【専門家が解説】不登校支援におけるイメージトレーニングの重要性とは?
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
突然ですが、目の前に梅干しがあることをイメージしてみてください。
すると・・・口の中から少し唾液が出てきた人もいるのではないでしょうか?もしそうだとしたら、これは頭の中で「梅干し」=「酸っぱい」という連想が起こり、その結果、条件反射のような形で体が自然と反応している状態と言えます。
心の中に思い浮かぶ姿や情景などを指す「イメージ」という言葉ですが、子どもの不登校にこういった「イメージ」が関わることは比較的多いようです。
どういうことかというと、
- 教室で嫌なことが起きるのではないか
- 勉強してもいい成績を残せないのではないか
- 学校への道中でクラスメイトに遭遇して変な目で見られるのではないか などなど・・・
不登校の子どもはマイナスのイメージを思い浮かべる事が多く、それらもあいまって頭痛や腹痛などの身体症状につながったり、学校への足を遠ざけるケースは少なくありません。
ではこういったマイナスのイメージに対してはどのようなアプローチが有効かというと、2つあげられるかと思います。
①マイナスのイメージを持つに至った経緯を考えてみる
イメージ、さらには「思い込み」というものは・・・
過去に起きた出来事のインパクトの大きさや回数の多さから作られる事が多いと言えます。
例えば、犬に吠えられてとても怖い思いをしたということが何度も何度も起きていると「犬=怖い」というイメージや思い込みが成り立ちやすいということになります。
ですのでまず、
- 学校や勉強、人間関係などにおいて過去にどのような出来事があったのか
- そのインパクトや回数について
これらをしっかり把握すると、今のイメージの「成り立ち」のようなものが見えてくるかもしれません。
そして、子どもの気持ちへの「共感」(つまり、「それだけの思いをしてきているとしたら、辛くなったり、マイナスのイメージを持つことも当然かもしれないね」というような思い)にもつながる可能性が増えてきます。
ポイントは、マイナスのイメージを否定しない、すぐに「こういう風にポジティブに考えようよ」と持っていかないことです。
子どもへの共感を高めることで、親子関係のさらなる向上にもつながっていくことでしょう。
②「もしもこうだったら」と、うまくいくイメージの練習をする
無理やりに「ポジディブに考えさせよう」とするのではなく、
- 過去の体験について「もしもあの時こうだったらよかったのに」
- 未来に起こることについて「あんなことが起こればいいのにな」
という「もしも」のイメージを浮かべられるように練習をさせてあげることが大切です。
例えば・・・
「もしもみんなと仲良く話せて、クラスに居場所を感じられていたらなぁ」
「学校に行く最中も、堂々と歩いて行けたらなぁ」
などを思い浮かべるような練習です。
そのために親御さんをはじめ、周囲の人からは
「本当はどんなことが起きたらいいと思う?(よかったと思う?)」
と投げかけていってあげることが有効といえるでしょう。
良いイメージは未来を切り拓く鍵
いきなり良いイメージはを思い浮かべることは難しいことですが、まずはそういう時間を増やしていくことが大切かと思います。
良いイメージを浮かべることは、本人が望む未来を切り拓いていく鍵にもなります。
ですので、親御さんとの会話やカウンセリングの中でも取り入れていけると大きな効果につながると言えそうです。
ただ、実践となると難しい部分があるとも思いますので、お気軽にカウンセラーにもご相談くださいね。
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