お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート

【専門家が伝授】親子の会話で意識したいポイントとは?

こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。

本日は、以前の面談で印象に残った親御さんとのやりとりを取り上げたいと思います。

子どもと親御さんのある日の会話

中学生の子どもと親御さんの日々の会話の中で、あるとき、このようなやり取りがあったそうです。

子「今日、Aさんがしつこく僕のことをいじってきてて、最初は笑って返してたんだけど、言い方もきつくなってきて段々イライラしてきて・・・。しつこかったんだよね。」

親「うんうん」

子「それでいつもはAさんと一緒に帰るんだけど、けっこう腹立ってて今日Aさんを置いて一人で帰ってきたんだ。」

親「そんなことがあったのね。」

子「でも、勝手に帰るなんてAさんに悪いことしたかも。どうしよう。」

親「うんうん。」

このようなやり取りがあったそうです。

そのとき、親御さんの心のなかでは、「この子はこういうところが気になるんだな」と思ったそうです。

というのも、親御さんは

  • 「私だったら、それだけ腹が立つことを言われたら、1人で帰るかもしれない。」
  • 「『勝手に帰ってAさんに悪いな』と思うよりも、むしろ向こうが謝ってくるまで許さない、という気持ちになるかもしれない。」

と考えました。しかしこの子はそうではなく、

「自分が相手にしてしまったことのほうが気になるんだなあ。」

と感じたとのことでした。

親子でも考え方が違うのは自然なこと

このように、日々の会話の中で子どもの話すことに、親御さんも「ん?」と感じることは度々あるようです。

しかし、心の中で「私だったらそうは思わないけどな。でもこの子はそう考えるんだろうな。」と思うようにされているそうです。自分の価値観として言いたいことはあるようですが、それを言っても今の子どもには合わないような気がするともおっしゃっていました。

ですので、今は

  • 子どもの話をまず受け止めること
  • その後で一緒にどうするか考えたりしている

とのことでした。

こうしたやり取りは、子どもの今の心の状態にも合っているようで、実際にその子どもなりの進み方、ペースで物事に前向きにチャレンジしていました。

違いを理解するだけで大丈夫

ご相談に来られている親御さんからお話をお聞きしていると、

  • 「なんでうちの子はこう考えるんだろう?」
  • 「なんでこういうふうにしないんだろう?」

というお話も多くいただきます。

そして、親御さん自身も本やネットで不登校に関わる様々な情報を調べたりされている中で、「子どもの考えに全部同意しないといけないのでしょうか」とお悩みになっている方もいらっしゃいます。

けれども、たとえ親子であっても、物事の考え方、価値観が違うのは自然なことかと思います。それを無理に合わせようとするのは中々しんどいことかもしれません。

ですので、今回取り上げさせていただいたエピソードのように・・・

自分の価値観まで変えるのではなく、「今、この子はこういう考え方をするんだな」と、自分とは異なる価値観であっても、その違いを理解する

ということが、今の子どもにどう関わったらよいのかのヒントになってくるのだと感じています。

具体的な関わり方については面談でも一緒に考えていけたらと思いますので、子どもとの会話の中で気になるやり取りなどありましたら、面談でもぜひお聞かせくださいね。

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