【子どもの心の準備に対する援助】小児医療で行われている「プレパレーション」とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は、医療現場でよく用いられる「プレパレーション」という言葉を参考にしながら、
不登校の状態にある子どもに心理支援をする際の【子どもの心の準備に対する援助】について考えたいと思います。
医療現場でよく用いられる「プレパレーション」とは?
プレパレーションとは、子どもに対して心理的準備ができるように援助することです。
プレパレーションを実践する上で大切なことは、
- 子ども自身の発達段階を理解する。
- 子どもの素直な気持ちや本音をこちらからの関わりによって主張できるようにする。
これらが大切です。
例えば、お医者さんや看護師さんは、子ども自身が可能な範囲で意思決定できるように、小児の理解に沿った説明をする意識されているそうです。
やはりそれをするために必要なことは、子どもの発達段階を理解することだと言われています。
不登校支援で大切なことも、子どもの状態や段階を理解することです
お医者さんが行う、子どもの発達段階を理解した上でのプレパレーションのポイントとしては、
まず子ども感情の表出を促すことが大切である
・・・としており、これは不登校支援のカウンセリングでも全く同様のことを重要視しています。
では、子どもがカウンセラーに対して素直な感情を表現してもらうためにはどのように関わればいいのでしょうか?
そこで意識するべき大切なことは・・・
子ども自身が今どのような気持ちなのか?をたくさん想像することです。
不安なのか、恐いのか、辛いのか、隠れたいのか、投げ出したいのか、無気力なのか、葛藤しているのか等々、子ども自身の素直な気持ちを親御さんがたくさん想像し、考えてあげることが大切です。
そのためには、親御さんが子どもの気持ちを否定せず、共感的・受容的に関わることです。
それが出来ているからこそ、次の重要なステップとして、子どもに情報の提供をすることができます。
子どもに情報を適切に提供をするには、プレパレーションの考え方が必要
現在、子ども自身が感じ考えているであろう事を引き出して、
- どうして学校は必要なのか?
- どうして勉強はするのか?
- どんな目的で学校へ行くのか? 等
これらについて親御さんと一緒に考えていくことが出来るようにするには、子どもの感情を理解することが大切です。
医療と心理支援との違いは、医療は治療方針はお医者さんが立てられますが、心理支援においては、
「子どもの問題は子ども自身が解決するべき問題であり、カウンセラーが解決してはならない。子どもが自ら気づき、考え、行動していくには、子どもには自分でその問題を解決(改善)していく力があることを信じることが大切である。」
という考えがあります。
そして、医療のプレパレーションにおける情報提供ポイントは以下が挙げられます
1.何が今から行われようとしているのか
2.なぜ行われるのか
3.その結果どうなるのか
4.治療による利益とリスクは何があるのか
5.その他の選択肢は何があるのか
6.何もしないとどうなるのか
これらは、問題の把握をお医者さんが行う医療においては必要不可欠ですが、心理支援において気をつけたいことは、親御さんやカウンセラーの「主観」によって、メリットとリスクを判断するべきではないということです。
何がメリットで何がデメリット(リスク)になるのかを、適切な関係と良好なコミュニケーションの中で「適切な情報」として与えていくことが、子ども自身が自分の問題を解決していくことに繋がります。
皆さんも、自分の主観でメリット・デメリットを子どもに伝えることをしているのではないか?など、一度振り返る機会にしてもらえたらと思います。
関連ワード: 不登校支援センター大阪支部 , 周りがしてあげられること , 客観視 , 心の準備 , 意思決定 , 感情表出 , 感情表現 , 接し方 , 関わり方