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どうして大型連休明けは、学校を休みがち? ~認知論から対応を考える~⑥

こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。

前回、自己受容をお伝えする中で、身体症状を訴える中学生の話をお伝えさせて頂きました。

どうして大型連休明けは、学校を休みがち? ~認知論から対応を考える~⑤

夏休み明けの面談でも、身体症状を訴える子どもやその様子を心配される親御さんなど、多くの方が面談にお越しになりました。

最近では、メディアでも夏休み明け直前になると、様々なメッセージを送っていましたね。

無理しないで

辛かったら逃げていいんだよ

まずは休んで

不登校は逃げじゃない

まずは生きて

などなど、今年も多くのメッセージを目にしました。

そういったメッセージを見た親御さんから様々な感想を聞かせて頂きました。

これらのメッセージを見て

  • 「元気に生きていてくれたら良いな」と思えた。
  • これだけ世間が騒いでいるのだから、無理に行かせない方が良さそうだ
  • 最初から不登校を容認する姿勢で良いのか
  • こういったメッセージに甘えて行かない子も出てくるのではないか

など賛否両論でした。

皆さんは、どのようにお感じになられましたか?

先日、横浜市教育委員会のスクールソーシャルワーカーさんとお話しさせて頂きました

その際には、こういったお話しが出ておりました。

  • 大人だったら、自分の判断で仕事を休んだり、辞めたり、転職したりと出来るが、子ども の場合は、取れる選択肢がそもそも少ない。
  • 追い詰められたと感じてしまう子の中には、自らの命を断とうとする子もいる。
  • そういった子どもたちが、まずは安心して心を休められる場所を増やしていきたい。

との事でした。

行政の方でも、色々な所と連携を取り、少しでも多くの子どもをケアしていきたいと動いている様です。

「学校を休む」というストレス対処

話は変わりますが・・・

  • どうしたら良いのか分からない時・・・
  • 自分一人ではどうしようもないと感じてしまう時・・・

そのストレスを「避ける」という対処も必要だと、私は思います。

ですが、子どもの「不登校」については、どうしても否定的な印象を持ってしまう方も少なくありません。

それは、どうしてなのでしょうか?

もしかすると、ご自身が今何か思う様にいかない事と向き合っていたり、壁にぶつかっている様な印象を抱いているのかも知れません。

お仕事関係、親子関係、友人関係・・・etc、心当たりはございませんか?

なぜなら、私たちは「私たちが捉えたい様に物事を捉える」ので、否定的に感じる背景は、必ず自分にあります。

仕事から帰ると・・・

例えば、親御さんが医療従事者のお話です。

ほんの僅かなミスが患者さんの生命に関係するということもあり、親御さんは常に緊張状態でお仕事をされていました。

そして仕事が終わり帰宅すると、まるで緊張感のない様子で過ごしている子どもがいます。

そんな子どもの姿を見て「社会に出るとこんな風には過ごせないのに、毎日こんな状態で大丈夫なのか・・・」と感じてしまい、子どもに学校の事や勉強の事、進路の事などを追及してしまうと振り返っておられました。

しかし子どもは、そういった話をされると何も答えずに自分の部屋に入ってしまうとの事でした。親御さんとしては、そうなるのが分かっているのに、つい言ってしまう時期があったそうです。

しかし、カウンセリングを続ける中で親御さんは、

「自分(親御さん)が感じている不安は、子どもが感じている不安とは無関係」

ということに気付いていかれました。

そして、子どもと建設的な関係を作っていくためには、ご自身の不安を子どもにぶつけるのではなく、子どもの不安を聞いてあげなくちゃダメだ、と思われたとの事でした。

上司と子どもが重なって・・・

また別の親御さんは、仕事の上司とのコミュニケーションに苛立ちを感じる事があるとのお話しがありました。

その上司を見ていると、仕事の段取りが悪く思えてしまったり、言っている事が以前と違っていたり、その度にしわ寄せがくるのが、その親御さんなのだそうです。

そういった状況から、家で子どもの様子をみたときに

  • 勉強が捗っていなかったり・・・
  • 段取り通りに物事が進んでいなかったり・・・
  • 言っている事がコロコロ変わったり・・・

そんな状態だと、「この子が、あの上司の様になってしまうのではないか(誰かに迷惑をかけてしまうのではないか)」という不安に駆られ、強めに注意してしまう、という事でした。

本当はそんな風に言いたい訳ではないのに、上司とこの子は全然違うって分かっているのに、反応してしまうご自身を何とかしたいともおっしゃっておりました。

この様に、相手の発言や行動の目的に関心を向けている様で、実は自分の体験や価値観に向いている事って当たり前の様にあります。

そんな時に、私が思い出すのは、「無知の知」という言葉です。

ご存知の方も大勢いらっしゃると思います。

自分は、相手の事を何も知らないし、分からない事だらけなので、分かったつもりにならない

という事です。

今回の事例の親御さんたちの様に、冷静に振り返って頂ければ

  • 子どもの話を聞いていなかったな!
  • 上司と子どもは全然ちがう!

という事に、まずは気付けるのではないでしょうか。

その事に気付ける事が、不登校支援においては、もっとも大事なことだと言っても過言ではありません。(・・・と私は思っています。)

最後までお読み頂きありがとうございました。

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