子どもがカウンセリングを受けない時、どうすればいいのか?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
5月のゴールデンウィークが明けたと思ったら、ものすごく暑くなってきましたね。ここからさらに梅雨入りしていくのでしょうか。
私は昔暑いのがとても苦手で、嫌いだったのですが、今は暑いのよりも、寒い方が苦手に感じるようになってしまいました。しかし、あまりにも暑いと休みの日でも家から出たくなくなってしまいますよね。
もし家を出るとしても、必ずしなければならない用事があったり、自分にとってメリットがあるような目的がないと、行こうと言う気にもならなかったり・・・。
行くと決めたら、暑さ対策をどうするかなど、いろいろ考えてから動き出すかと思います。
そこで今回は、『動こうとしない子どもの対処方法』についてお話ししたいと思います。
カウンセリングを受けようとしてくれない時の対処法とは?
不登校支援センターの初回面談は、まずは親御様だけでお越しいただいております。
そのときに、今後カウンセリングを利用するかどうかの判断、または利用するにあたって解決しなければならない課題として、『子どもがカウンセリングを受ける気になる』ということがあります。
特にわかりやすい要因があるわけではないのに、学校に行こうとしない。だからカウンセリングを受けさせようと考えたり、「お腹が痛い」と言うから内科に連れて行こうとしたり、学校が合わないのであれば、適応指導教室などで、子どもに合った教育を受けさせてあげようとしたり・・・
様々な思いを持って、親御様が動こうとしますよね。
その時の子ども自身の反応としては
- 病院に行こうとしない
- 心療内科、カウンセリングを拒絶する
- 「自分は不登校とは違う」と言う
- 責任転嫁が多い
- 学校を辞めたい、学校に行かないとは言わない
- 「じゃあ、それでいい」というような、投げやりな反応をする
などと、現在の問題と向き合わないような反応を示すケースがよくあります。
そんな反応を子どもから示されると対応が難しいですよね。親御様としてもどうしたらいいのかわからなくなってしまったり、子どもが動く気になるのを待とうとしたりすることもあるのではないかと思います。
子どもはなぜ動こうとしないのか?今どんな状態なのか?
上記のような反応を示す時、子どもの中ではどのような心理が働いているのでしょうか。今までの事例から子どもの潜在的な心理を考えてみます。
頭やお腹が痛いという身体症状を訴えているとき・・・
「病院に連れていかれてしまうと、診断されてしまい、治療され、解決されてしまう。身体症状が解決してしまったら、学校に行くことを強要されてしまうのではないか。」
という不安を感じていることもあります。
カウンセリングや心療内科を拒絶する心理としては・・・
- 「自分が悪いということを暴かれてしまうだけだ」
- 「本当に精神病と診断されてしまったら辛い」
- 「カウンセリングや心療内科に行くことで状態がよくなってきたと判断されたら、また学校に行くことを強要されてしまうのではないか」
ということもあります。
- 責任転嫁が多い
- 学校を辞めたい、学校に行かないとは言わない
- 「じゃあ、それでいい」というような、投げやりな反応をする
という状態の心理としては、「自分で責任を持つ判断をすることができない(避けたい)」といった心理状態であると捉えることができます。
そんな時の対処方法についてはどうすればいいのか?
上記の子どもの状態についてまとめますと、
- 自分で責任を持てる決断ができない
- 状況が動き出すことを避けたい
- これ以上罪悪感を感じたくない
という心理が子どもの中で強く働いている状態である可能性があります。
しかし、対処方法をとろうにも、様々な情報から「無理矢理に動かそうとすることは良くない」ということは、親御様としてもなんとなく感じることもあると思います。
かと言って、「動くまで待つ」場合、「自分の子どもが待っていたら動けるようになる」と思える方と、そう思われない方がいらっしゃるのではないでしょうか。前者の考えをお持ちの親御様としては、子どもを休ませてあげていれば動けるようになるだろう、と考えることもあると思います。
ただ、もしもこの対応が子どもの状態にとって適切でない場合、緩やかに悪化していく危険性があります。
学校に行かずとも、子どもが少しずつストレスを溜めていくことがあるのです。
実際に、「動くまで待つ」をしていたけれども、かれこれ半年、1年は動かないままだった。動くどころか悪化しているようにさえ感じる。という状態になってしまうことも事例としては現実にあります。
なぜ状態が悪化してしまうのか?
子どもの心理状況としては、
- ただ学校を休み、学校にも行けない状態が続く。
- その何もすることができていないという状態で、学年だけが進んでいく。
- 本来できるべきことができないままでいる、そんな自分について考えたとき・・・
自分の未来は真っ暗だと感じてしまい、生きることに希望を見出すことができなくなってしまうことがあるのです。そして、より無気力になっていったり、荒れたり、ふさぎ込んだり、引きこもったりといった状態の悪化に繋がっていくことがあります。
もちろんそうなってしまっても、改善していくことは当然可能です。
ですが、状態が悪化してしまってからと、悪化する前ではその後の対応にかかる時間は大きく異なります。また、時間が経てば経つほどできることも、選べる選択肢も少なくなっていきます。
動こうとしない子どもへの適切な対処方法とは
まずは心理的に休むことです。
そしてご家庭での心理的な休みはご家族の関わりでしか得ることができません。
子どもにとってどのような関わり方が心理的な休みになるのかは、子どもによって、ご家庭の環境によって異なります。
緩やかに状態が悪化していくということは、そのご家庭の環境が、その子にとって休まるものになっていない可能性があります。
不登校支援センターでは、初めから子どもが抵抗感なくカウンセリングを受けるというケースはそんなに多くありません。ほとんどがまず親御様だけがカウンセリングを受け、子どもとの関わり方を見出していき、そして子どもが休める状態を作ります。
子どもが休める状態を作り、子ども自身が本当に休むことができたと感じたとき、今までの「何もできていない・・・どうしよう・・・」という不安な心理から、「何かしなければ、何からすれば良いんだろう」という焦りの心理に変わっていきます。
そのときに、親子の関係性が「親の言うことを子どもが聞き入れることができる状態」であれば、「じゃあカウンセリングに行ってみる?」という親御様からの提案に対して、子どもは一歩踏み出すことができるでしょう。
もし、子どもが動こうとしないという状態にある方は、早めに専門の機関にご相談してみてくださいね。不登校支援センターにはセンターの利用が初めての方に向けた初回無料面談(50分)がございます。是非ご活用ください。
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