゃん」
と開き直られる可能性も考えられるのです。
先生の存在が抑止力として機能しないどころか、助長すらさせてしまう可能性
指導する立場にある教員がいじめを行っていた、その罪の重さが良く分かる一例だと思います。
教えている先生が率先していじめを行い、それがばれたら言い訳をしてまともな謝罪も出来ない・・・。
それを見た子どもたちがどんな影響を受けるか、考えるだけで嫌になりますね。
そういった面を考えるとカレー停止は一概に的外れとも言えないかもしれません。
ただ「カレーがなくてもシチューでも味噌汁でもやるやつはどうせやるよ」というも意見あり、本質的な対応と離れていると感じられることは事実でしょう。
カウンセリングに来る子どもたちの中にもこの話題を出す子は多く、強い感心を寄せていることが分かります。
- しっかり罰する
- 事後ケアを行う
- 再発防止策を立てる
それらが本質的な対応になると思います。
最後に
こういった事件や事故が起こるたびに杜撰な管理体制だったり、問題行動を容認していた事実などが出てきます。
本音を言えば「もういい加減、学びましょう」の一言なのですが、学校という組織が変わるのは難しいようです。
もちろん個々の先生は、頑張っている立派な方々が大半です。一部の問題を起こす先生がいると、そこが大きく取り上げられますが、そうでない先生も沢山います。
一方的な学校、教員バッシングで終わらず、学校、保護者、地域が「子どものために」協働していけることを切に願います。
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