不登校解決現場レポート

自分の脳を上手に騙して使う方法とは?

こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。

夏休みも終わり、お住まいの地域によってはそろそろ新学期がスタートする時期ですね。

休み明けは動き難くなる時期です。皆さんも聞いたことがあると思います。

  • 夏休み明けは自殺者が一番増える
  • 夏休み明けから不登校になる 等

これは実際に起こることで、長期間の休みが続くと日常生活に戻り難くなる現象ですね。

休みの過ごし方で軽減できるのですが、今はもう休み明け。どんな過ごし方をしていても役に立つことを考えてきましょう。

行動の習慣化

そもそも、何故わたしたちは行動しようとすると抵抗感が出てしまうのでしょうか?

色々な要因がありますが、その中の一つに「行動の習慣化」というものがあります。

人間の行動の45%は習慣化されたもので構成されているという説があります。1日の活動の内、ほぼ半分は「いつもと同じこと」をして過ごしているということですね。

(ちなみに残りの30%は寝ている時間なので、25%ほどしかわたしたちは意識的に動いていないみたいです。)

ご自身の生活を振り返ってみて頂くと納得できるかもしれません。

例えば今日はどのように過ごしていましたか?

その中で「ほぼ毎日していること」はどのくらいあったでしょうか。

わたしは本を読むことが習慣化されているので、毎日必ずその時間があります。他にもスマートフォンを見る時間、パソコンを見る時間、ニュースを見る時間、などがあります。それらの行動は習慣化されているので、ほとんど意識せずに行っています

反対に「筋トレをしよう」とか「たまには料理をしてみよう」などの時は、意識的に「よし○○をやるぞ」と思い行動を開始します。この「よしやるぞ」という意識は脳の前頭葉という部分を使って行われるのですが、当然それにはエネルギーが必要です。

毎日やっていて習慣化されたことをするのと、そうでないことやるのでは使うエネルギーの量が違うんですね。※ここでいうエネルギーとはカロリーなどの物理的なものではなく、精神力など数値化が難しい部分のものです。

自分がより良い人生を送ろうと思ったとき、必要なことや望ましい行動は習慣化しておいたほうがいいんです。

何故ならそのほうが楽だから。

例えば、【勉強】で考えてみましょう。

習慣化してあれば、勉強するためにいちいち「さあやるぞ」なんてエネルギーを使わなくても済みます。当たり前のように必要なことをして、意識なんかしなくても終わらせることが出来るようになります。どう考えてもそのほうが楽ですよね。

ではどのように必要なことを習慣化させていけば良いのでしょうか?

脳を騙して習慣化させてしまおう

人間の脳というのはそもそも大きく変化するのを嫌います。

これは脳がそういう風に出来ているから、という機能的な問題なので、程度の差はあれ誰でもそうなんです。進化の過程でそうなったみたいですね。生存競争的にはこのほうが好都合だったようです。

ですが、現代社会ではそれがちょっと邪魔になる・・・。

なにせ変化のスピードが速いですから、それに合わせて自分も適応できるようにならないと大変ですよね。

この脳の機能を考えると、やり方はシンプルになってきます。

大きな変化を嫌うのであれば小さな変化を積み重ねていこう、ということです。

ご存知の方もいると思いますが、茹でカエル現象というものがあります。

『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』

有名な話なのでお聞きになったことはあるかもしれません。※実は本当にこれをやると熱くなってきたらカエルは暴れだして大変なことになります。あくまで比喩表現ですね。

これは知覚出来ないことの悪い例として挙げていますが、この機能を逆手にとって脳を騙してあげると良いのです。

  • 学校に行く
  • 勉強をする
  • 運動をする
  • 引きこもらず行動する

例えばこんなことを習慣化しようとした時です。

いきなり大きな変化をすると脳が抵抗してきます。それに逆らって行動することも出来ますが、それには大きなエネルギーが必要なので継続するのが大変です。もちろん出来ないとは言いませんが、難しいと言えます。

茹でカエルのように、最初はいつもと同じくらいの状態から徐々に変化させていく。

徐々に変化をさせていくことによって脳を騙すのです。

ゆっくりとした変化によって「それを行うのがいつもの習慣だった」と勘違いさせていくのですね。

習慣化してしまえばそれを行うことに抵抗感は減りますので継続しやすくなってきます。

多くの人はいきなり大きな変化をさせようとして失敗してしまうんですね。

習慣化が出来ていれば疲れていようが、やる気が出ないときだろうが、状況に関係なく行動できます。

何故かと言うと、そんな時ほど人は習慣化された行動を取るからです。疲れているときは頭を使いたくないんです。頭を使わずに出来る行動は、習慣化された無意識的な行動ですので、勝手にそれをすることになるんですね。

これから受験シーズンも本格化してきます。勉強の習慣がない人はそれを取り入れるのもいいかもしれません。

終わりに

不登校の子たちもそれぞれに課題を持っていると思います。

  • 人付き合い
  • 昼夜逆転
  • 時間管理 等

課題は人によって違うでしょう。

ただ改善するための行動を取れるようになる為に、習慣化は有効な手段の一つです。

具体的にどのようにやっていけばいいのか、というのは書ききれませんので、直接カウンセラーへご相談ください。その子に合ったやり方を検討して行きたいと思います。

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