どうして大型連休明けは、学校を休みがち? ~認知論から対応を考える~③
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
さて今回は、「自分の身を守る事に一生懸命にならなくても良い環境作り」について、もう少しお伝えしていきたいと思います。
幸せの3条件
皆さんは、こんな言葉をどこかで聞いたり、目にしたりした事はございますか?
アドラー心理学では、人が幸せに過ごす為に必要な3つの要素をこのように呼んでいます。
1.自己受容
(そのままの自分を受け入れていること)
2.他者信頼
(相手を信頼できる対象と思えること)
3.貢献感
(人の役に立てると思えること)
この1つ1つが満たされていくと、自己肯定感が高まり、自分に価値を見出せると言われています。
『自分に価値があると思える時だけ、勇気を持てる』
やるべき事をやれない状態を、「さぼり」だと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、アドラー心理学では「勇気がくじかれている」と考えます。
- 何事にも真面目に取り組む自分でいたい
- 一つのミスもなく完璧にやり遂げたい
- 誰からも愛される自分でいたい
- 皆から尊敬される人になりたい
など、たくさんの「本当は、こうしたい!」があるのに ・・・いざやると、思う様にできない・・・。
- 「こんな事できるんだ!すごいね!」
- 「あなたのこんな所、素敵だよね!」
- 「いつもありがとうね!」
- 「あなたのおかげだよ!」
と褒められたり、感謝されたりしたいのに、
- 「こんな事もできないの?」
- 「もっとこうしたら?」
- 「そういう風に考えるのやめなさい」
- 「いつもあなたはそうじゃないの」
などと否定されたと感じてしまうと、
相手から信頼されていない (相手を信頼できない)
人の役に立っていない
という思いが重なり、「ありのままの自分」を受け入れられなくなり、勇気をくじかれてしまいます。
他者信頼が満たされる時とは?
それは、何かをしたからではなく、無条件で他者にも自分にもOKと思える時です。
それについて、エリクソンという心理学者は「基本的信頼(basic trust)」という考えを提唱しており、その中で次の様に言っております。
『子どもは養育者との基本的信頼を通して、
- この世界は良いところだ(怖い事ばかりではない)
- 他者は信頼できる(嫌な人ばかりではない)
- 自分は愛されている(ありのままの自分で良いのだ)
という事を認識していく』
自分が無条件に受け入れられる事を通して、相手を無条件に受け入れる様になるのですね。
「信用」と「信頼」
「信用」と「信頼」という言葉がございますが、この2つの言葉の違いを皆さんはどの様に考えますか?
不登校支援センターでは、
『信用とは、条件付きで人を信じること。信頼とは、無条件で人を信じること。』
と考えております。
「何かをしたから承認される」という条件つきでの人間関係では、ギブ&テイクで見返りを求めてしまいます。
例えば、「ほめて欲しくて何かをする子」は、ほめてもらえないと相手にネガティブな感情を抱いたりします。
このように相手にネガティブな感情を抱いてしまう人は、自分も条件付きでしか承認できないですし、相手も条件付きでしか承認できなくなってしまいます。
まずは一番身近な親御さんから「信頼」される事で、他者の事も「信頼」できる対象と思えるのです。
信頼を築くために今できる事とは?
・・・とは言っても、「相手を無条件で受け入れる」とはそんなに簡単な事ではないはずです。
ですので、気持ちや感情を吐き出しつつ、悩み迷う事もあるかも知れませんが、今できるベストな事を一緒に考えていきましょう。
不登校もそうですが、信頼関係作りに特効薬や必殺技があるわけではありません。
「積小為大」で、小さな事の積み重ねが、少しずつ大きくなっていくのです。
では詳しくはまた次回お伝えしていきますね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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