お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート子供の心理学

知らないと危険!?夏休みまでに考えておかなければならないこととは?

皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。

あっと言う間に夏休みですね。子どものときはあんなに楽しみだった夏休みですが、今は「夏休みとは?」という感じです。業務に休暇はあっても、家庭の行事を詰め込んで過ごす時間になってしまいます。

この時期になってくると、不登校問題の中でよく言葉として出てくるものが

「すぐに夏休みだし、少し早いけどゆっくりさせても良いかな、と思います。」

というような言葉です。

確かに、このゆとりを持つ考え方は大事です!

しかし、気をつけなければならないことが2点あります。今回はそれについてお話ししていきたいと思います。

子ども自身は何を望んでいるのか?

親御様からみると、子どもが辛そうに見えるので、少し早く夏休みを・・・、そして新学期から切り替えることができたら、と考えることもあるでしょう。

その結果、「今は休んで、2学期から頑張れば良いんじゃない?」などと声をかけてしまう。これが子どもにとってプラスに働くこともありますが、マイナスに働くケースもあります。

それは、子ども自身が「1学期中に登校できるようになりたい!」とまだ諦めていない場合です。

諦めていない子どもは、何とかしようと悩み、苦しみます。そして、それが親御様から見ると辛そうに見えたりもします。まだ踏ん張ろうとしている子どもに対して、親御様がストップをかけると、「そこまでして頑張ることではないのか。」というような認識になることもあります。

結果、「辛かったら休む」という行動傾向になり、後々には

  • 「辛かったら辞める」
  • 「辛かったら避ける」

という行動となることもあります。もちろん、その行動傾向自体が悪いというわけではありません。多くの親御様が子どもに対して「辛いことに負けず、自分らしく生きて欲しい」と望まれているかと思います。「辛かったら辞める」「辛かったら避ける」という行動傾向にあることが「自分らしく」と言えば、そうかもしれません。

しかし、その行動傾向が、その子にとってプラスになるのか。そこまでしっかり考えてから、関わり方を選択していかなければ後悔してしまうことになるかもしれません。

休むことで解決できる問題なのか?

気をつけなければならないことの2点目は、「休む=解決」になるかということです。

例えば、お仕事をされている親御様について考えてみましょう。

【仕事で大きなトラブルが発生したとき】

そのトラブルを解決しなければならないが、どうしても解決の糸口が見つからず、頼れる人もいない。そのストレスに押しつぶされそうになってしまい、辛くなってつい休んでしまった・・・。

しかし、休めば休むほど、仕事は積み重なっていき、余計に仕事に行くのが辛くなってしまうのではないでしょうか。

【どうしても苦手な上司がいたとき】

その人と毎日顔を合わせるの苦痛で仕方が無い。顔を合わせたくなくて、休みがちになってしまう・・・。

休んでいる間は顔を合わせることないので、落ちついて過ごすことができ、「よし、頑張ろう」となっていけるかもしれません。そうなってまた仕事に行くことができるようになりますが、結局状況は変わらないままですよね。その為、そのうちまた同じように仕事に行けなくなってしまいます。

これが、2・3回続いてしまうと、「休んでも同じだ」という意識が芽生えてきてしまい、より辛く感じるようになってしまうこともあります。

仕事で例えてみましたが、これを学校に置き換えると

  • 勉強、試験、宿題
  • 学校行事
  • 友人、クラスメイト、先生との人間関係
  • 進路

など、学校生活の様々なことで苦手意識やトラブルなどが発生することもあると思います。

休むことで、「よし、また頑張って学校に行こう」とはなれるかもしれません。しかし、それは根本的な解決になっていないことがほとんどです。

その場合、五月雨登校と言われるような、学校に行ったり行かなかったりという生活になっていくこともあり、それが長期で続くと、行く頻度が減ったり、行かない日が長く続いたりします。

この状態で夏休みに入ってしまうと、夏休みが「学校に行かない日」なだけになってしまう可能性があります。

そうなってしまうことは、日数を考えてもあまりにももったい無いと思います。

夏休みに向けて意識すること

「休ませる」か、「頑張らせる」か、とうことではなく、解決に向けて、「何をするか?」になります。

  • 子どもにとって根本解決につながるためには何をすべきなのか?
  • それを実行するためにはどんな手段・環境が必要なのか?

を考えていくことが大切です。

その手段・環境として、「夏休みを待たず休ませる」ということになることは、事例としても多くあります。

冒頭で述べた、「すぐに夏休みだし、少し早いけどゆっくりさせても良いかな、と思います。」という言葉、これ自体は問題ありませんが、その裏にどんな思いがあるかで、夏休み後の行動が大きく変わります。

そして、長い目でみたとき、そのときの過ごし方が2年後、3年後、5年後、10年後・・・いろんな影響を与えることもできるでしょう。

本やネットの記事などを読むと、当たり前に感じるようなことがたくさんあり、自身でも納得することもあると思います。しかし、その言葉の裏の状況までしっかりと見極めなければ、「やっても効果が無かった」という結果になってしまうかもしれません。

不登校問題は、しっかりと向き合っていく必要があると私は考えています。

しかし、それを親御様だけでやるにとても負担になることもあると思います。そう感じるときは、是非専門の機関にご相談ください。

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