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【専門家が解説】8050問題って何?「大人がひきこもり」になる理由とは?

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の庄子大貴です。

ゴールデンウィークの長い休みの影響で、休み明けは中々エンジンが掛からない方もいらっしゃったかと思いますが、皆様如何お過ごしでしょうか?

「学校に行きたくない」「会社に行きたくない」と思ってしまい易い時期ではあると思いますし、それを聞かされている方も多いのでは無いでしょうか?

また、この梅雨の時期は、天気が気分を左右することもありますよね。私もこの時期のモチベーションを維持することに難しさを感じております。

さて、今回は「ひきこもり」についてお伝えしたいと思います。

特に、昨今ニュースにも取り上げられている「大人のひきこもり」に関しても交えながらお話したいと思います。

「大人のひきこもり」と「子どものひきこもり」はどちらが多いでしょうか?

皆さんは「8050問題」という言葉をご存知でしょうか?

最近、この言葉が広まり出していると思いますが、「50代の子ども、80代の親」という状況で、子どもがひきこもりになり年金生活の親が子どもの世話をしている問題のことを指しています。

内閣府の最近の調査によると、40歳以上の大人のひきこもりと中学生以上のひきこもりは

40~64歳のひきこもり 推計61万3000人

15~34歳のひきこもり 推計54万1000人(4年前)

実際にこれだけの人がひきこもりとしていらっしゃるそうです。

つまり、40歳以上の大人のひきこもりの方が多く居る現状であると共に、合わせると日本国内に110万人以上の方がひきこもりの状態だと言えます。当然、この方達は学校や会社に行くことも出来ていない状況ですし、社会復帰も難しい状況だと言えます。

では、この大人のひきこもりはどの様な原因で起こりうるのでしょうか?

「大人のひきこもり」の原因はどんなことがあるのか?

大人のひきこもりになった理由は下記のことが上げられます。

  • 職場に馴染めなかった 23.7%
  • 病気 23.7%
  • 就職活動がうまくいかなかった 20.3%
  • 不登校(小・中・高) 11.9%
  • 人間関係がうまくいかなかった 11.9%
  • 大学に馴染めなかった 6.8%
  • 受験に失敗した 1.7%  等

【出典】内閣府(2010)『若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)』

上記のように、「何かが上手く行かなかった」ことや「克服するのが難しかった」ことなどが殆どになります。

また、ある番組の中で30歳から17年間家の中にひきこもっている方のお話がありました。その中で、その方と母親がひきこもりになった理由や状況を以下の様にお話していましたので、ご紹介させて頂きます。

  • 父親がストレスを100%家庭内に持ち込んで来た人
  • 母親も仕事をしており、怒らせないように接していた
  • 中学時代、いじめにあうが無事卒業出来た
  • 幼い頃は活発で友達が多かった
  • 引きこもりが長引くと、物に触れる度に手を洗うことが多くなった。(潔癖症)
  • 子どもの気持ちになって考えてあげたことはなかった。
  • 自殺を考えることがよくある。
  • 病院や役所からは「本人が来ないと何も出来ない」と言われた。
  • 自分よりも子どもの方が心配。姿を見るのが辛い。
  • 子どもが生きていることを確認する為に、母親は眠れない。
  • 出来れば人と関わりたく無い。 ・・・等

実際、1日中家から出ない人がひきこもりと呼ばれる訳ではなく、9割以上は趣味や目的の為に買い物へ出掛けることが出来ると言われております。

ここまで、ご覧になって、皆さんはひきこもりの方の特徴をどの様に感じて頂いたでしょうか?

皆さんの子どもにも当てはまることやこれから起こりそうなことが書いてあり、不安に思われている方も中にはいらっしゃるかもしれません。

しかし、何かにつまづき、失敗したからと言って全員がひきこもりになったり社会に出られなくなったりする訳ではありません。

ここからは「子どものひきこもりが心配な方に伝えたいこと」を3点に絞ってお伝えしたいとと思います。

①親御さん自身が孤立しないこと

1つ目は「親御さん自身が孤立しないこと」です。

大人のひきこもりや子どものひきこもりの長期化の原因の多くは、ひきこもりに関しての「相談する相手が居ない」「相談出来ない」ことで、問題を抱え込んでしまうことです。

色々な相談機関がありますし、家庭だけでどうにか出来る問題でもありません。

インターネットの情報や書籍からの情報で、対応されようとする方が居らっしゃると思います。あくまで、一例の中の対応になりますので、知識としての認知は問題ないと思いますが、ご自身の子どもに当てはめることが正しいとは限りません。

一度、子どもの状況をお話した上で対処方法を考えてみませんか?

②家庭内の環境を整理すること

2つ目に「家庭内の環境を整理すること」です。

子どもがひきこもりになると親御さんとしては

  • 子どもに対して強引な行動を取る
  • 子どもに対して極端な距離感を取る

のどちらかになりやすいです。

特にゲームやインターネットに熱中し過ぎている子どもに対して、親御さんが通信回線を制限したり、切ったりしてゲームやインターネットをできないようにする傾向が上げられます。しかし、子どもはそのことに対して反発し、様々な反発行動をとることが多いです。

その後、この状態が長引くと親御さんと子どもの距離感が出てしまい、結果的に「ストレスを与えない」「何もしない」などの行動をとる傾向が多いです。この様な状態になる前後でも対応の仕方が違うため、家庭内の環境を整理する必要があります。

子どものひきこもりを脱却させるためには一度ご家庭の環境を教えて頂けると幸いです。

③ストレス対処の方法を付けさせること

3つ目が「ストレス対処の方法を付けさせること」です。

上記でお話した通り、ひきこもりの原因として考えられることの大きなカテゴリーとして「失敗」「つまずき」が上げられましたよね。失敗やつまずきは誰にでも起こる事なのですが、ひきこもりや不登校になる方の特徴としては

  • ストレス対処のバリエーションが少ないこと
  • フィードバックが少ないこと

の2点があげられます。

これは生きて来た中でずっと上手く行き過ぎた人でも考えられます。その為、子どもが失敗したときやつまずいたときに日頃からトレーニングをすることも大切になります。失敗したことの何が良くなかったのか?次にどう活かせば良いのか?など、子どもの話を傾聴する中で取り組むことが出来ます。

最後に

以上が、子どものひきこもりが心配な方に伝えたい3つのポイントでした。

実際、親と子どもの距離感は近いため、お互いが遠慮してしまうことは多いと思います。また、親は子どもの気持ちが分かりたい一心で、子どもの為に色々なことに取り組まれようとするかと思います。しかし空回りをしたり子どもとぶつかったりしてしまうと、疲れていってしまうこともあるかもしれませんよね。

不登校支援センターではご家庭に合った支援方法や子どもに合った支援方法をカウンセリングを通してお伝えしております。

何かお困りごとやお悩みがございましたら、ご家庭だけで抱え込まず、一度ご相談にお越しください。

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