【体験】不登校だった男の子が知った「言葉の捉え方」の大切さとは?
こんにちは。不登校支援センター名古屋支部の伊藤みゆきです。
6月に入りましたね。令和の時代も1ヶ月がたち、当初のにぎやかさは少し落ち着いてきたようにも感じますね。
不登校支援センターには、今現在不登校の状態の子だけではなく、不登校状態から抜け出した後も足を運んでいる子が少なくありません。
日々、様々な子どもたちと接していてむしろ教えられることも多くあります。今回は、とある大学生の男の子のアルバイト先でのお話をしたいと思います。
念願のアルバイト、大学生の男の子が働いた先に待っていたのは?
高校生のころから不登校支援センターへカウンセリングに来ていたAくんは、大学に進学し、念願だったアルバイトを始めました。本を読むのが大好きだったAくんが、アルバイト先に選んだのは、古本や中古のゲームソフトなどを扱うショップでのお仕事です。
そんな彼が、アルバイトを始めて1ヶ月ほど経ったカウンセリングのときに、こんなことを言い出しました。
「もうアルバイト辞めたい・・・」
アルバイトを始めた当初は、大好きな本に囲まれて、生き生きとしていたAくん。
「バイト先の人もみんないい人で、長く続けられそうです!」なんていう言葉も聞いていたので、これは何か事情がありそうだと思って聞いてみました。
Aくんが言うには
「自分と同時に入った他のアルバイトの子には、ものすごく丁寧に教えているのに、自分は放置されている」
ということでした。
ちょっと不穏な空気を感じたのですが、よくよく聞いてみると、なんとなくわかってきたことがあったんです。
アルバイト先の社員さんの何気ないひとこと
それは、Aくんがアルバイト先の社員さんに言われたとある言葉に現れていました。
「Aくんなら大丈夫だよね!」
Aくんにとってはこの「大丈夫」という言葉を、「自分は放置されている」と捉えたのです。
でも、社員さんは「大丈夫」を
- 「信頼している」
- 「安心して任せられる」
という意味で使っていたかもしれないわけです。
私の考えを聞いたAくんは、う~んと唸って少し考えた後、
「確かに、初めてのアルバイトで気持ちの余裕もない状態で言われたから、いま冷静に考えると、僕の思いこみかもしれない。もう少し様子をみようと思う。」
と言って帰っていきました。
言葉の捉えかたは十人十色
Aくんは、「大丈夫」という言葉を「放置されている」とマイナスに捉えたわけですが、
同じ「大丈夫」という言葉に、喜びを感じたり、自信に繋がる子だっていますよね。
Aくんにとってはこの出来事が、人それぞれいろんな捉えかたがあるんだな、と考えるきっかけになったようです。
Aくんは、その後もアルバイトを辞めることなく、新人バイトさんのサポートもするようになりました。
Aくん曰く
「言葉って、その人の捉えかた次第で最強にも最低にもなるんだよ。だから僕は新人さんが入ってきたら、その人がどんな言葉をどんなふうに捉える人なのか、よく考えて声をかけるようにしているんだ」
だそうです。なんとも頼もしい言葉を聴くことができました。
と同時に、改めてひとりひとりに合うサポートをしていくことの大切さを感じたできごとでした。
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