【事例付】ゲームやインターネットは不登校の味方なのか?
こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
学校はもう間もなく夏休みを迎えようとしており、親御さんとしては子どもの夏休みの過ごし方について色々と考えさせられることがある時期かもしれません。
今回はそんな夏休みの過ごし方の中でも、特に多くよせられる心配事の一つ、
「ゲームやインターネットとの関わり方」
について、とある側面から(味方につけるという側面から)事例を通してお伝えしていこうかと思います。
ゲームやインターネットをして過ごす日々
子どもが学校に行かないでゲームやインターネットばかりして過ごしているという光景を目の当たりにし、不安や怒りを感じられる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
- ゲームばかりやっていて、この子の将来大丈夫かしら
- ゲーム依存症なのではないか?
- そんな事やっている暇があるなら、少しは学校のことを考えてほしい
と、親御さんも本当に胸が締め付けられるような思いを持たれることもあるでしょう。
確かに何も考えずにゲームだけをやっている状態のままでは、その状態に安定してしまい、ただただ時間だけが流れていくということにもなりかねません。
かといってゲームやパソコンを取り上げるというのも親子関係に「溝」を作ってしまい、余計に学校に行きたがらなくなるということも場合によっては出てきます。
こういった場合の対応に悩まれている親御さんも多く、カウンセリングの中でもご相談をいただくケースは多いです。
そこで今回は、ゲームやインターネットを味方につけて、外出や復学に結びついた事例をいくつかご紹介したいと思います。
事例①:『大乱闘スマッシュブラザーズ』をきっかけに外出に成功!
子どもたちの間でも大人気の格闘型対戦ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」をご存知でしょうか。(スマブラの愛称でおなじみです)
ずっと家に引きこもっていたとある男の子は、このスマブラを一つのきっかけに外出することに成功していきました。
この男の子はスマブラが大変うまく、家でもかなりの練習を行っていました。はじめはカウンセラーと対戦し、勝ち続けることで少しずつ自分の強さにも自覚が出てきたようです。
ある日その男の子は「インターネット上の誰かとも対戦してみたい」と思い立ち、インターネット上の人たちと対戦をするようになりました。するとそこでも勝ち越すことができ、自分の強さに手応えを感じるようになっていきます。
「自分は人に自慢できるくらい、スマブラなら自信があるぞ」
そんな風に、ゲームをとおして自己肯定感を養っていったのです。
そして今度は、「スマブラが好きな人ともっともっと対戦してみたい」と、インターネット上だけではなく、現実の外の世界にも興味を持ち始めました。そして男の子は実際に開かれたゲームの大会にも出場することが出来たのです。そこでは実際にスマブラで対戦したり、ゲームに関する談義をしたりと、人とのつながりを感じる場面に遭遇していきました。
このような経緯のもと、今この男の子は外出の機会を極力増やすことを目標として、学校で授業を受けることにもトライしようと奮闘しています。
事例②:Twitterで心が楽に!復学に成功!
スマホを使ってネットを見ている子の中にはTwitterで情報収集したり、自身とつながっているフォロワーさんとやり取りしたりする子もいます。
とある女の子は、教室の中ではなかなか会話をすることが出来ず、学校を休みがちでした。
ただ、最近始めたTwitterで趣味の合うフォロワーさんとつながり、そこでの会話が出来るようになりました。他愛のない会話だったそうですが、Twitter上で同じ趣味を共有出来たことでとても心が軽くなったそうです。
「心が軽くなったら、少しずつ学校の事を考えられる余裕が出てきた」
カウンセリングの中ではこんな風に言ってくれていました。
Twitterが直接復学に結びついたわけではありませんが、Twitter上で会話が出来たことで心が軽くなり、他のこと、つまり学校のことを考えられる余裕が生まれ、学校での自身の立ち振る舞いについて考えることが出来たというケースです。
この女の子とはその後のカウンセリングの中で、復学のプロセスについて話し合い、今では毎日登校が出来るようになっています。
ゲームやインターネットも使い方次第
上記、簡略的な事例ではありますが、ゲームやインターネットをひとつのきっかけに、外出や復学につながったケースとなります。他にも様々な事例があるため別の機会にご紹介したいと思います。
すなわち、ゲームやインターネットも使い方次第では、不登校の味方にもなりえます。
しかし一方で、ゲームやインターネットのやり過ぎや「今の状態を長く続けるため」にやっている場合は、少し危険信号と言えるかもしれません。ゲーム使い方の工夫や目的意識をもった進め方を推奨したいところです。
親御さんとしての対応に迷われる場合は、カウンセラーにもご相談いただき、共に子どもへの対応について考えてまいりましょう。
それでは本日はこの辺で。
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