夏休み明け「不登校かな?」と思った時に考えることとは?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
みなさん、夏休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。
世間では今年は9連休だったりするところもあったかと思います。
そんなお休みでも、いろいろすることがあったりして、休みらしい休みならない人もいれば、時間を持て余してしまい、あまりリフレッシュにもならなかったりする人もいます。
社会人のカウンセリングでは、「休みの使い方」がメンタルヘルスの鍵
社会人のカウンセリングでは、「休みの使い方」がメンタルヘルスの鍵になることもあります。
身体を休めるだけでは気持ちが休まらず、「会社行きたくないなぁ・・・」となることもあるのではないでしょうか。
どういう場合かというと・・・
- 休み前の仕事が片付いていない
- 苦手な上司がいるなど、人間関係が上手くいっていない
- 現在の業務内容が自分に合っておらず、今後もやっていけるのか不安を感じている 等
マイナスな感情を抱えたまま、問題解決ができていないときなどに起こります。
同じような状況でも、休みを過ごすことによって「よし、明日からまた頑張ろう!」となれる人もいます。
休み明けに
- 「会社行きたくないなぁ・・・」となる人
- 「明日からがんばろう!」となる人
この違いは、休みの過ごし方にも表れていることがあります。
これは「休みの過ごし方によってその後が変わる」というよりは、
「その人の性質と環境によって、休みの過ごし方に違いが出てしまう」
という方が近いかもしれません。
そしてそれは、学校に行けなくなる子どもたちにも同じようなことが言えます。
今回はこのことから、夏休み明けに登校できなくなった、もしくは行き渋りが見え始めた子どもに対して、どんな休みの過ごし方をしていたのかを確認するお話しになります。
子どもの休みの過ごし方はどうでしたか?
子どもは夏休み、どのように過ごしているように見えましたか?
- 一人で過ごすことが多かった
- ゲーム、動画鑑賞ばかりで、外出が全く無かった
- 家族や親戚以外の人とは会うことがなかった
- 同じ友人とばかり遊んでいた
- 学習はほとんどしていなかった
- 宿題はしっかりやっていた
- 塾や部活などの習い事には行っていた
- いつもできないことをしたり、行けないところに行ったりしていた
- ほとんど毎日誰かと遊んでいた
- ほとんど毎日課外や部活で学校に行っていた
- 大好きなイベント(お祭りなど)を楽しんでいた
などなど、様々な過ごし方があったと思います。
上記のような過ごし方について、「この過ごし方は問題がありますよ!」というわけではありません。
子ども自身が、何を目的としてその過ごし方をしていたのか?を知ることが大切なのです。
消極的理由での休養
例えば
- 「することが無いから」
- 「人に会いたくないから」
- 「外に出るのが嫌だから」
という消極的な理由で、家でゲームや動画鑑賞ばかりして過ごしているのであれば、体力的には楽で、休養になるかもしれません。しかし心理的な休養にはなっていないこともあります。
よく、「夏休みは穏やかに過ごしているが、登校日が近づくとイライラし始めたり、落ち込んでいったりした」ということがありますが、これが、そのパターンでもあります。
「学校に行きたくないなぁ・・・」となるほとんどの場合は、心理的な要因にあります。
つまり、心理的な休養が取れているかどうかがとても重要になります。
他にも「ほとんど毎日部活を頑張っていました。」「ほとんど毎日塾に行っていました。」などと、自己研鑽に勤しんでいる行動に見えていたとしても、
- 「周りの人に迷惑かけるわけにはいかないから」
- 「そうしないと文句を言われる(と思う)から」
などという思いが根本にあるとすれば、それは休んでいても、心理的には負担になっている毎日である可能性があります。
仕事を例にすると
今回のお盆休みは、土日と合わせて9連休が取れるにも関わらず、休日出勤をされた方もいらっしゃるかもしれません。私の知人にもそういう人はいました。休日出勤と聞くと、休養になっていないと思われるかと思います。
しかし場合によっては、その休日出勤が心理的な休養に繋がる可能性もあります。
例えば、8月末に納期の仕事があり、現状ではギリギリ間に合うだろう、という状況。それでも何か問題があれば、納期が危うくなる可能性もある・・・。
この状況から、その不安を抱えながら9連休取るよりも、
- 2日ほど前倒しで作業してから休みに入る方が、不安なく休みも取れる。
- 休み明けのことを考えたときに、休日出勤し仕事を進めておいた方が楽になる。
という考え方での休日出勤であれば、心理的にはより休養になる可能性が高いです。
また、人によっては「休日出勤してるときの方が、電話がかかってこないから仕事が捗る!」と言って、好んで休日出勤している人もいるかと思います。(ただ、この例は仕事の内容や職場環境によっては想像し難い話かもしれません・・・。)
働き方や残業時間などについては社会問題にもなっていますし、法令等でも制定されていますので、心理面での話をすることがとても難しいです。
気にしなければならない、重要なポイント
さて、子どもの夏休み過ごし方に話を戻します。
気にしなければならないことは、「夏休みの過ごし方を改める」ということでも「今後の休みの過ごし方を改める」ということでもありません。
まずは、「消極的な理由での過ごし方」しかできなかった状況について考えることが重要です。
- 環境による要因なのか
- 本人の性質から来るものなのか
それを見極め、「これからどうなっていけば心理的な休養がとれる休みの過ごし方ができるようになれるのか」を考える必要があります。
カウンセリングとは、その人がどのような思いでそのような行動をしているのかをその人自身が理解していくためのプロセスでもあります。そして、どのようなやり方がその人に合った改善方法なのかは分かりにくいことがほとんどです。
不登校問題の対応もそうですが、不登校について情報を得られる様々な本があり、ご自身でいろいろな知識を得て工夫している方もたくさんいらっしゃいます。しかし、残念ながらその本に記載されていることがご自身に合っているかどうかはわかりませんし、合ってない事例も多々あります。
もし、不登校対応で行き詰ってしまった方や、できるだけ遠回りはしたくない、と考えている方は是非不登校支援センターにご相談いただけたらと思います。
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