夏休み明けからの登校に備えて
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
夏休みはいかがお過ごしでしょうか。私自身の子どものころの記憶では、どこかへ遊びにいったということもなく、ただひたすらゲームをしていた記憶しかないです。
子どものころは長く感じていた夏休みも、大人になるとあっという間に感じてしまいますね。
私の感覚で、「早く宿題とりかからないと、終わらないんじゃない?」と伝えても、子どもたちの感覚では「まだあわてるような時間じゃない。」といった感覚なのでしょう。
とはいえ、子どもの感覚に合わせていても解決しないのが不登校問題でもあります。
2学期からの登校に向けて必要な準備とは
2学期に向けて、親御様の方でしておいて欲しい準備があります。
それは、
- 子どもの状態の確認
- 登校の目的の確認
- 登校後のフォローの確認
の3つです。それぞれについて、詳しく説明していきたいと思います。
1.子どもの状態の確認
まずは、子どもが「学校に行ける状態なのか?」の判断を客観的にする必要があります。
例えば、子どもが熱を出して学校を休んだのであれば、熱を測り、平熱になったかどうかを客観的にみて登校の可否を決めることがあると思います。
不登校についても、同じように客観的な判断があると、スムーズに登校を促すことができます。
逆に、登校が難しい状態のときに登校を促してしまうと、子どもの負担になるどころか、親子関係にも支障が出てしまいます。悪化する関わり方はできるだけ避けていきたいところです。
2.登校の目的の確認
本来目的など持たず、何も考えずに登校するのが多くの人たちの学校生活だと思います。
しかし、学校に行かないという行動をしている子どもにとっては、それだと学校に行ったとしても
- 「きつかった」
- 「辛かった」
- 「面白くなかった」
などの感情しか持てない可能性があります。
そのようなマイナスの感情を持っていたとしても、「登校して良かった」と思えるような目的達成ができるようになれたらと思います。
よく「教室にいけないのなら、保健室や別室登校はどう?」と促し、保健室や別室に登校させることもあると思います。
しかし、これはたとえ保健室や別室登校を実行できても何の達成感も得られないケースもあるので注意が必要です。次第に保健室や別室にも行けなくなることがあるのです。そして、その経験により「別室、保健室に行っても無駄だ」という考え方になってしまい、後の登校トレーニングの手段が減ってしまうこともあります。
「何のために登校するのか」をしっかり考えておくことで、達成後の肯定評価もしやすく、本人の自信にもなりやすいです。
3.登校後のフォローの確認
実際に登校できたとしても、子どもたちにとっては「一生懸命頑張って登校した」というギリギリ行けたという感覚である可能性もあります。
このときに、「良かった!今日は学校に行けたね。次からも頑張ろうね。」と声かけをしてしまうと、「もうこれ以上は頑張れない・・・」となってしまうこともあります。
子どもがどのような気持ちで登校し、一日を経て、どのような状態になっているのか。
しっかりと見極める必要があります。
また、たとえ登校できたとしても、連日の登校は難しい子どももいます。その子にあったペースで登校していく必要があります。
そして、このときも注意することがあります。
それは先ほど「2.登校の目的の確認」でもお話した、登校する目的です。
何の目的も持たず、行ったり行かなかったりを続けていても、「やっても無駄だった」という感覚になることがあり、学校にまったく行かなくなることもあります。
もし、子どもが登校できた場合は、そのときの様子を見極め、今後どのようにして登校していくのかをしっかりと考えて、子どもが「できそう」と思えるように進めていきましょう。
また、子どもが行く気はあるけれど行けないという可能性もあります。
行けなかったとき、子どもは不安と罪悪感、失望感でいっぱいになってしまうことも考えられますよね。
そうなったとき、どのように声をかけてあげれば良いのか、しっかり考えておくと当日スムーズに対応できます。
声かけの具体例は子どもの性質にもよりますが、
子どもが「もう駄目だ」と思わず、「また頑張ろう」と思えるような声かけ
を考えてもらえたらと思います。
まとめ
2学期に向けての準備として、
- 子どもの状態の確認
- 登校の目的の確認
- 登校後のフォローの確認
の3つについて説明させていただきました。不登校支援センターのカウンセリングでは、これらのことを親御様と相談しながら進めていくこともあります。
- 子どもの状態の見方
- 子どもに合った登校の目的の持たせ方
- 登校後のフォローにおける子どもに合ったフォローの声かけの仕方 等
子どもの性質を一緒に考えていきながら、登校へ向けた準備をしております。
不登校支援センターのカウンセリングが、親御様のみでの来訪でもカウンセリングを進めていけるのは、こういったサポート方法を適宜考え、共有していくことができるためです。
特に「子どもに対してつい感情的になってしまう。感情的になって、してはいけない対応をしてしまう・・・」という親御様からは、「対応方法を知ることで、感情的になることが減りました」と、落ち着いて対応できるようになったという声お聞きすることがあります。
子どもにあった適切な対応方法を知ることで、親子ともに穏やかになっていくこともあるようです。
子どもに対して、
- 「どう接したら良いかわからない」
- 「つい感情的になってしまう」
- 「今の接し方が合っているのかが不安」
などの心配は不安がある方は、是非不登校支援センターにご相談ください。
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