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子ども対象とした心理療法(カウンセリング)のプレイセラピー(遊戯療法)とは?

こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。

最近本当に暑く、外に出ることが億劫になってまいりました。寝苦しい日も続いておりますので、ご体調崩されないようにしてくださいね。

さて今回は、初回面談で親御さんからよくお聞きする、不安になられていることについてお話させていただきたいと思います。それは、「うちの子話さないからカウンセリングに連れてきても意味ないですよね・・・」といいうこと。皆さんはまず「カウンセリング」と聞いて何を思い浮かべますでしょうか。

「カウンセリング」=「話をするところ」もしくは「話を聞いてもらうところ」

というような印象を抱いているかもしれません。

そのような印象をお持ちの場合、確かに、

「話さない」=「カウンセリングに来ても意味がない」

と思ってしまい、カウンセリングから足が遠のいてしまうかもしれませんね。

しかし、本日お話したいことは、話さない子どもでも大丈夫!話さなくてもカウンセリングはできます!ということです。

話さないカウンセリング。プレイセラピー(遊戯療法)ってご存知ですか?

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、プレイセラピー(遊戯療法)について少しご説明させていただきますね^^

プレイセラピー(遊戯療法)とは、子ども対象とした心理療法(カウンセリング)の一つのことを指します。

自分の気持ちを言葉で表現することが苦手な子どもにとって、遊びは大人の言語に代わる役割を果たし、子どもは遊びを通して自分の気持ちを表現することができるのです。

安心できる環境にて、自分の気持ちを表現し、それを受け入れてもらうという体験を重ねていくことによって、

  • 子どもは自らの問題に気づき、取り組み、乗り越えていける。
  • プレイセラピーを通して子どもは本来の能力を発揮し、成長できる。

こんな効果が期待されるのです。

私も中学のときに誰にも言えないもやもや感があった際に、思うがままに絵を描いていました。そうすることによって気持ちを落ち着けていました。また自分の世界を作ることによって居場所がそこにあるような感じがし、安心出来たのを今でも覚えています。

「遊び 子ども イラスト フリー」の画像検索結果

実際に、カウンセリングでも自分の気持ちを言語化することが苦手な子どもは多いです。

むしろ言語化できないからこそ苦しみ、それが「不登校」という行動として現れていることが多いと感じます。

  • 言語化が苦手
  • 人との距離のとり方が苦手
  • 何を話せばいいのか分からず不安感を抱いている
  • 恐怖心や抵抗感、警戒心などを感じている

そんな子どもには・・・

まずは安心して自分を表現してもらうことが大切になってきます。

私が担当した中1の女の子Aちゃんとのプレイセラピーのお話です。

Aちゃんは当初なかなか話をしてくれない子でした。こちらの質問に対しても積極的に答えようという感じではありません。「○○はどんな感じだったの~?」と具体的な質問を聞いても、首を縦に振るか横に振るかで答えるような子でした。

警戒心が高く、こちらの様子を常に伺っているようでした。また、自分の内面の感情を表に出すことが同時に苦手な子だと感じました。

そんなある日のカウンセリングの時間、「ゲームをしよう」という話しになりAちゃんにゲームを選んでもらいました。Aちゃんが選んだのは、『Wii Party』でした。このゲームはご存知の方もいらっしゃると思うのですが、ミニゲームが多くあり、協力プレイをしたり、対戦もできるゲームです。

Aちゃんとは何度も一緒にWii Partyをしました。私はとってもとってもゲームが下手なので、いつもAちゃんが助けてくれたり、Aちゃんが勝ったりということを繰り返していました。

その度に私は

  • 「あー!!悔しい!!」と自分の感情を言葉で表現
  • 「Aちゃん、助けてくれてありがとう!」
  • 「操作方法が分からないから教えて~!」

などの声かけをおこなっていきました。

するとAちゃんもだんだん「これはこうしてこうだよ」「こうした方が勝ちやすいよ」と説明をしてくれたり、アドバイスをしてくれるようになりました。

そして、Aちゃんは「家でもこういうゲームしてたんだ。お父さんと一緒にしていたけどそのときにコツがわかったんだよね。それでそのときお母さんが○○○で・・・」と具体的に家族の話や家での話をしてくれるようになったのです。

その後も何度かに渡ってカウンセリングの中でゲームをしていると、次第にAちゃんは自分からこのゲームをしたい、というようにだんだんと自主的な発言が出てくるようになりました。

そしてある日Aちゃんが突然、Wii Partyのミニゲームの1つである、相性チェックのゲームをしようと誘ってきてくれたのです。このミニゲームはお題の質問があり、その質問に対しての選択肢をお互いが選んでいき、最終的にどの回答を選んだのかの一致率で相性をはかるというものでした。

相性チェックの結果・・・なんとAちゃんと私は相性が 96% と、かなりよかったのです!

Aちゃんは結果を見るなり、今までにない笑顔で、ハイタッチをしてきてくれました。

それからというもののゲームをしようとAちゃんが言うことはなく、ゲームをしなくてもカウンセリング内で積極的に話すようになりました。

  • 自分の思い
  • どんな風に感じているか

についても徐々に言葉になってでてくるようになりました。

共同作業が生み出したAちゃんの変化

先ほどもお話したように、Aちゃんはとても警戒心が強く、自分の思いを言語化することが苦手な子でした。

おそらくAちゃんは、ゲームをすることによってだんだん自分の気持ちを表現することができるようになったのだと思います。

また、カウンセラーはどんな人なんだろうかと警戒していた部分も、相性チェックによって、「考え方が近い人なんだ」という安心感に変化したことによって、カウンセリング内でも自分を表現できるようになっていったのだと思います。

ゲームだけではなく、その他にも一緒に絵を描く、一緒になにかを作るというように、

  • 「共同でなにかをする」
  • 「その場の雰囲気を共有する」、

それだけで充分にカウンセリングは進みます。

なぜなら、共同でなにかをすることや同じ「場」を体験することは、非言語的な部分で、相手を受容することができるからです。

「カウンセリング」=「話を聞いてもらうところ」というイメージが強いかもしれませんが、私は、

「カウンセリング」=「その場の空気感も含めて全てを受容するところ」

だと思っています。

「うちの子あまりしゃべられないからカウンセリングなんて意味がないのでは・・・」と悩まれている親御さんは1人で悩まずに、ぜひ一度初回無料面談にお越しくださいね。

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