不登校解決を“家族だけ”で考えてはいけない理由!~外部機関を利用する意味とは~
こんにちは。不登校支援センターの横浜支部の庄子大貴です。
長い夏休みが明け、親御さんとしてもホッと肩を撫で下ろされている方もいらっしゃると思いますが、皆様、夏バテ等されていないでしょうか?
緊張状態が解けると一気に体に疲れが出やすくなるため、開放感があるほど体への負担が大きくなりやすい時期となっております。その為、適度な気分転換を図られながらお体をご自愛頂けると幸いです。
さて、「9月」は一番不登校の子どもが増えやすくなる月であり、子どもの精神状態が不安定になりやすい月になります。
私も不登校のクラスを持っていた高校担任時代の際に、夏休み明け1週間後に31人中23人が欠席したことを鮮明に覚えております。
夏休み前までは頑張れた子どもほど、夏休みが明けると同時に乱れやすく、学校関係者にとって9月は鬼門となっているのです。
今回のブログは、そんな長い休み明けだからこそ押さえておきたい
「不登校解決を“家族だけ”で考えるのは危険!?~外部機関を利用する意味とは~」
をテーマにお伝えしたいと思います。
子どもが学校に「行きたくないサイン」を出し始めに対する親御さんの傾向とは
子どもが不登校になる際は、必ず「学校に行きたくないサイン」を出し始めます。
例えば、
- 「学校嫌だ」「勉強嫌だ」「友達関係が上手く行かない」などの“学校ワード”を多く言い出す
- 夜のお風呂や歯磨きを渋り出す
- 次の日の準備をやりたがらない など
次の日や学校に繋がることを渋り出すとサインです。
そこでよく親御さんが行ってしまう対応方法は、方法論で解決を図ろうとすることです。
親御さんも忙しい毎日の中、余裕が無くなるときがあると思います。その様なときに子どもが上記の様な状態になるとイライラしてしまい、怒りの感情が出易くなることもあるかもしれません。
しかし、その気持ちを抑えながら、何としても子どもの悩みを解消してあげたいと思うのではないでしょうか?
その時に、
- 「それくらいたいしたこと無いでしょ?頑張りなさい」
- 「嫌なものから逃げてどうなるの?立派な大人になれないよ」「逃げ癖がつくぞ」
- 「お母さん、お父さんを困らせないで、ちゃんとして」
- 「勉強が嫌いなら塾に行く?」
- 「昔、私も学校が嫌いだったよ。でも、今になって行っておいて良かったと思う。だから学校行こうよ」
などの言葉掛けが多く聞かれます。親御さんとしては子どもを励ます為に使っている言葉だと思います。
しかし、サインを出している大半の子どもが求めていることは「今の自分の思いを聴いて欲しい」という気持ちです。
この気持ちを聴くために必要なことが「傾聴」になります。
「傾聴する」ことの意味とは?
「子どもの思いを聴く」と言われても親御さんとしては「十二分に聴いている」と思っている方は多いのではないでしょうか?しかし、親子のコミュニケーションはとれていても、子どもは不登校になるというケースも中にはあります。
実際にカウンセリングの際によく聴く言葉の中に「子どもとの会話は問題ありません」とおっしゃられる方がいらっしゃいます。しかし、よくよく話を聴くと「学校に関しての話になると言葉を濁します」と言われる方が多いです。
子どもの中には、学校に行かないことに対して親御さんに罪悪感を感じている場合があります。
その場合、不登校の問題解決に向けて足踏みしてしまい、そんな子どもの様子に親御さんとしてもどうしたら良いのかが分からなくなると思います。
その為、本当の意味での傾聴は「話を聴いてもらえて安心する場を作ること」になります。
「傾聴」するために必要なことは専門機関を利用することです
不登校の解決に大切なことは、大人が子どもの話を「傾聴」することです。
カウンセリングは当に「傾聴する」ことを醍醐味としておりますが、親御さんや学校の先生の中でも「傾聴された」経験を持っている方はあまり多くないのではないでしょうか?
その為、「子どもの話を傾聴すること」に必要なことは、
「大人が傾聴された経験を持つこと」
がとても必要になります。
9月、横浜市教育委員会に所属するSSW(スクールソーシャルワーカー)さんからご連絡があり、不登校支援センターにお越し頂く中で意見交換をさせて頂く機会がありました。その中で、
- 文部科学省でも推進されているがSSWの利用がまだまだ少ないこと
- 親御さんの不登校へのSOSは多いこと
- 外部機関との繋がりを拡げて行きたいこと など
を話し合うことが出来ました。特に、親御さんからは「どうすれば学校に行くことが出来るか?」という方法を聴かれることが多くあるそうです。
しかし、ここまでも述べさせてもらいましたが、「傾聴する」ことが何よりも大切になります。その為、SSWさんやSC(スクールカウンセラー)さん、専門機関でのカウンセリングを受けるということは親御さんにとっては「傾聴の仕方を学ぶ機会」だと捉えて頂けると有難いです。
また、子どもにとっては「話を聴いてくれる大人を増やす」ことで外への安心感を得られる機会だと捉えて頂ければと思います。
不登校解決に向けてのお願い
不登校解決に向けて大切なことは「家族だけで解決しようと思わないこと」です。
外部機関を上手く利用していただくことで、親御さんも子どもも着実に前に進めることが出来ます。
親御さんには子育て、学校は教育、とそれぞれに特化した役割が必ずありますが、当然全てを網羅することは出来ないと思います。その為、専門外の部分はその部分のプロから補って行くことで、早期解決が図れると思います。
私達、不登校支援センターは不登校支援のプロとして、ご家庭・学校・その他の機関と連携する中で、子ども達が自分の意志で社会に戻れる支援をさせて頂ければと思っています。
不登校解決に向けてのお願いは「まず、親御さんからその一歩を踏み出して頂きたい」ことです。
心よりお待ちしております。
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